第4話 野外オーク料理
「それでは俺たちはオーク狩りに行ってくる。1匹だけでいいなら楽勝だ」
「よろしくお願いしますね。こっちは料理の準備して待っていますから」
「おう。オークのパンチ焼き、お楽しみだな」
冒険者3人はオーク料理を食べるためにオーク狩りに出かけた。
僕はひとりで残って料理の準備だ。
オーク焼きは普段はフライパンで焼く。
だけど、今は野外だから、串焼きの方がいいだろう。
手ごろな木の枝を加工して、串を作る。
30センチほどの長い串。
ひとり3串として12本。
これだけあれば、腹いっぱいになる。
オークの肉がまだ残るだろうから、燻製の準備もしよう。
バンチ焼きと同じタレで燻製にしておけば、保存食として使える。
燻製に使う木片はマジックバックに入っている物を使う。
気魔法の特殊処理がなされている燻製用の木片だ。
さて、串焼きをするかまどもできたし、パンチだれも準備オッケー。
いつでも料理を始めることができるぞ。
後は冒険者がオークを狩ってきてくれるのを待つだけだ。
「おーい、帰ったぞ」
冒険者のリーダーの大声が聞こえる。
3人の冒険者を見ると、それぞれがオークの死体を担いでいる。
おいおい、3体もかよ。
いくらなんでも、多すぎるだろ。
「群れを見つけてな。つい、倒しすぎてしまった。もったいないから、みんな持ってきたぞ」
そんなにあるとなると、タレがなりないな。まぁ、普通の燻製でもいいか。
あ、別に肉のままでも、多少はもつし。
明日の朝ごはんにするか。
「お疲れ様。解体できる人います?」
「簡単な解体ならできるぞ」
「それでは、手伝ってくださいな」
ふたりでオークを解体していく。
パンチ焼きに一番向いているのはロース部分だ。
ほどよく脂がのっていて、魔素の加減もちょうどいい箇所だ。
「この部分をパンチ焼きに使います。こっちはパンチ燻製に。他の箇所は普通に燻製を作ります」
テキパキと解体を進めていく。
あっと言う間にオークは肉に変わっていく。
「おまえ、解体上手いな。早いし、丁寧だし」
「肉の部位によって、解体しやすい線があるんですよ。それが分かると早くて綺麗に解体できます」
「へぇーー」
ロースを大き目に塊肉にしてそれを串刺しにしていく。
ひとつの塊が50g程度のサイズ。
それを3つ、串に刺したら出来上がり。
焼く直前にバンチタレをくぐらす。
しっかりとタレを絡ませて、かまどに串を刺す。
ちょうどいい距離に刺すことで、じっくりとオーク肉が焼けていく。
ただ、一本目だけはちょっと近めにしておく。
きっと、待てなくなりそうだからな。
じゅわっという焦げる音。たまりませんな。
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