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死霊術士 1

申し訳ありません、遅れに遅れました・・・・・・









 実につまらない世界だった


 何もかもが機械で動いていた、自分の代わりに機械が仕事をしてくれる、端末で頼めば機械が食料を運んで来る、人間は何もしなくても、全てを機械が代わりに行っていた




 本当につまらない世界だった、両親の顔なんて端末ごしにしか見た事が無い、会話も全て端末ごしだ、私の世話は機械のメイドがやってくれていた、1人に1つ渡される端末があれば勉強もできるしわからない所は機械のメイドが教えてくれるが、1人でなんでもできるようになったら端末があればメイドも不要になる


 全ての子供は保存されている卵子と精子から最適な相性の物を掛け合わせて作られる、生まれるのではなく作られるが正しいだろう、実際機械の中で育つのだから


 一定の年齢に達した者は卵子と精子を提供する義務があるが、それぐらいだ、他は健康のために1日これくらいは運動しなさいとかしかない、それ以外は好きな事をやって死ぬまで生きているだけ、死んだ後も機械が処理してくれる、大昔は葬儀なんてやってたみたいだけど今じゃそんな事してる人間はいない


 そもそも人との関わりが希薄なのだ、家族でさえ他人も同じ状態で葬儀なんてして涙を流せるわけがない、大昔は引き篭もりやニートが問題だったみたいだけど今じゃ世界中がそれだ


 外で働いてる人間の方が珍しい、まぁ、働くと言っても機械の補助くらいだ、働いていると言ってよいものか・・・・・・機械のメンテを機械が行いその機械をメンテする機械がいて、と続くと思われるが続かない


 その理由は世界がこんな風になった原因、それが物質変換機、ゴミをいれるだけで材料はおろか完成品まで出すのだから困ったものだ、壊れた機械を変換機に入れるだけで壊れる前の状態で出てくるのだから科学技術万歳と言ったところか、外で働く人の仕事が主にこれだ


 この変換機は1つの国に3個ほどあり、大統領や総理大臣は変換機のメンテナンスや修理ができれば誰でもなれるようになっている、今じゃ戦争や貧困、格差なんてものが存在しないし、人口もきちんと管理されているため領土問題もない、常に国の人口数は一定だ


 では、大統領達以外の人間は何をしているかというと各々が好きな事をしているだけだ、ゲームをしたり、アニメを見たり、部屋の中で運動していたり、今じゃ外に出なくても家の中でなんでもできるようになってしまっている、外に出るのは引っ越しする時くらいか?引っ越す人間もほとんどいないけど


 アニメやゲーム、娯楽なんかも機械が作っている、世界中で人気なのがオンラインゲームだ、そのゲームの中で人々は農業や工業、商売をやったり、一応RPGなのでモンスターと戦ったり、国を作って戦争をやってみたりと現実ではしない事をやって楽しんでいる、現実では仕事をしないのになんでゲームだと仕事をするのだろうか?ゲームとはいえ疲労感や痛覚等はあるのにそれを楽しんでいるのだ


 そんな私もそのゲームをやっているが私はゲームの中では死霊術士というキャラを作ってプレイしている、アンデッド系だけが生息する自分の領土を作り他国を攻撃しまくっている、4ヵ国ほど潰したら賞金首になってしまったが、どうでもいいか


 私にとってこの世界は何もかもが不快だった、勝手に作られてただ生かされているだけの日々、現実では何もしないのにゲームの中だと働く人間達、全てが不快でしかなかった、だからこそ私はモンスターを率いて人間の国を潰していた、現実では出来ないからゲームの中だけでもと思っていたが、それではこの世界の人間と何も変わらない事に気付いた


 他の人間もそうだったのだろうか?人間の仕事の全てを機械に奪われたからせめてゲームの中だけでも人間として生活したかったのだろうか?それならば変換機と機械を壊してしまえばいい、だが壊せば今の生活はなくなるだろう、機械が壊れれば自分達で何もかもをしなければいけない、だがすでに農業や工業等の技術は失われている


 もちろん知識は残っている、残ってはいるのだが、それは人に残っているのではなく端末に残っているだけだ、ゲームの中の農業等は仮想物質等を使っているためあまり役に立たない、畑の耕し方や作り方は役立つだろうがそれだけだ


 知識はあれど技術はない、端末が壊れればその知識すら失ってしまう、大統領達が知っているのは変換機の事だけだ、そもそも大統領等になるメリットは皆無と言ってもいい、オンラインゲームでキャラにボーナスがつくくらいだ


