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81 傘お化け1
傘お化けという妖怪がおります。
傘お化けは傘の体に目が一つついていて、一本足で上手に飛び跳ねて前に進みます。
この傘お化け。
蛙が大好物でした。
この夜。
傘お化けが近くにある池に行きますと、池の淵に明かりが灯っていました。
やはり蛙が大好物の提灯お化けです。
「君が来るのを待ってたんだ。いつものようにあれを頼むよ」
「まかせとけ」
傘お化けは大きな一つ目で、提灯お化けの明かりに集まった蛙たちをひとにらみしました。
するとたちまち、蛙たちは固まって動けなくなってしまいました。
それはまるで蛇に睨まれたようです。
「いつもながらすごいもんだ」
「あたりまえだよ、なんといってもオレは蛇目傘なんだからね」