第23話 料理人ギルド
「ここが料理人ギルドか」
どどんと大きな丼が看板替わりという、ちょっとお笑い系が入ったギルド。
入口から入ってすぐにある受付のお姉さんに話しかける。
「こんにちは。料理人のギルド登録して欲しいんですけど」
「どのクラスをお望みですか」
料理人ギルドのクラスは冒険者ギルドの様に経験値で決まるものではない。
どんな料理人なのかを示すのがクラスなのだ。
僕が登録するクラスはCクラス。
主に屋台や露店で料理をして売ることをしている人が登録するクラスだ。
まだ見習いだとEクラス。
お店で働いていて一人前として認められている人はDクラス。
お店を持っている人がBクラス。
お店を複数持って統括しているのがAクラス。
クラスが下だとしても、料理人の技術は上の人もいる。
ただ、それぞれのクラスは最低の技術が設定されている。
「Cクラスでお願いします」
「それでは料理技術を調べますのでこちらへどうぞ」
どんな実技試験をするのかなと思っていたら、簡単なことらしい。
包丁の使い方、鍋でゆで方、肉の焼き方。
ちゃんと料理人していれば、誰でも受かるレベルだ。
「まずは、この野菜を剥いてサイコロ上にカットしてください」
しゅるん。ザクザク。
「うわっ、なんですかそれ。早すぎるでしょう」
「そうですか?」
しれっとした顔で言う。
錬金料理道具使っていると、普通の人の何倍も速くできる。
「まぁいいでしょう。合格です」
本当はその後もあるみたいけど、あまりに手際がいいので試験するまでもないと判断されたみたいだ。
「Cクラス料理人のライセンスです」
もらったキャッシュカードサイズのライセンスカードにはCと大きく書いてある。
「ありがとうございます。それで、料理人のアルバイトありませんか?」
「えっ、アルバイトするんですか?」
「はい。露店はやっているんですが、まだ収入が安定しないから」
「そうですか。どんなお店がいいですか?」
「とにかく、おいしい料理を出すお店、教えてください」
「あ、それなら、いいとこありますよ」
料理人ギルドの一番のお仕事は、料理人の紹介なんだ。
だから、ギルドに登録すると、働くお店を紹介してくれる。
自分でお店している人は、物件とかの紹介の方が多くなるけど。
僕も、自分で露店するのと同時に、街の有名店で働きたいって思っているんだ。
だって、そこには素晴らしく美味しい料理があるかもしれないし、素晴らしいスキルを持つ料理人がいるかもしれないし。
「そのお店、行ってみますね。紹介状って書いてもらえますか?」
料理人ギルドに入った。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。




