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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第204話 根岸玲

試合後のミーティングで、大阪桐正の投手陣について見ていくけど、跳び抜けているのはやっぱり藤波さんだ。最速140キロのストレートに、カットボールとフォークボールは一級品。コントロールがイマイチだとか言われているけど、それでも高校生としての平均的なコントロールは身につけていると思う。


1番四球が多かった試合は、春の甲子園決勝で履陰社相手に慎重に投げた結果の与四球5。私達より強かった履陰社が粘りに粘ってこれだから、あまり四球を期待し過ぎても駄目だね。


そして注目しないといけないのは、黄金世代と言われる大阪桐正の3年生のレギュラー陣に2年生でしれっと交ざっている根岸玲さん。最初に名前を見た時は「レイ」さんだと思ったけど、後で「アキラ」さんと知った時は少し恥ずかしかった。


「大村さんと根岸さんが、大阪桐正打線では特に警戒しないといけないバッターです。大村さんか根岸さんの、調子の良い方が4番に据えられるようですから、次戦では大村さんが4番だと思いますが……」

「あとは3番の森友も警戒せんといかんが、カノンは何か弱点とか知っとるか?」

「前も言いましたけど、代表合宿では手の内を見せてくれなかったので、バッテリーを組んだのにリード面ですら収穫は無いですよ」


矢城コーチと御影監督が大村さん、根岸さん、森友さんの3人を特に警戒するべきだと言うけど、大阪桐正の中で跳び抜けてヤバいだけであって、他も十分にヤバいので1番から9番まで気は抜けない。9番の藤波さんですら、一発はあるからね。


「えっと、1つ聞いておきたいのですけど、優紀さんは何か根岸さんの情報を持ってたりしますか?」

「え?……ええっと、何も無いよ?何で私に、聞いたのかな?」


投手としての根岸さんは最速134キロのストレートに、変化量が少ないながらもスライダー、カーブ、チェンジアップ、縦スライダーを投げる。これで2年生とか化け物かよと思っていると、久美ちゃんが優紀ちゃんに根岸さんの弱点を聞いたけど、何だったんだろう?


少し気になったので、ミーティング後の夕食の時間に聞いてみる。それにしても甲子園滞在中は、ホテルで朝夕とバイキング形式の食事が出るから色々と安心だね。大食らいが何人居ても、食費は嵩まない。


「久美ちゃん、何で優紀ちゃんに根岸さんのこと聞いたの?」

「単純に、優紀さんは根岸さんのことをよく知っているはずだからですよ。どうせなら、一緒に聞きに行きません?」

「ええ……?その自信が何処から来るのか分からないけど、とりあえず付き合うよ」

「……何で私は今、手元に録音機を持っていないのでしょうか?せっかくカノンさんが『付き合うよ』と言ってくれたのに……」


料理を皿に盛りつけて、ぶつぶつ言っている久美ちゃんと一緒に優紀ちゃんの席の近くに座る。そう言えば優紀ちゃんは、春の甲子園で根岸さんを見た時、ちょっと反応がおかしかったかな?あの時は真凡ちゃんと喋っていたから、あまり優紀ちゃんの方を気にしてなかったけど。


「……優紀さんは、根岸さんと同じ地区の出身ですよね?私が調べたところ、優紀さんの学校は3年連続で根岸さんに敗れていますけど」

「……今、素直に久美ちゃんの情報収集能力に驚いたよ。確かに私が居た中学校は3年連続で、根岸さんに抑えられた。だけど私は、その時戦ってすらいない存在だし、有益な情報なんてあまり無いよ」

「え?同地区出身なの!?いや、根岸さんは確か東京出身で、優紀ちゃんも東京出身だっけ。根岸さんも軟式出身だし、対戦経験があったのか……」

「1年生の時から活躍している根岸さんに、同地区にあった優紀さんの学校が何一つ準備や対策をしていないとは思えなかっただけです。それに3年生の時は、2番手投手でベンチには入っていたんですよね?それなら情報共有はされているはずです」


久美ちゃんと優紀ちゃんが向かい合った途端、久美ちゃんが衝撃の真実を語る。どうやら優紀ちゃんの中学校と根岸さんの中学校は、対戦経験があったらしい。それも、3年連続で。優紀ちゃんの学校はそこまで部活に力を入れて無い学校だったとは思うけど……それでも何かしらの情報は持っているんじゃないかな?


優紀ちゃんがあまり無いって言ったのは、少しは情報があるからそういう言い方になったんだと思うし。関係の無いような情報でも、今は少しでも情報が欲しい時だから大歓迎だよ。


「じゃあ話すけど、根岸さんの性格はめっちゃ悪いよ。たぶん詩野ちゃんの、100倍は性格悪い。私が投球練習していた時の姿を見て、笑っていたぐらいだし」

「……中学生の頃から、ちやほやされていたらそうなる人もいるよ。根岸さん、中学3年生の時には131キロをマークしてたし、天狗になっていてもおかしくはないね」

「ただ、プレーは凄かった。1人で打って、1人で抑えてたよ。私は結局、対戦したことも無いけど、その時は本当の天才だと思ったし、根岸さん自身も自分を10年に1人の天才だと思っていたと思う」


すると優紀ちゃんからは、根岸さんの性格が悪いという新情報が提供された。根岸さんはマスコミには比較的爽やかな笑顔を向ける人だけど、優紀ちゃんが詩野ちゃんの100倍は性格が悪いと言うことは、よっぽどだね。


もしかしたら、直接何か言われたのかもしれない。本当に大した情報では無かったけど、性格が悪いことすら利用出来そうなキャッチャーがこの湘東学園にはいるし、活用は出来るんじゃないかな?

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