 それに、結局は皆楽して生きていたいのだ、だから変換機や機械を壊すなんて事は考えない


 だけど、この世界で生きる事は私にとって苦痛でしかなかった、そんな私が取れる手段は少ない、というか1つしか思いつかなかった



 世界を壊す事が出来ないなら、私が世界から消えればいい、そうすればもしかしたら次は私にあった世界に生まれ変われるかもしれない


 だが、簡単には死ねないのがこの世界だ、部屋には生命管理システムがあり命に危険が迫った場合機械の救急部隊が即座に、ものの数分で送られてくるようになっている


 刃物で心臓や首を切れば、と思うがそもそも刃物は端末で頼んでも持ってきてくれない、刃物になりそうな物自体手に入れる事が出来ないのだ、ペン等も手に入らないのはさすがにどうかと思うが、使う事がないから別にいいのか・・・・・・


 ならばどうするか?餓死しようにも救急部隊がいて無理、栄養だけ与えられるハメになるだけだ、感電死等も出来ないようになっているから無理、ここで再度問おう、ならばどうするか?


 簡単な事だ、変換機で刃物を出せばいい、兵器類は出せないように設定が作成者によりロックされているが刃物は別だ、さすがに全ての食事を変換機で賄う事は難しいし、機械が料理をするためにも刃物は必要だったから私は変換機のメンテナンスを覚え総理大臣になり、変換機のメンテナンスと偽り刃物を手に入れ、死ぬことに成功した



 死ぬことに成功したのだがどういうわけか私は気が付くと私が産まれた世界の神様と自称する光の玉に会い、こう言われた



 「たまにあるんだよ、君みたいに別の世界の魂が紛れ込む事が、そういう魂は世界が合わないから早死にする傾向にある、早死にしない場合は世界を壊そうとして戦争を起こしたり、大量殺戮者になったりと世界に害を及ぼす事しかしなくなる、紛れ込んだ事に気付かなかったこちらの落ち度でもあるので責任を持って君の魂でも合いそうな世界に転生させる事を約束するよ」



 突然そんな事を言われてもなんだそれは?生まれる場所を間違えただけじゃなく、生まれる世界を間違えていて、世界を管理している神がそれに気づかなかったとは・・・・・・



 「神と言っても所詮は創造神に創られたただの管理者だからね、それに何十億という魂を全て管理するなんてオーバーワークだよ、僕はそこまで高性能に創られてない、だから人口に制限をかけているんじゃないか、戦争されると管理が面倒だから戦争しないように変換機も与えてあげたでしょ?輪廻転生って結構面倒なんだよ?生きてる時に何した、あれしたって調べて、じゃぁ、次はこの生でって決めるのにどれだけ時間がかかると思う?戦争なんてされたら僕はもうお手上げだよ、変換機のおかげで皆たいして差がないから同じ生でも問題ないから楽で助かってるよ」

  


 神が楽をしたいから変換機を与えたとしか聞こえないのは気のせいだろうか?もはや死んだ私には関係ないか、次はちゃんと私に合った世界に転生するそうだし気にしないでおこう、しかし私に合った世界とはどんな世界なのだろうか?



 「君が転生する世界はねぇ、剣と魔法のファンタジー世界に転生するみたいだね、ゲームの世界みたいな所かな?転生するにあたって君に何か特典をつける事が出来るのだけど、せっかくだから変換機をプレゼントするよ、ちゃんと次の世界でも使えるようにしておくから心配しないでね」



 心配も何もそんなものはいらないのだけど・・・・・・あぁ、でも食料とかの心配がなくなるのか、けどそれじゃぁ何も変わらないよなぁ・・・・・・結局私も楽はしたいという事か、つーか転生先がゲームの世界みたいな所とかそんな世界を創った神は馬鹿なんじゃないか?



 「難しく考える事はないんじゃない?次の世界は下手したらすぐ死んでしまうような世界だ、少しくらい楽したっていいじゃないか、僕としても君は子供のようなものだからね出来る限りのことはしてあげたいんだよ、あとあんまり創造神様を馬鹿にしちゃいけないよ?消されちゃうからね?」



 だからって変換機はやりすぎだと思うんだけど・・・・・・あと創造神様こえぇ・・・・・・



 「確かにね、だけど次の世界は変換機でやりすぎるとお仕置きがあるから大丈夫だよ、食料程度なら経済に影響を出さない個人使用程度なら問題ないけど、もし世界に影響が出る程の事をすれば黙ってないから気を付けてね?」



 結局やりすぎるなって事か・・・・・・心配されずともそんな事にはならないだろう、誰かのために使うとかはないだろうし、そもそも私は誰かと関われるのだろうか?



