第14話 エルフ王の依頼とは?
「錬金料理人に依頼があります」
失われた伝説のスープだと認めてくれたエルフの王様。
僕に依頼があると言って、エルフの里まで一緒に来て欲しいという。
どんな料理を作ればいいのかは教えてくれない。
エルフの里で依頼は伝えたいらしい。
「いいですよ。その代わりにお願いが」
エルフって言えば森を統治する種族。
当然、森に生えている植物には詳しいはず。
僕が収集している食材のうち、まだ手に入れてないものがエルフの協力で手に入るかもしれない。
そのためには、まずエルフ王の依頼に応えてあげないと。
エルフ王は村でのイベントをすべて参加して、森に帰る日。
僕も一緒にお付きの人たちと連れて行ってもらった。
「うわっ、食材の宝庫ですね」
「でしょう。この森はエルフが守っている森ですから、魔物も人間も入ってこないんです」
「だから、こんなに自然のままに食材の宝庫になっているんですね」
「今は採取してはダメですよ。里に着くのが遅くんってしまいますから」
「はい、分かっています。だけど依頼をクリアして帰るときは、ちょっとだけ」
「いいですよ。帰りなら。1日だけ、森の食材取り放題ってことで」
「うわっ、うれしい。いっぱい取ってしまおう」
そんな話をしながら、エルフの里に向かった。
エルフの里は森の中を複雑に曲がりながら向かっていく。
とてもひとりでは進む道が分からない。
迷子にならないように、遅れずについていく。
朝日と共に森に入って、だいたい12時間くらい歩いて日が暮れるころになるとエルフの里に着く。
木の上に家が建っている。
ツリーハウスがたくさんある村だ。
数えらるだけで100軒はある。
だけど、見えていないだけでたぶんもっとあるはずだ。
「お帰りなさい」
とても美しいエルフの女性に出迎えられた。
一緒に女の子のエルフもいる。
「ああ、ただいま。ユニムのことを助けてくれる人を連れてきたよ」
「本当?ユニム、助けてくれるの?」
キラキラした瞳で女の子エルフが見上げてくる。
期待されるって、なんかいいな。
今回の依頼はエルムって人を助けることなんだね。




