マウとかしわの木の葉
あるところに、「マウ」と呼ばれる妖精がいました。
マウは、かしわの木の葉っぱの上に住んでいました。
マウは、春に生まれました。
太陽の光を始めて体いっぱいに浴びました。
そよ風を心地よく感じました。
夏は雨をたっぷり吸い込みました。
夜は、虫たちとかえるの大合唱を聴きながらぐっすり眠りました。
あたりがとても元気だったのでマウも元気な気持ちになりました。
秋は黄色くなりました。
近くのもみじは紅に染まってあたりはみんなおめかしをしていました。
少しずつ寒さが増してきた頃、早い友人たちは長い夢の世界へと移り始めました。
冬になりふかふかの雪がマウの住んでいるかしわの木の葉の上にやってきました。
ふかふかで、吸い込むとなんともすっとしたいい匂いのする雪をマウはとても好きになりました。
雪をいっぱい楽しんだマウは疲れて眠くなりました。
マウは知っていました。
だから、目が覚めたとき どこにいて 自分というものが何を感じて どんなことを経験できるのか想像していました。
きっとー 今度はー 私は何になれるのかな と
おわり