 だって私コミュ障だから!!端末ごしの会話ですら、イエス、ノーくらいしか言わないのに・・・・・・それも大人になってからは会話すらしてない・・・・・・ゲームでもソロだったし・・・・・・私は生きていけるのだろうか?次の世界は面と向かって人と関わる世界だろう、大丈夫なのか?



 「そこは君の頑張り次第かな・・・・・・性格とかは魂を直接弄ればなんとかなるけど管理者でしかない僕にはその権限がないし、創造神様も余程のことがない限りやらないしなぁ、頑張れ!!」



 頑張ってどうにかできるのか?



 「大丈夫!貴族に生まれるようにしたし、鑑定のスキルも所持してるから!他にもスキルつけておいたから心配しないで!と、いうわけで僕もあんまり時間がないからこの辺で失礼するよ、次の世界では幸せになれる事を祈っているよ、それじゃぁね!」



 おい!神が幸せを祈るな!!あと私はまだ聞きたい事が!!



 だが私の願いは空しく無視され私の意識はそこで途切れ、次に気付いた時は目の前には知らない天井がそこにあった、これが転生というものか?なんで私は記憶が残っているのだろうか・・・・・・記憶が残ってなければまだ矯正が出来たと言うのに・・・・・・


 しかも辺りを見渡せば今現在私は幼児である事がわかる、近くに誰かいるみたいだがよくわからん、呼べば来るだろうか、いや来られても困る、どう対応すればいいかわからん・・・・・・だが私の意思とは別に幼児としての本能が空腹を訴えてしまったのだった


 

 「ふぇ、ふぇぇぇん」



 おい、まじか、泣いてしまった事で近くにいた人がこっちに来てしまう!!



 ⦅スキル 気配感知Lv1を獲得しました⦆



 は!?いまそれどころじゃねぇ!!だまってろ!!



 「あらあら?レニアちゃんお腹でも空きましたか~?それともおしめかな~?」



 どうも私はレニアという名前のようだな、それとこの人が母親か?美人さんだな!



 そこからの事は正直思いだしたくもない、下の世話をされるなどいい年した大人にとっては恥ずかしい事以外のなにものでもないのだから・・・・・・、今は幼児だが精神的には20代の私がおっぱいを吸う事になるなんて・・・・・・!!



 1人で動けるようになるまでは試練の日々だった、両親からは必要な時以外泣くことのない大人しい子と思われてしまったが、正直必要な時以外人と接したくないからなのだが、両親以外のメイドさん達や家に来る人達に見られたりと、心休まる時は少なかったが・・・・・・


 この世界についてわかったのはレベルやスキルがあり、鑑定スキルは珍しいという事か、確かに簡単に相手のステータスとか見れたらつまらないものな、ゲームでも分かるのは自分よりどれくらい強いか弱いかだ、楽な相手とか、とても強いとか、何より持ってるスキルは手の内を知られることは問題だ、特に私の場合は


 これは自分に対して鑑定を行い分かった自分のステータスだ、一部気に入らない部分があるが・・・・・・




 鈴木 千恵(レニア・ブリュッセル) 種族 人族



 Lv 1


 HP 70/70 MP 120/120



 STR 25

 VIT 20

 DEX 32

 AGI 26

 SPD 20

 INT 42

 MND 40


 特殊スキル

 死霊術士 鑑定 アンデッド創造

 空間収納


 所持スキル

 気配感知Lv1 魔力感知Lv1 魔力操作Lv1


 魔法スキル

 土魔法Lv1 氷魔法Lv1


 耐性スキル

 状態異常無効 魅了耐性Lv1 衰弱耐性Lv1




 おい!なんで名前が転生前の名前なんだよ!!今の名前が()表示ってどういうことだ!!誰の差し金だ!!



 はぁぁ、まぁいい、よくないけど、鑑定されなければわからない事だ、それよりも問題なのが特殊スキルだ



 死霊術士

 アンデッド系のモンスターを従える事が可能となり、人や亜人の死体をアンデッドモンスターに変える事も可能


 アンデッド創造

 アンデッド系モンスターを魔力を糧に創りだす事が可能、創りだしたアンデッドの強さは消費した魔力に比例する



 死霊術士ってゲームでの私まんまじゃんか!!



