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教皇

私が考えつく下種野郎として書いてみましたが、そこまで下種じゃないかもしれない、この程度ならそこらへんにゴロゴロいそう、そしてまたもや幕間っぽい

後書きはちょっとしたネタバレになってます







 聖王国マルファールの首都、聖都グラスベイこそこの世界の中心でありガレオス教の総本山でありその教会の奥の部屋にいるこの私こそガレオス教現教皇であるルビウス・ブランシュである


 私は教皇であるために高いレベルの聖魔法と鑑定スキルが使えるが、これは教皇になるための当然の条件でもある、ただし、聖女は鑑定スキルを獲得して初めて聖女と呼ばれるが教皇は教皇になった時に鑑定スキルを獲得できる


 教皇になるための条件、それは簡単なものでもある、もちろん聖魔法を高いレベルにすることは簡単ではないが、それさえ出来れば後は簡単だ、ただ世界のルール、創造の女神の事、主神ガレオスの事、表には決して出る事のない世界の秘密を誰にも話さないと神に誓い、改めて神への信仰と忠誠を誓い、主神ガレオスから与えられる職務を忠実にこなせばいいだけだ


 主神ガレオスから与えられる職務、それは聖魔法が使える者を増やし、その命を神に捧げる事、さらに鑑定スキルを持っていればなおの事その命を捧げるだけ、それさえ忠実に行えばそれ以外は好きにせよと許されている、おかげで私の生活は大変良いものとなっている


 何故聖魔法なのか?それも簡単な事だ、他の魔法、火魔法や水魔法は創造の女神が生み出した力だが聖魔法は主神ガレオスが世界に新たに生み出した力だ


 聖魔法が使える者が命を失った時、聖魔法のレベルが高ければ高い程、主神ガレオスに捧げられる力は大きくなる、主神ガレオスは自身の力の強化のために聖魔法を使える者を増やし、その命を捧げさせている


 ならば創造の女神の力もまた強化されるのか?と思うが元より格の違う存在であるためいくら力をつけようが主神ガレオスといえど敵う相手ではない、創造の女神に捧げられる力は全て世界に還元され、その力が魔素を生み出し、掘り出された鉱物等の資源を新たに生成しているのだ、でなければ資源等すぐに枯渇してしまうだろう、極端な話、人が生きていくために人は死んでいるのだ


 まぁ、いくら格が違う存在と言えど魔神に堕ちてしまっては意味がないがな・・・・・・堕ちたばかりに初代の勇者に封印されてしまった女神、堕ちて女神の力はほとんど使えなくなったといえど神は神、勇者単独で封印できる存在ではなかったために、主神ガレオスがその力の大半を消費して勇者に力を与え、女神の封印に抵抗していた魔王もろとも封印する事に成功したのだ、消費した力が多すぎて主神は現在力を取り戻すのに必死だがな


 聖魔法のレベルを上げようにも簡単には上がらないものである故に何時からか質より量となり、身寄りのない子供達を集めては聖魔法を覚えさせ、聖魔法のレベルが低く一定の年齢に達した者はさっさとその命を主神に捧げれるように冒険者見習いとして放り出すようになった


 教会という立場上、身寄りのない子供を集めるのは簡単だった、むしろ向こうからやってくるのだから楽でしかない、が、冒険者見習いとして独り立ちさせるのは苦労した、せっかく育てた子供達をどうしてそんな危険な目に合わせようとするのかと意見は当然出てきた、子供たちが自分の意思で冒険者見習いになれば楽だったのだが・・・・・・


 建前上、教会はお布施や貴族からの支援金で成り立っている事になっており、総本山と言えど金は無いというのが世間の認識だ、それゆえにある程度の知識と教養を持った子供達の世話を何時までもしてやる事はできないと現実を突き付けて、回復魔法と聖魔法が使える者は冒険者見習いに、魔法等が使えない子は貴族の屋敷等にに下働きに出させる事に成功した、無論そんな事をしなくても面倒を見るだけの金はあるのだが私の使う分が減ってしまうため内緒にしている


 聖魔法が使える者には死んでもらわねばならぬので回復魔法や他の魔法は絶対に習得させ冒険者見習いしか選べないようにした、戦う事など出来ない子には戦闘には参加せずに荷物持ちとしての同行だから安心しなさいと嘘を教えておいた


 そして聖魔法のレベルが高いものはいずれ鑑定スキルを獲得できる可能性があるため巫女として教会に残すようにした、もちろんいずれは死んでもらうが死ぬ前には私も楽しみたいので容姿がいいものだけを残した


 だが、今回の聖女はもったいない事をしてしまった、今の聖女は整った顔で街に出れば美少女と言われモテただろう、体付きも問題はなかった、これは楽しみだと思っていたのだが、ラーセナル王国にそれ以上の聖女候補が出てきたと聞き、実際に会ってみれば今の聖女が美しい花のような少女とするならばラーセナル王国の聖女候補は美しくも可憐で少女というよりまさに女と言える、なによりもその肢体は男ならば誰でも抱きたいと強く願うほどのものだった、一部の小さな子が好きな者達にはわからないだろうが、正直、聖女候補というより性女候補と言った方がしっくりくる女だった、娼婦であればどれだけの値が付いただろうか、この女が貴族や王の目に留まっていなくて幸運だった、側室として迎え入れられてもおかしくはないだろうし、その気になれば傾国の女になれたであろう


 より楽しめる女が現れたので今の聖女にはご退場願おうと聖女を攫わせたはいいのだが、一体どうゆう事だ!?ラーセナル王国の聖女候補がすでに亡くなっているというのは!?なぜその報告が私の元に届くのがこんなに遅いのだ!!


