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43 阿吽
ある繁華街の裏通りに小さな神社がありました。
この日。
神様は阿と吽を呼びつけました。
「飲み代が底をついてしまった。おまえら、キャバクラ嬢になって稼いでおいで」
この神様は人の姿に変身して、お賽銭でキャバクラ通いをしていたのです。
「わかりました」
「今夜からでも」
その夜。
阿と吽は美しい女に化身しました。
そんな阿と吽に、キャバクラなれした神様が、キャバクラ嬢としての作法を教示します。
「キャバクラ嬢には源氏名というのがあってな。これから阿や、おまえは下に子をつけてアコになれ。それで吽や、オマエも下に子をつけて」
吽は急いで首を振りました。
「オレ、キャバクラ嬢しない」