1/103
1 真相
ある小さな田舎町。
その町のはずれに竹藪の続く道があるのだが、そこを犬を連れて散歩していた男が、道ばたの草むらに散らばっていた数枚の一万円札を見つけた。
それらを拾い集めたあと、まだ落ちているのではと竹藪の中をのぞき見たところ、そこには大量の一万円札が散乱していた。
男はもうびっくりである。
数時間後、警察が現場に来てさっそく捜査を始めた。
その日。
竹藪から一万円札すべてが回収され、警察署で数えてみたところ一億円ほどあったという。
だれの金なのか?
犯罪がらみの金なのか?
捨てられていたとしたら、だれが何の目的でこの竹藪に捨てたのか?
警察の捜査はそれからも続いた。
だが……。
真相はいまだヤブの中だという。