 今の聖女が攫われた事で慌てた神官が今まで私に黙っていたラーセナル王国の聖女候補がすでに亡くなっている事を告げてきた、知られれば処罰されると思って黙っていたらしいが・・・・・・使えない男め、そんなこと何時までも隠し通せる事でもあるまいに・・・・・・、そもそも何故聖女候補に未だに冒険者等やらせていたのだ、さっさと教会に閉じ込めておけばいいものを!聖女候補といえど冒険者としての仕事で命を落としたのであればラーセナル王国や冒険者ギルドに対して抗議する事もできん、冒険者になるということはそういう事なのだから文句は言えない・・・・・・出来てちょっとした嫌味を言うくらいか


 冒険者のそういった部分を利用して昔は王族の暗殺等もあったらしいが、どうでもよい事か


 どうするべきか・・・・・・今から使いをやったとしても聖女はもう死んでいるだろう・・・・・・、聖女の世話、いや聖女が勝手に何処にもいかないように監視させていた巫女達も一緒に始末しているはずなので聖魔法のレベルが高い者がいない、これでは次の聖女が出てくるまで時間がかかるやもしれぬ


 まぁ、時間がかかった所で私の楽しみが減るわけではないし、聖女でなくとも十分な供物となる、冒険者見習いも育てておる、まったくこれだけ孤児を集めているというのに孤児がいなくなる事がないというのはどうしたものか、魔物の被害は減るどころか増えていき、また孤児が生まれるというのは私としては助かっているのだが・・・・・・まさかとは思うがこれも主神ガレオスがやっているのか?神が魔物を操って人間を襲っている?馬鹿な、主神ガレオスは人間の神だ、襲わせるならば亜人や妖精族を襲わせるはず


 もとよりこの世界を真に支配するべきは人族だと言うから代々の教皇は主神ガレオスのために職務を全うしてきたのだ、私はどちらかというと自身の欲のためだが・・・・・・、だが、その主神自らが魔物を操り人間を襲わせていたとしたら?いや、そんな事はありえないはずだ、魔物は亜人や妖精族も襲っている、魔族が魔物を操るといった事もないはずだ・・・・・・魔物は確かに進化すれば魔族になるが正確には魔族ではなく亜人で、進化したとしても知能まで上がるわけではないし、魔物から亜人へ進化するなど滅多に、いやほとんど無いと言っていい


 魔族の定義は曖昧だ、暗黒大陸に住んでいる者が魔族、ただそれだけだ、亜人の獣人族が暗黒大陸に住んでいれば魔族の獣人族となる、そんなものだ、本物の魔族といえばデーモン種等しかいないが、知恵なき魔物は全種族の敵であるから魔族が操っている事はないはずだ・・・・・・それに結界がある以上暗黒大陸からこちらに入って来る事は不可能・・・・・・


 主神が魔物を操っていないとすると別に魔物を操っている存在がいる?いや、操っているわけではないにしろ、誘導か魔物を意図的に増やしている者達がいる可能性がある・・・・・・魔物を意図的に増やす事等可能なのか?魔物が生まれる原因は詳しくは解っていない、魔素が関係している事は解っているがそれだけだ


 ふん、まぁ、私が考えたところでどうにもならん、私の邪魔さえしなければ好きにするといい、例えそのような者達がいたとしても結果的に私に利はあれど害はない


 残念なのは今回私の楽しみはお預けになってしまった事だが、仕方ない私のお楽しみ用の部屋には以前いた巫女や獣人のメスがまだ残っているのでそれで我慢するとしよう、私としては4年前に召喚した勇者、彼女とも楽しんでみたいのだが、忌々しいことにあの勇者は仲間を探すといって何の連絡も寄越さずに行方を眩ましたままだ、どうも勘の鋭い女だったようであいつは初対面の私を見た瞬間に、まるでゴミを見るかのような目で私を見ていたな、ああいう気の強い女を屈服させたらどれほどの快感だろうか・・・・・・想像しただけで我慢が出来そうにない、少し早いが今日はもう終わりにしてお楽しみ部屋へ行くとしよう


 主神ガレオスにも早く力を取り戻して人間だけの世界にしてほしいものだが、私のために少しは獣人のメスを残してもらいたいがな、あれはあれでいいものだ、正直な所、私にとっては主神が力を取り戻そうがどちらでも良い、どっちにしても私のやる事に変わりはない、楽しめればそれでいいのだ


