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シゼルと勇者

のんびりいきましょう、のんびりと・・・・・・







 「・・・・・・ありえん」


 突然隣の死体のなりかけ事、鈴木千恵が呟いた、千恵って呼ぶと「その名は捨てた!!」とか言うけどいくら鑑定しても名前は鈴木千恵なのだから諦めればいいのに・・・・・・と、千恵の名前等どうでもいい



 「何がありえないの?とうとう全身骨になる時がきたか?そのむかつく胸がなくなるの?」


 「違う、無い乳が僻むでない、ではなく、妾の最高傑作がやられた、予想よりも早くに」


 「無いわけじゃない、あるんだよ!!間違えるな!!で?本気で言ってるの?侵入者はあれを倒せる程の強さなの?」


 「わからんが、確実に言える事は最高傑作のHPを回復魔法1発で半分以上減らせるという事だ」


 「いや、アンデッドは回復効果1.5倍の特性があるんだから、魔力を馬鹿みたいに全部つぎ込めばいけるでしょ」


 「その馬鹿みたいに魔力をつぎ込んだ回復魔法を最低でも2発撃てる存在がいるのか?妾が見るに1発で1500以上は魔力を使っているぞ」


 「・・・・・・それを最低でも2発ってちょっとないわね、混濁の大森林の奴らじゃないのはわかるけど、このレベルの野良冒険者なんているわけないし、暗黒大陸の奴?」


 「わからぬが、どうせ此処に来るのだ、その時になればおのずとわかろう、それよりも賭けは妾の勝ちだな」


 「なんの事かわからないわ、さぁ、作業に戻るのよ」


 「何を言っておる、妾の最高傑作に勝つか負けるかで賭けをしたであろう?其方は負けるに賭け、妾は勝つに賭けた、忘れたとは言わせぬぞ」


 「そのわりには、ありえん、とか言ったじゃない」


 「勝ち方がありえなかっただけだ、それよりもこれからは妾の事はアンリ・マンユと間違えずに呼ぶように!!」


 「わかった、わかったわよ、呼ぶわよ、それでいいんでしょ?千恵」


 「そうそう、最初から大人しく呼んでおればよいのだ・・・・・・おい」


 「なによ?アンリ・マンユ」


 「その名で呼ぶなと言ったであろう?」 


 「わかった、呼ばないわ、千恵」


 「違う、そうじゃない、どうして其方はそこまで意地が悪いのだ?」


 「死体のくせに立派なお胸をしてるから」


 「僻むな無い乳、来世に期待しろ、来世ではもしかしたらAからBにランクアップするかもしれぬぞ」


 「おい、今でもBはあるんだよ」


 「よせれば、であろうが、それよりも侵入者が地下に入ったぞ・・・・・・それとどうやら妾の監視に気付いたようだ、スカル・クロウがやられた、仕方ない来るのを待つか」


 「待ってる間にちょっと千恵の胸を少しでいいからもいでいいかな?どうせ痛覚ないでしょ?」


 「さぁ、製本作業に戻るのだ」




☆☆☆☆





 墓守を倒したおれ達は地下への階段を下りている最中だった、地下へ降りる前に何かこっちを凝視している骨の鳥がいたので氷魔法で撃ち落としたけど、あれは一体何だったんだ?


 地下への階段はかなり古い物みたいだったが良く手入れされた状態で埃っぽいかと思っていたらまったく埃がない状態だった、誰かがいるのはわかっていたけど、こんな几帳面に掃除までしてるとか、場所に似つかわしくないと思うんだが・・・・・・


 しかも途中途中に魔法だろうか?火ではない明かりまで置いてあり、実に歩きやすい状態だ


 どれくらい階段を下りたのだろうか、感覚では20分くらい階段を下りた所で階段は終了し、開けた場所に出た、見まわしてみれば周りは壁だが目の前には扉と、そして扉の前には見飽きたスケルトンがいた



