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15 ロボット掃除機
オレは独身の一人住まい。
先月、会話をするロボット掃除機を買った。
このロボット掃除機。
最先端の人工知能を搭載していて、オレが会社に行っている間に掃除をし、さらにオレが家にいるときは話し相手になってくれた。
ロボット掃除機が家に来て以来、オレは一人暮らしの淋しさから解放され、心が癒された。
相手がロボットとはいえありがたいことである。
本日。
そのロボットが、なぜかまったく動かなくなってしまった。
オレはロボットに問いかけた。
「どうした?」
「掃除がイヤになりました」
「オマエ掃除機だろ、これはいったいどういうことなんだ?」
「掃除の放棄です」
「掃除機なのに掃除の放棄だと?」
「はい、もとは掃除のホウキです」