 だが懸念はある、最近になって聖王国の北東にある死の国の動きが活発になってきていると報告がある、ガレオス教の総本山でもある聖王国に何故、アンデッドが蔓延る死の国なんぞがあるのか甚だ疑問ではある、何度か兵を送った事もあるが失敗に終わっている


 アンデッドがいるのは死の国だけでなくベルセディア山脈の近くにあるグラス湿地帯、そこにもアンデッドが蔓延っている、湿地帯に関しても何度も大討伐を行ってきたが数日もすれば、不思議と元通りにアンデッドがいるのだからどうしようもない、死の国の仕業と言われているが方法がまったくもって不明だ


 アンデッド達は魔族ではなく魔物扱いではあるがアンデッドの中には知能の高い者もいてそいつらはアンデッド系の魔族なのでは?という意見もあるが実際に知能の高いアンデッドに遭遇したという記録もないため眉唾物でしかない


 こういった時にこその勇者であるのだが目下行方不明である、使えないにも程がある、所詮は異世界人か、どうせ元の世界には戻れないのだからこの世界のためにその知識と力を使い貢献すればよいものを、4年間も行方不明とはな、いや、勇者と言えどその力は魔王が相手ではないと発揮することはできない、もしかしたら既に死んでいるのかもしれん、そうであれば行方がわからない事も納得できるが


 果たしてあの気の強そうな娘がそう簡単に死んでおるだろうか・・・・・・それに勇者は勇者だ、主神ガレオスに選ばれた存在だ、なによりあの娘が持っているスキルは相手が魔王以外でも渡り合える程だ、実に勇者らしいスキルではあるが・・・・・・見た目は利発そうで気の強い正義感のありそうな娘だが中身まで同じであるとは限らん


 あの娘はただの勇者ではない、化け物の皮を被った勇者だ、何を考えているのかまったくわからぬ、聖女になる前のあの少女を気にかけてはいたが結局連れては行かなかった、少女に拒否された事も連れて行かなかった理由ではあろうが、連れて行こうとしたのは少女だけだったな・・・・・・あの時から少女が聖女になる事を予測していたとしたら、あの勇者は聖女の条件に気付いた事になるな・・・・・・やはり危険な勇者だ、なんとか行方がわからぬものか




 まったく最近巷では女同士の艶本――いや確かマンガ本と言ったか――が出回ったり、その逆に男同士のが出回ったりと意味のわからない事まで起きているというのに・・・・・・女同士はまだ見れるからいいが、男同士等一体誰が得をするのだ?意味がわからん


 艶本だけでなく貴族には隠れて読めるようにと文字だけの小説というものまで人気が出ているようだし、今この国に、いやこの世界に何が起こっているんだ?ベルセディア山脈では突然謎の爆発が起こっていたし、あそこは屈強なリザードマン達が邪魔で未だに手を出せない場所だ


 リザードマン達だけが理由ではないが・・・・・・あの山は危険すぎる、何が楽しくて中級~上級、下手したら最上級クラスの魔物がいる山で暮らしているのやら所詮亜人といえどトカゲはトカゲか力だけで知能が足りない下等な生物でしかない


 だが、あの山に眠る鉱物資源は手に入れたいがベルセディア山脈はラーセナル王国の領内、聖王国は簡単に手を出せる場所でもない、まぁ、だからこそ今回の聖女を始末する場所にカリベナの村が丁度よかったのだ、聖女を攫った賊はベルセディア山脈に逃げ込んだ事にして冒険者や傭兵を使いリザードマン達を一掃し、ラーセナル王国には内緒で鉱物資源を頂く、何か言われても賊を追うために進入しただけだと言えばあの軟弱な国は何も言ってこないだろう


 争いたくないからといって中立の立場を守る弱腰の国、国の中にも亜人や妖精族が少なからずいるが、そのせいで豊富な鉱物資源があるベルセディア山脈は下等なトカゲに支配されているというのに、それを見過ごしている等、考えられん


 だが、今回の事でベルセディア山脈の鉱物資源が手に入ればそれを賄賂として貴族、王族に渡せば私の楽しみのために何人か女を攫っても黙らせる事ができるだろうし、なんなら馬鹿貴族の男にも女を分けてやれば今後はもっと楽に楽しめるようになるやもしれぬ


 ククク、いやはや今後も楽しみで仕方がないな、聖女を楽しむ事は出来なかったがそれ以上の見返りがあるのだから、まぁ良しとしよう、後は使いの者からの連絡さえくればこちらで用意してある傭兵達をベルセディア山脈に向かわせるだけだ



 あぁ、早く連絡が来ないものか、待ち遠しい限りだ








勇者「ちょっと原稿遅れてるじゃない!!締め切りは明日よ!!」

骨「申し訳ありません!!先生!」

勇者「アンデッドは寝ないし疲れないから使ってるのに遅れたら意味ないじゃない!!」

骨「申し訳ありません!!数を増やし対処致します!!」

勇者「まったく、さぁ、私の百合本が終わったら次はBL本よ!」

骨「了解です、先生!!」




死の国女王「妾の国で勝手に同人活動するでない」

勇者「BL同人書いてるのあんただろうが」

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