31/103
31 十二支
その昔。
神様は年月や方位を示す十二支なるものを作り、その十二の動物と干支の順番を、鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪というふうにお決めになりました。
現在、この十二支の七番目は馬です。
神様の本来の予定では、その位置は人であったのですが、あることが発端となって馬に置き換わったのでした。
そのあることですが……。
自分が十二支に入っていないことを知った馬が、なんとか自分を入れてもらおうと、神様のもとを訪れてお願いしました。
「神様、私も干支の中に入れてください」
「おう、おまえのことをうっかり忘れておった」
最後の最後。
神様は人をはずして、その位置へ馬を入れてやりました。
ウマがあったのです。