山頂にて出会う
本日2話目
ギスギスした空気の中どうにか無事に山頂まで辿り着くことが出来た、本当に無事でよかった・・・・・・
「おぉ・・・・・・これが山頂から見る景色か、すごいな・・・・・・」
「はい、向こうに見えるのが聖王国マルファールの首都、聖都グラスベイですね、聖王国の西側には亜人領と呼ばれる亜人達の国があるそうです、そこでは亜人達が種族毎にわかれて暮らしているそうです、亜人領よりさらに西へ行くと竜帝国セルディアナ、セルディアナには竜人族かそれに連なる種族しか暮らせないそうです」
「竜人族かそれに連なる種族?リザードマン達とか?」
「そうですね、リザードマン達も竜帝国で暮らす事は出来ますがその中でも最底辺の奴隷扱いになるでしょうね、今の竜帝国には実際、竜人族しかいませんよ、それ以外の種族は帝国から出て亜人領に行くか、イェーツィアの部族のようにまったく違う場所に行くかのどちらかを選びましたから」
そう教えてくれたのはラナだが、その顔は帝国を嫌っているようだった
「帝国が嫌いなのか?」
「嫌いではないですよ、ただどうしてこうなってしまったのか自分が不甲斐ないと思ってるだけです」
「どうしてお前がそう思うんだ?お前に責任のある事じゃないだろうに」
「それが実は責任があるのじゃ、なにせ帝国を作ったのは我なのじゃから」
その瞬間、ラナの体はまばゆいほどの光に包まれた
あまりにも眩しかったのでさすがに目を閉じていたのだが、眩しさが落ち着いて目を開けるとそこにいたのは、純白に輝く白き竜だった、その姿はまさに白竜神と呼ぶに相応しい風格だった
「ほら!!だから言ったじゃないですか!!シゼル様といると絶対白竜神がでてくるって!!だから俺はベルセディア山脈に行くの反対だったんだ!!」
「まてまて!!そもそもお前がそんな事言わなければ出会う事も無かったかもしれないんだぞ!!フラグを建てるからこうなるんだ!!つーかお伽噺の存在じゃなかったのか!!」
「ありえない・・・・・・白竜神とかありえない・・・・・・あれはお爺さんのお伽噺のはず、ありえるわけが・・・・・・」
「我が主、どうしますか?戦いますか?」
「ふむ、お主等少しは落ち着かんか、我はお主等をどうにかするつもりはないのじゃ、むしろお主等には感謝しておる」
「感謝?白竜神に感謝されるような事した覚えはないけどな・・・・・・」
「暗黒大陸から入ってきた、お主等が親蜘蛛と呼ぶ魔物を始末してくれたじゃろ?リザードマン達だけではどうにも出来ぬ場合は姿を現し、我がアレを始末するつもりじゃった、お主等のおかげで姿を見せる事をせずに済んだし、リザードマン達の村も救われた、それに感謝しておるのじゃ」
つまりは、別におれ達が無理して親蜘蛛と戦う必要はなかったって事か?時間が経てば白竜神が始末してくれた可能性もあったのか、まぁ、いいけどな、頑張れば格上ともやりようはあるってわかっただけでも収穫だ、親蜘蛛のスキルはしょぼかったけど
けど、なんか白竜神にも色々理由がありそうだな、帝国の事やリザードマン達の事について、まぁ、おれには関係ないから深く突っ込まないけどな・・・・・・面倒事はごめんだぜ
「感謝の証としてインプ、シゼルと名乗っておったな?お主には我の加護を与えよう、受け取るがよい」
⦅白竜神の加護を獲得しました⦆
⦅吸血系スキルと竜の加護の所持を確認しました⦆
⦅条件が満たされていないため、スキルの統合をキャンセルします⦆
なんか白竜神の加護がさっそく統合されそうになったんだけど大丈夫なのか?簡単に統合されそうになったけどご利益あるのか?
「我の加護、白竜神の加護があればお主なら他の竜を従える事が出来るやもしれぬな、あぁ、そこのお主が生み出した竜は別じゃがな、そやつに関しては我もしらぬ竜種じゃが、そんな事関係なくお主に従っておるし、心配はないじゃろう」
「当然です、我が我が主を裏切る等ありえません」
「そこの2匹には我が保管しておる武器や防具等好きなものを与えよう、といっても我が集めたものではなく山を越えようとして死んだ商人達のものじゃがな、後で保管場所に案内しよう」
「そこの新種の竜には何もやらん、すでに与えたようなものじゃからな」
「わかっています、白竜神よ」
いや、おれはわかってないんだけど、どういうことなの?