 リッチ


 Lv85 種族 不死者


 HP 980/980 MP 1260/1260



 STR 780

 VIT 650

 DEX 720

 AGI 680

 SPD 750

 INT 980

 MND 950


 特殊スキル

 死の軍勢 女王の配下



 所持スキル

 魔力感知Lv8 魔力操作Lv8 杖術Lv8


 魔法スキル

 火魔法Lv8 水魔法Lv8 土魔法Lv8

 氷魔法Lv8 雷魔法Lv8 風魔法Lv8


 耐性スキル

 状態異常耐性Lv8 物理耐性Lv8



 リッチかぁ、魔法特化みたいだけどおれ達の敵じゃないな、さくっと倒すか


 そう思ったのだがどうやら相手は戦う気がないらしい



 「待っていたぞ、侵入者よ、死の王の命により貴様らを迎えに来た、戦う気はない、武器を置け」


 「それが罠だって可能性は?」


 「死の王の最高傑作であるあやつを倒した貴様等と戦おうとする者はおらぬ、なにより死の王が貴様等に会いたいと申しておられるのだ、我等はそれに従うのみ」


 「わかった、案内してくれ」


 「シゼル様、大丈夫なんですか?そんな簡単に信用して」


 「大丈夫だろ、罠だったらその時はその時だ、なんとなくだが大丈夫な気がするし」


 「シゼル様がそう言うならいいですけど・・・・・・」


 「大丈夫だって、けどもしもの時は頼むな?」


 「任せてください!!」


 「では、ついてまいれ」



 そうしてリッチに案内されて先に進むことになったんだけど、はっきり言おう、死の王は多分、いや確実に転生者だ、だってスケルトン達が本作ってるんだぜ?それも男同士のとか女同士の本ばっかり、ちらっとしか見てないが普通の本が一冊もなかった


 そして何気にシュキとリオナがすごく興味深そうに男同士の本をちらちら見ていたがシャッテンは興味無さそうだったけど、こっそり男同士の本を手に取っていたので興味はあるようだ、だめだ、死の国に長くいるとシュキ達が腐ってしまう・・・・・・!!


 だが、ふざけていられたのはここまでだった、リッチに案内されて見えてきた扉が近づくにつれておれの頭がガンガンと痛み出し、何かが警鐘を鳴らすと同時に扉の中にいる存在を殺さなければ!と強迫観念のようなモノがおれを襲いだした



 ⦅スキル生存本能Lv6は生存本能Lv7へと成長しました⦆



 どうして今、お前のスキルレベルが上がった?何だ、こいつのスキルレベルが上がった途端に頭痛が酷くなってきた・・・・・・くそ、なんなんだ一体


 「シゼル様?大丈夫ですか?顔色が悪いですけど・・・・・・」


 「・・・・・・コッキ、もしもの時は頼むぞ、何か嫌な予感がする」


 「どういう意味ですか?」


 「わからんが、何か変な感じだ、誰かに体を乗っ取られそうな・・・・・・」


 「この扉の向こうに我等が死の王とそのご友人がおられる」


 「・・・・・・友人、だと?」



 その時だった、勢いよく扉が開かれ、その扉から現れたのは・・・・・・



 「よく来たわね侵入者!!私の名は、来栖 亜里沙!!職業は勇者だ!!さぁ!お前たちは何者だ!!」


 「亜里沙!部屋の中で待っていると言ったであろうが!抜け駆けをするな!」


 「・・・・・・勇者、様?」


 「勇者だって!?」


 「兄さん!!」



 リオナは信じられないと言った感じで呆然と勇者と名乗った女性を見て、シュキとコッキはすぐさま武器を構え戦闘態勢に、ヴァニスはどうすべきかわからずに後方で待機していた




 その中で誰よりも早くに動いたのは、おれと影の竜王(シャッテンドラッツェ)だった


 

 「暗黒飛剣(ダーク・セイヴァー)!!」


 「我が主(マスター)を守るが我の役目なり!暗黒槍(ダーク・ランス)!!」



 勇者を目標に飛んで行くいくつもの闇の剣、勇者を逃がすまいと逃げ場を塞ぐように出現した闇の槍、普通の冒険者なら躱すことも防ぐことも出来なかっただろう普通の冒険者なら、だが相手は勇者、主神ガレオスに選ばれた存在、普通の冒険者とは格が違う



 「聖浄盾(ディバイン・シールド)!!」



 聖魔法による盾を即座に全方位に出現させ身を守る勇者、普通ならこの盾を突破できる者は極限られた存在だけだ、人外領域、それも創世の時から存在する者達くらいしか突破できないはずの勇者の持つ最強の盾、勇者に攻撃した者もまた普通ではなかった、闇の剣だけは盾を突破し勇者に傷をつけたのだから



