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22 転生
たいそう小心者の男がおりました。
たとえそういう性格であっても、女性を好きになるという気持ちはみな同じで、この男にもひそかに心を寄せる女がいました。
この日。
男は勇気をふり絞って告白しました。
「私とお付き合いをしてください」
「冗談でしょ!」
男は女に足げにされました。
その夜。
男は大事な命と引き換えに、望みを叶えてもらうべく悪魔と取り引きをしました。
「ずっと彼女のそばにいたのです。転生したら、私を彼女の体の一部にしてください」
「その願い、必ず叶えてやろう」
悪魔との契約は成立し、男はたった一つの命を悪魔に捧げたのでした。
この夜。
男を足げにした女の足の毛が一本増えました。
男はアシゲにされたのでした。