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54 人柱

 とある町はずれ。

 そこには小さな石碑が立っていて、苔むしたそれにはサヨという名が刻まれています。

 五百年ほど前。

 この土地には暴れ川と呼ばれる川があり、大雨で荒れるたびに橋が壊れて落ちていました。

 ある日。

 領主の夢枕に神が立ちました。

「人柱を立てれば神の加護が必ずやあろう」

 重臣の多くは反対しましたが、領主の命令に最後までさからえませんでした。

 その人柱に選ばれたのは、橋のたもとに住む百姓の娘のサヨでありました。

 サヨは人柱となって川に沈みました。

 その年。

 橋は川の氾濫で流され、サヨが縛られていた(くい)だけが川底に残りました。

 みなは涙して後悔をしました。

 サヨの石碑。

 今でもクイの証として残っています。


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― 新着の感想 ―
[一言] 。。。杭。。くい|д゜)悔いか!!  川や湖に神様がいるならば、人柱を要求する荒魂 か、人の死を穢れとする神社の神のような神か。だと、何かで読んだ記憶があります。21世紀の今でさえ、治水は難…
[良い点] 人柱って昔は本当にあったんですよね(今でもあるかもしれないけど)。 親族にとっては、本当に悔いが残る話です。
[一言] 拝読しました。 杙、クイの証。お上手です。 人柱。我が地区にも伝説はありますが、むかあし、ほんとうにやっていたんですかね?そんな残酷なこと。それもたいてい、若い女性が多いですね。年寄りのお…
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