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51 千鳥足

 地獄の飲み屋街。

 そこは三途の川の渡し場から一町ほど奥に入った裏通りにあり、赤提灯の灯った店が何軒も立ち並んでいました。

 そのうちの一軒の飲み屋で、もう長いこと、男の幽霊がうまそうに酒を飲んでいました。

 やがて……。

「オヤジ、おあいそだ!」

 幽霊はやっと重い腰を上げました。

「へい、ただいま」

 さっそく店の主人が算盤(そろばん)をパチパチとはじき、飲み代を記した紙を幽霊に渡しました。

「ずいぶん飲んだもんだな」

 幽霊は飲んだ金額を知って驚きましたが、ふところから財布を取り出して勘定をすませ、それからふらふらとした足どりで店を出ました。

「今晩は、お足が出ちまったな」

 幽霊は千鳥足で地獄の闇に消えていきました。


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