60/105
60 帰国女子
この日。
犬のポチは朝からそわそわして、何やらとても落ち着かない様子でした。
実は昨日、外国帰りの家族が隣家に引っ越してきたのですが、そのなかにプードルのかわいい女の子がいたのです。
その女の子は、家族の者たちからマリーと呼ばれていました。
マリーは帰国女子、いろんな言葉が話せるにちがいありません。
ひきかえ、ポチは外国語はひとつも話せません。
――英語でしゃべられたらどうしよう。
マリーとうまく言葉が通じるか、ポチは朝からずっと心配していたのです。
そのとき。
隣家の庭にマリーが出てきました。
「ワンワン」
ポチはマリーに向かって、垣根越しにあいさつをしました。
マリーが笑顔であいさつを返してきます。
「ニャーン」




