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プロローグ 

二次創作小説、オリジナル小説問わず、「転生」をするのは最早、見慣れたものになった。


また、ある日突然男が女になったり、中身が入れ替わったりする「TS」も一時期大流行りした。


それらを組み合わせた「TS転生」も、受け入れ難い人が声を荒らげたりしたが、次第に受け入れられていった。今では「TS転生」も一大ジャンルだろう。俺も大好きだったし、何作も読んでいる。


だが、それはあくまで読み物だから良いのであって、実際に「TS転生」したいわけではなかった。


「カノン!打てー!」


前世の冴えないサラリーマンの記憶が3歳の頃に流れ込んだ時、俺はTS転生したことを悟った。今世での名前は実松(じつまつ) 奏音(かのん)だ。憑依か転生かはわからないが、同じようなものだろう。前世は中学、高校と野球部だったし、今世の親も野球に理解があったので、野球をしようと思いリトルに入った。


その後はやけにチームに女子が多いな、と思いながらも野球を続けていたが、小学生の高学年になる頃ようやく異常事態に気付く。


この世界では、女子野球の知名度が異様に高い、と。


一応、男子のプロ野球リーグもあったために前世との差異に気付かなかったが、女子プロ野球が毎日のようにテレビ放送されているのに男子プロ野球はほとんど無い時点で気付くべきだった。


この世界でW杯と言えば、女子野球の世界一を決める大会だ。欧州や南アメリカですら女子野球>>>>>>サッカーってのは流石に違和感を覚えるが。




そして今、私、実松奏音はU-15日本代表として国際大会の4番を打ってます。


「ファール!」


試合は3対2のアメリカリードで迎えた9回裏、ツーアウト1塁2塁。カウントは2-2。今日は4打数2安打と絶不調な私が打席に立っている。


マウンドに立っているのはアメリカの3人目の投手。120キロ台のストレートで力押ししてくるピッチャーだ。


15歳の女子で125キロを出せるのは凄いのだろう。実際、出たランナーはエラーとフォアボールだし、他のバッターは皆三振している。




だけど、元男の感覚として、125キロの棒球とか絶好球以外の何物でもない。最後、ど真ん中に来た120キロのストレートを振り抜き、バックスクリーンへと運んだ。


ワアアアアアア!とスタンドからは凄まじい音量の喜びの声が聞こえる。私は淡々とダイヤモンドを周り、最後にホームベースを踏んだ。


3対5、日本の勝利だ。




【U15W杯20XX】日本代表優勝!!!!! part16


1:競技人口774億人

カノン砲来たああああああ!!!!!!!!


前スレ【U15W杯20XX】日本代表vsアメリカ代表!!part15


2:競技人口774億人

日本の4番やべーな


3:競技人口774億人

>>1乙

カノン砲の飛距離やべー


4:競技人口774億人

アメリカ代表の子かわいそう


5:競技人口774億人

今までの不調は何だったんだ


6:競技人口774億人


ガールズ 96打席74打数66安打 打率.892 本塁打16本 四死球22 OPS2.930

U-15 24打席22打数18安打 打率.818 本塁打5本 四死球2 OPS2.742

本日 5打数3安打 打率.600 本塁打2本 OPS2.400


今日が一番の不調だった模様


7:競技人口774億人

>>6

なんだこれwww


8:競技人口774億人

>>6

どう見てもやべーやつ


9:競技人口774億人

>>6

いつ見ても草しか生えない


10:競技人口774億人

そう言えばガールズの全国大会決勝も5打数3安打で2本塁打だったな

大事な試合で打てなくなるとかもしかしてプレッシャーに弱い?


11:競技人口774億人

今日の全打点がカノンなのにプレッシャーに弱いわけないだろ


12:競技人口774億人

カノンは高校何処に行くのか

もう争奪戦は始まってるかな?


13:競技人口774億人

>>12

どこも欲しいだろうからなぁ

いきなりプロすらあり得る


14:競技人口774億人

最後の特大ホームラン流石やったで

ワイはずっとカノンのこと信じとったからな


15:競技人口774億人

間違いなくカノンは将来の日本の4番だろうな




「カノン、バスが出るでー!」

「わかってるー!今行くよ!」


携帯で掲示板を見てみるとどこもお祭り状態だった。U-15とはいえかなり注目されていたようだ。


そして話題は私の進学先予想に発展している。大坂桐正や日大産などが有力視されているようで、実際に色んな所から推薦が来ているけど、私の志望する高校はもう決まっている。


激戦区、神奈川にある湘東学園だ。伯母が学園長で、是非来てほしいと言われて親が勝手に承諾してしまった。


……ぶっちゃけて言うと、そんなに野球が強いところではない。親戚が学園長ということは苗字で分かってしまうし、そんなところに3年間も通うと思うと今から胃が痛くなる。

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