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.銀 歴1 345年 兵器博 館
モノクロの記憶。
ホワイトノイズに飲み込まれた、遠い遠い記憶。
『忘れないで』。
『忘れないで欲しい』。
誰の言葉だっただろうか?
『もちろんです。それがわたしの仕事ですから』
胸を張ってそう言った気がする。
砂の中で星を見上げる。
銀河の果て。灰が降る空。
とても美しかった。
思い出の断片を、集めて、並べて――
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
『忘れないで』。
今はいつで、ここはどこだったっけ?
もう忘れてしまった。
砂と灰に埋もれながら、わたしは星を見ていた。