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35 竜宮城
ここは海の底にある竜宮城です。
この日は竜王の誕生日で、それを祝う多くの催しがにぎやかになされておりました。
乙姫様の歌。
タイやヒラメの舞い踊り。
それらひとつひとつが、この世のものとは思えぬほど美しいものでした。
宴も最高潮のときでした。
サメが竜王の前に進み出て、お手玉芸を始めました。
五個の玉を次から次に宙高く放り上げ、それを受け止めてはクルクルと順番にまわしていきます。
「じょうずだなあ」
「うまいものだ」
サメはみんなから拍手喝采を受けました。
竜王もたいそうご満悦のようです。
「サメよ、みごとなものじゃのう」
「好きでやっておりまして」
竜王はフムとうなずきました。
「これぞ、好きこそもののジョーズなれ」