 これ見つかったら不味いんじゃないだろうか・・・・・・?両親やメイドさん達の話を聞くにそろそろ教会に行って私がどんなスキルを持ってるのか確認しにいくらしい、やばい、ばれる、ただでさえ私は家族から表向きはすごく大人しく何時も1人で書庫にいる子供と思われている、うん表向きは実際には




 まともに目も合わせず会話もほとんど、滅多になく、暗い書庫で1人本を読んでいる引き篭もり、というのが私の家族からの評価、はい、正直に言うと不気味に思われております




 前世の知識があるのでマナーも教える事がほとんどなく、勉強に関しても家庭教師が私に教えられている状態、何も教えていないはずの子供が自分達より出来るというのは中々に不気味だろう、最初はなんて頭のいい子だ!と喜んでいたのに今じゃバケモノを見るような目で見てくるのだから笑えない


 私ももっと両親と話したりすればよかったのだろうけどコミュ障にそんな事期待しないでほしい、自業自得ではあるが、これに死霊術士とかバレた時には目も当てられないだろう、あとはこの世界のアンデッドモンスターについて知りたくて変換機で関連する書物を手当たり次第に変換したのだが、どうもその中に禁書が混じっていたらしくその事もあり私は非常に不味い状況になっている


 なお、書物が不自然に増えている事に家族は気付いていない、今じゃ書庫は私の領域扱いで誰も近づかないのだ、変換機も空間収納に入れているのでバレる心配はない――そもそも最初から空間収納に変換機が入っていた――がそれ以外はバレるのは時間の問題か


 今更私が両親に鑑定は受けたくないと言っても逆効果だろうしな・・・・・・何かあるとしか思われないだろう、さてどうするか?答えは簡単だ



 逃げればいい!!死霊術士がいてもおかしくはないだろう暗黒大陸に逃げれば私も生きていけるはずだ、運のいい事にここは聖王国で暗黒大陸は近いっちゃ近い、道中魔物が出るかもしれないがそこは変換機を使って出した武器(聖剣)でバッサバッサと倒していった、おかげで私のレベルも上がったのでラッキーだ


 逃げだすのも至極簡単な事だった、土魔法で書庫の地面に穴を掘り外に出ただけなんだけどね、まず床を壊すのに変換機で無音のドリルを出す事になったが、ドリルでそのまま掘ってもよかったのだがせっかく魔法があるのだからと土魔法を使ってみたが、うん、しみじみと生前の世界は楽だったんだなと思う


 スイッチ1つであとは機械がやってくれるのだから、そりゃ楽だよね、けれど魔法というモノをつかってはいるがこうやって自分で何かを実際に行うのはなんというかいい事のように思えてくるから不思議だ



 さすがに汗水流して自力で掘るというのは遠慮するが



 逃げた後の家の事は知らん、一応書置きを置いてはみたが・・・・・・どうだろうね、ありのままの事を書いたから納得はしてくれるんじゃないだろうか、書いた内容を簡単に書くとこうだ


 1、まず私は鑑定スキルを持っている事

 2、自分を鑑定した際に死霊術士やアンデッド創造というスキルがあった事

 3、書物を読んだ事でそれらがどう思われるか知った事

 4、周りを鑑定して自分が家族とは違う事に気付いて知られたら嫌われる、捨てられると思い距離を取ってしまった事

 5、産んでくれたこと、育ててくれた事に感謝しているが鑑定されたら家族に迷惑がかかるので姿を消す事



 4に関しては全くの嘘である――ただのコミュ障です――がそれ以外は本当の事だ、さすがに転生者だとは言えないが姿を消した事はこれで納得してくれると助かる、間違っても探したりはしないだろう




 だが暗黒大陸に向った私は衝撃の事実を知る事になった


 なんでも魔神が創造神に対してよからぬ事を考えているらしいと、立ち寄ったシンシアの町で耳にしたのだ、おいおい暗黒大陸大丈夫か?まぁ、結果的にそれは嘘だったんだけどね、よからぬ事を考えて実行したのは管理者である神でそれを魔神のせいにしただけだ


 何故私がそんな事を知っているかというと、魔神本人に会っているからだ、魔神も噂の事は知っており噂の出どころを部下と本人で探していたらしい、魔神の姿は側近しか知らないから問題ないとの事


 そんな中7才の子供が1人で暗黒大陸を目指して行動していたらどう思うか?どうも私は聖王国を出た時から監視されていたらしい、まったく気付かなかった、そしてシンシアの町に着き、食事を取って休憩していた私に魔神自ら接触してきたのだ



