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46 琴の付喪神

 その昔。

 ある旧家の蔵の奥深く、そこに古い琴が大切にしまわれておりました。

 それがこの夜。

 琴は長い年月を経て付喪神(つくもがみ)となり、己の手によって音を奏でられるようになりました。

 こうして付喪神となった琴は、自分で琴が弾けるようなって嬉しくてたまりません。

 夜な夜な、蔵の中で弦をつま弾いては、その音に酔いしれていました。

 ですが、もともととても古い琴であります。

 毎晩のように弦をはじいているうちに、数ある弦もやがて一本二本と切れていきました。

 そして、この夜。

 パシッ!

 ついに最後の一本が音を立てて切れました。

 付喪神の琴は、それから二度と音を立てることはありませんでした。

 蔵の隅でコト切れていたのでした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 悲しいお話なのになぜか『ふふっ』となりました。ラスト1行のお陰かも!
[一言] >コト切れた 琴の付喪神、次第に弦が減って、奏でられる曲が少なくなって、遂に最後の弦が切れて……。 これが、弦壊(ちょっと、強引ですね。すみません)。
[一言] 琴だから、弦が全滅してコトきれる。 お上手ですし、クスリとします。 今朝は雨降り、心身ともにけだるい朝ですが、keikatoさんの作品で元気にさせていただきました。 私もコトきれないようしな…
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