 「っく!!いきなりなんなのよ!!」


 「黙れ!ガレオスの走狗たる勇者が!貴様を殺し女神の封印を解く!!」


 「わっけわかんない事言ってんじゃないわよ!!」



 両者が武器を構え見合う中、死の王は平然を勇者に話しかけていた



 「ふむ、どうやらその銀髪は正気を失っておるようだが、亜里沙、其方、少し席を外せ、おそらく其方に、勇者という存在に反応して正気を失っておるのだろう」


 「そういや、あんたもこっそり創世の時くらいからこの世界にいるのよね、何か知ってるの?」


 「確証はない、だが予想はできている、後で説明するから今は席を外せ、妾の予想が正しければあの銀髪をこれ以上暴れさせると不味い事になる」  


 「・・・・・・わかった、けど相手が大人しく席を外させてくれるかしら?」


 「そこの銀髪の仲間達、少し時間を稼げ、勇者が席を外せば銀髪も大人しくなるはずだ、そこのダークエルフ、其方もだ、其方の本当の主はどっちだ?」


 「我が主(マスター)我が主(マスター)だ、だが、今の我が主(マスター)はあまり好きではない、協力しよう」


 「シャッテンさん!?」


 「シュキ、今は相手の言う通りにしよう、今のシゼル様は何かやばい・・・・・・」


 「・・・・・・わかりました、けどシゼル様をどうやって」



 全員がシゼルを止める事に一定の理解を示すもその術を思いつかない、なにせシゼルのステータスを越えている者がこの場には誰もいない(・・・・・・・・・・)のだから、故にシゼルは動く、誰にも止められないのだから当然だ



 「死ぬがいい、ガレオスの走狗よ!!」



 白竜神の所から貰って来た刀を振るうが元々この世界には無かった武器だ、今のシゼル(・・・・・)が刀の事を知っているはずもなく、その点勇者は知っている、知っているがために今この時だけは勇者に軍配が上がる



 「はっ!刀ってのはね!力任せに使う武器じゃないのよ!!両刃の剣じゃないんだから!!使えもしない武器を使ったあんたの負けよ!!」


 シゼルの力任せの一撃を勇者は持っていた聖剣で迎え撃つ、シゼルが持っていた刀は決して出来が悪い物ではなかった、むしろ名刀と言われてもいい刀だったが、横から聖剣で斬られては耐えられるレベルでもなかった


 刀が折れるわけでも、曲がるわけでもなく、勇者の技量と技を使われた聖剣によってシゼルの持っていた刀は斬られてしまった



 「な!っち、使えぬ武器が!ならば!!」



 斬られた刀を投げ捨て、両手を広げたシゼルが次に行ったのは、ベルセディア山脈で見せた炎の剣の魔法、獄炎の剣(フラウンベルジュ)だった、それも1本ではなく、視界を塞ぐ程の数だった



 「それ以上はいけません、シゼル様!!」


 「ヴァニス!!俺がシゼル様を後ろから抑えるから正面から思いっきり突撃しろ!!リオナは念のため回復魔法の準備だ!!シャッテン!!手伝え!!」


 「は、はい!!」


 「仕方あるまい」


 「ブルルゥ!!」



 炎の剣をシュキが水魔法でなんとか相殺しようと魔法を放ち、シゼルの背後からコッキが羽交い絞めにし、ヴァニスはコッキの言う通りに正面から全力で突撃をシゼルに行い、シャッテンはシゼルの体を影で縛り上げ、シゼルといえどヴァニスの全力の突撃を受ければ無事では済まないと考えたコッキの言う通りにリオナは回復魔法の準備をするが、それでも止める事はできなかった



 「・・・・・・正直、今の馬の突撃は私でも受ければやばいわよ?なのになんで銀髪はピンピンしてるわけ?」


 「理性も何もかもぶっ飛んでいるのであろうな・・・・・・」


 「勇者ってそこまで恨まれる存在なの?私何かした?」


 「其方ではないよ、そして勇者にも非があるわけではない・・・・・・しかし、どうやってあれを止めればいいのやら、ん?この気配は・・・・・・まさか!!ここまで接近されるまで気付かないとは!!まずい!!」


 「・・・・・・ちょっと!!この状況であいつまで出てくるの!?あ・・・・・・」


 「「遅かった・・・・・・」」




 勇者と死の王が慌て始めた時にはもう遅く、彼女はもう目の前にいた


 白く美しい髪を持ち、白いドレスを着た、ラーナ・レンディアント事、白竜神がそこにいた



 「なぁにをやっておるか!!この馬鹿ものがぁ!!」



 そう言ってシゼルの頭を思いっきり殴り強制的にシゼルを気絶させ止めたのだった



 「「「「「「は?」」」」」」



 全員が発した言葉はこの一言だけだった




シゼル「なんか作者が考えていたストーリーはもっと緩いはずだったんだけど」

ラーナ「十分緩いじゃろ?」

シゼル「当初は戦闘とか残酷表現とか一切ない小説のはずだったんだって」

ラーナ「・・・・・・嘘じゃろ?」

シゼル「走り書きのテーマは蝙蝠がのんびり世界旅行」

ラーナ「( ゜д゜ )」

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