 「お前、ただの子供ではないよな?使っていたあの剣はなんだ?何の目的で暗黒大陸を目指している?」



 すいません、コミュ障の私にいきなりそんなに質問しないでください、キョドってしまいます、むしろ今キョドってます



 「アードラ様、子供相手にいきなりそれはないですよ!怖がってるじゃないですか!」



 赤い髪のお姉さんが私を抱きしめて庇ってくれるが離してください胸に埋もれて息が出来ません



 「・・・・・・わかったからお前も離してやれ、その子息が出来ずに苦しんでるぞ」



 まぁ!!といって離してくれたので助かったが危なかった・・・・・・、とりあえず顔を見ずに筆談なら可能なので持ち歩いていた紙とペンで簡単な自己紹介とコミュ障と暗黒大陸を目指す理由について説明した



 「難儀な性格なのだな・・・・・・それで家も飛び出して生きていけそうな暗黒大陸へ、か」


 「もちろん助けますよねアードラ様」


 「手を貸すのは構わないが、お前転生者だろう?字を書く道具はあるがお前が持っている物はこの世界にはない物だ」



 イエスと意味を込めて頷き、変換機についても説明し、それもあって出来れば人のいない所で生活したいと告げてみた



 「確かにその変換機とやらは問題だな、お前以外に使えないとは思うがもしかしたらというのもある、場所については希望はあるか?といっても暗黒大陸の土地は何処も同じような所だが」



 特になし、人が寄り付かなければ良しと伝える



 「ふむ、思い当たる場所はあるがあそこは俺の管轄じゃないから勝手に許可は出せないが、アルミナ様に聞いてみるとしよう、少し待て」



 そう言って席を立つ魔神アードラ、けどアルミナ様って誰だ?って思ってると赤い髪のお姉さんが教えてくれた



 「アルミナ様はこの世界を創られた創造神様の事よ?魔神であるアードラ様達、創世の存在くらいしか直接お話しできないけどね」



 創世の存在?そういやこの世界って創られてどれくらい経つんでしょうね?



 「創られてまだ100年くらいよ?まぁ、歴史や記憶自体はそれ以前の物が作られてるから問題ないけどね」



 創られてまだ100年?って事は最初からある程度の文明があって技術と知識を持った状態でこの世界は始まったって事?創造神ってのはなんでもありか?


 しかし、創られてまだ100年だというのになにやら問題があるようだな、噂の事が筆頭だろうけど



 そんな事を考えていると魔神アードラが戻って来た



 「アルミナ様の許可は貰って来たぞ、暗黒大陸ではないが、近くの人が寄り付かない荒地をお前の住処にしていいそうだ、ただし変換機を使ってもいいがやりすぎは許さないとの事だ」



 近くの荒地を住処にしていいって、そのくらい許可なくてもやれると思うんだけど・・・・・・



 「あそこはガレオスの管轄だから本来ならガレオスに話を通さないといけないんだが、あいつはそんなの許さないだろうからな・・・・・・死霊術士を嫌悪の対象にしたのはガレオスだ、そんなあいつがお前の存在を許すはずがないだろう?」



 つまり元凶って事か、ガレオスのおかげで私は肩身の狭い思いをするのか、もちろん私の性格の問題でもあるんだけどさ、そっかだからガレオスの上に許可取ったのか、あれ?でも今魔神は創造神に対して何か画策してるって噂があるけど普通に連絡取れるの?



 「噂は所詮噂でしかないという事だ、俺がアルミナ様に対してそんな事しないというのはアルミナ様が一番わかっているからな噂を流しているのも誰なのかはわかっているんだ、念のため調べているだけでな」



 ふーん、どうも創造神の所は一枚岩じゃないみたいですね



 「あぁ、それとアルミナ様から、この世界にようこそ、だとさ」


 ようこそ・・・・・・か、そういえば前世の神がアルミナ様に許可を貰ったから私はこの世界に転生できたのだろうな、そういえばこの世界で気付いてから前世であれほどまでにあった嫌悪感がない、これが世界に魂が合った、という事なのだろうか、こんな私を受け入れてくれた世界と創造神に感謝すべきなのだろうな



 それから許可を貰った荒地に移動して変換機を使って私が過ごしやすい場所を早急に作りだした、もちろん住処は地下に作った、地上に作ると違和感が半端ないからね、それに地下なら色々やりやすそうだし


 そしてどういうわけかアードラはちょくちょく私の様子を見に来るようになっていた、来るたびにお菓子やらご飯やら持ってくるのだがお前は心配性のオカンかと言いたくなる


 気付けばアードラとは普通に言葉を交わせるようになっていたのには吃驚した、コミュ障の私を気遣ってくれていたのだろうけどね




仕事の都合で書く時間が取れません、今後も更新に時間がかかると思われます

1ヵ月に1話は更新できるよう頑張ります・・・・・・

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