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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第17話 中間考査

中間考査が終わった。前世の知識がまだ使えたため、世界史以外はほぼ満点。


点数の合計点は814/900で401人中5位だった。人生2周目なのに1位を取れないって……。


真凡ちゃんは772/900で31位だった。自信満々といった表情で成績表を見せつけて来たので、私の成績表を見せたら凄く落ち込んでいた。勉学では私に勝てると思っていたらしい。私はそんなアホそうに見えるのか。


……西野さんは、梅村さんと久美ちゃんを頼って何とか赤点回避。いや、1年の1学期中間考査から勉強に追いつけていないのは不味いでしょ。


「何でみんな、あんなに練習してるのに勉強ができるの?」

「……それは、優紀ちゃんみたいに授業中に寝て無いからだよ」

「ぐっはぁ」


西野さんが成績の良かった組に詰め寄ったら、梅村さんに無慈悲なカウンターを受けて項垂れた。流石に可哀そうなので、良いものをあげよう。


「そんな西野さんには、プレゼントをあげよう」

「え?何?」

「指を鍛える、フィンガートレーナーだよ。

これを使って授業中に握力を鍛えれば、授業中に眠ることはないはずだよ」


指を鍛えることが出来るフィンガートレーナーは、既に智賀ちゃんと真凡ちゃんにはあげている。授業中、先生の話を聞くだけだと時間が勿体無いから渡したが、眠気防止に使えると好評だった。


そのフィンガートレーナーを貰って嬉しそうにしている西野さんを眺めながら、データ表を見ている久美ちゃんに話しかける。


「しかし、よくほとんど1年生のチーム相手に練習試合を引き受けてくれるよね」

「監督は『生カノンを見たくはありませんか?ヤバいですよ?』と言って興味を持たせてるみたいです」


練習試合は、今までずっと他県の春季大会ベスト8やベスト16を梯子しており、3勝6敗と負け越している状態。約1人、頭のおかしいバッターが打率9割という成績を残しているけど、それでもなかなか勝てない。


練習試合だと敬遠は無いけど、公式戦だと敬遠されることも頭に入れておかないといけない。なので、私が全打席敬遠されていた場合で得点を再計算すると、0勝8敗1分になる。


……そろそろ、実戦を頭に入れた練習試合を取り組んで行かないといけないかな。


「久美ちゃん、次の対戦相手ってどこ?」

「えっとですね、6月の1週目だから……武蔵野第一高校です」

「春季大会はどうだったの?」

「東京都ベスト16ですね」


東京の春季大会は西と東で分かれず、東京都全体で行なう。そこでベスト16という事は、やっぱり強い高校だろう。




5月の守備練習増量期間が終わり、6月になって打撃練習増量期間となり早数日。武蔵野第一高校との練習試合の日がやって来た。武蔵野までは、2時間ぐらい電車で揺られて移動する。今日は1試合だけだから、当然大野先輩が先発だ。


「今日のスタメンと相手のスタメンを発表します!」


矢城監督が大きな声でスタメンの発表を始めた。そろそろ変化を入れてくるかな、と思っていたら、その予感は的中したようで、一番最初に名前を呼ばれる。


「1番センター実松奏音!」


……最近は盗塁の練習も多かったし、そろそろこうなることは予測出来ていた。純粋に四球も多いし、無理に私を4番に置く必要も無い。



湘東学園 スターティングメンバー


1番 中堅手 実松奏音

2番 投手  大野球己

3番 捕手  梅村詩野

4番 一塁手 小山悠帆

5番 右翼手 江渕智賀

6番 三塁手 西野優紀

7番 左翼手 伊藤真凡

8番 遊撃手 鳥本美織

9番 二塁手 鳥本奈織



随分と思い切って、打順を変えている。公式戦を意識した打順だろう。私が敬遠された後でも打点を取れるように、考慮した結果かな。大野先輩は投手だけど、打撃も悪くない。4番にはキャプテンを据えて、下位打線は私に繋がりやすいようにしている。


何はともあれ、今日も相手は格上の高校。胸を借りるつもりで戦おう。




1回表の攻撃、最初のバッターボックスに立ったのは奏音だった。


(ふーん、2つ年下なのに随分と風格あるね。……慢心せず、いつも通りにコーナーを突きましょ)


マウンドに立ったのは武蔵野第一高校の右のエースの今井(いまい)だ。大きく振りかぶって、初球ストレートを外角低めに投げる。


「ボール!」


僅かに低めに外れて判定はボール。今井は特に気落ちせず、2球目にカーブを外一杯に決まるよう、狙って投げる。


カウントを取りに来た狙い球を、奏音は初球で捉えた。キィンと弾いた音がして、ボールはライト方向に飛ぶ。


(やられたっ……!?入らないで!)


ライト線に飛んだ打球は、僅かに切れてファールとなった。命拾いをしたと、ホッとした今井は3球目、高めのボール球を投げる。2球目、カーブを低めに投げたためか、先程の打球がファールになった安堵感からか、高めに少し外す予定だったストレートは大きく外れるボール球となった。そしてその高めに外れたボール球を、奏音は左中間に弾き返した。


(嘘でしょ!?綾ちゃんは……追い付けない、か)


奏音のツーベースヒット。これで状況はノーアウトランナー2塁となった。

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