「なに、そやつが生まれたのは我のせいでもある、我も蜘蛛との戦闘場所にはおったのじゃが、お主がその竜を顕現させた時に我の無意識に放出されている魔力を吸い取られてな、その竜が存在を得たのはそのせいでもあるじゃよ」
ふーん、シャッテンがこうなったのは白竜神の魔力をシャッテンが吸い取ったからなのか、まぁ、こんだけの存在の魔力を吸い取ったら不思議な事の一つや二つ起きてもおかしくはないのかな?
「簡単に言えば我が主がパパで白竜神がママということです」
「その言い方は誤解を招くからやめなさい」
「了解しました、我が主」
「ハハハ!!我がママか、面白いなそれは、ふむ、よかろう、シゼルよ我がお主に名を与えよう、その変わりお主も我に名を与えるのじゃ」
「いや、おれシゼルって名前があるんだけど・・・・・・しかもお前もラナって名前があるだろう?」
「人間達も家名等名乗っているだろ?それと同じだ、それと我の名前はラナではなくラーナだ」
あぁ、なるほどね、苗字をつけるのか、つーかラナもラーナも変わらないだろ
にしても名前なぁ・・・・・・、苦手なんだよな、名前考えるの、白い、輝いてる、純白・・・・・・、輝いてる?輝くってレディアントだっけ、あれ?レンディアントだっけ?どっちでもいいか・・・・・・
「じゃぁ、レンディアント、ラーナ・レンディアントだ!」
「な!レンディアントじゃと!?お主本気か!?」
「は?いや本気もなにも別に変じゃないだろ?」
「う、うむ変ではないが・・・・・・よかろう、我も覚悟を決めよう、これより我はラーナ・レンディアントと名乗ろう、では我からはお主にベルンフォルンの名を与えよう」
「ベルンフォルンね、分かった、今からおれはシゼル・ベルンフォルンだ」
「言っておくが、我に与えた名を別の者に与えることは許さぬぞ、それと我が与えた名をもし、別のもが与えようとしても断るように!!よいな!」
「お、おう、わかった」
「うむ、まぁ、今更このような古めかしい事する者はおらぬだろうがな」
「名前を与えるくらいするんじゃないのか?現にシュキやコッキはおれが名前付けたし」
「名前を付けるくらいはあるじゃろうが・・・・・・、何お主は気にする必要はない」
「そうか、ならいいけど、それじゃシュキ達の武器なんかもらいに行くか案内してくれるんだろ?」
「あぁ、じゃがその前についでじゃ、お主等ここで修練して進化したらどうじゃ?もうすぐ進化といっておったろう?防具なんかは進化したらサイズがかなり変わる者もおるからな」
「それもそうか、シュキやコッキは進化でかなり体格が変わったし、おれも次の進化でどうなるかわからないしな」
「お主には加護と名を与えたであろう?武器や防具まで貰うつもりか?」
「いや、今回の事でおれにも武器って必要だなって思ってたとこなんだよ、丁度いいし、どうせ使わないだろ?いいじゃん」
「まぁ、そうじゃな・・・・・・よかろう、好きにするといい」
「話のわかるやつで助かる!!」
おれはあと2レベルで進化だし、このさいサクッと上げて進化しちゃいますか!!
けど、次の進化でヴァンパイア、もしくはヴァンパイアと名の付く進化先がなかったらどうしようか・・・・・・、強奪する吸血はヴァンパイアと名の付くものじゃ使えないとしたら本気でやばいよな?もうレベルアップでスキルは覚えないものとしても、このスキルが使えなくなるのは困る、いつか鑑定スキルを手に入れるためにも
進化先は取得してるスキルとかで増えるっぽいけど、今のおれは大丈夫なんだろうか?太陽の加護とか手に入れたから進化先からヴァンパイアが消えてるとかないよね?消えてたらどうしよう・・・・・・
「なぁ、ラーナに聞きたい事があるんだけど」
「なんじゃ?」
「進化先ってどうやったら増えるの?」
「知らぬ」
「え?」
「知らぬ、そのような事一度も進化した事のない我には関係ないのでな、知りたくば創造の女神にでも聞くのじゃな」
使えねぇ―!!つーかこいつ進化せずに生まれた時からこれなの!?ずるい!!
「我をこのように創造したのは女神じゃ文句は女神に言うのじゃな」
その女神様だってお伽噺でいるかどうかもわからん存在だろうが・・・・・・つまりは聞ける相手もいないって事か、まぁ、ただ単にラーナが知らないだけで他の魔物や亜人は知ってるかもしれないよな、可能性としてはやっぱり、取得しているスキルが少しは関係しているはず、あとは今まで殺してきた数や種類?さすがにこれだとマジでゲームっぽいから、これはないかな・・・・・・
なんにしても進化してみない事にはわからないもんな、この世界には進化キャンセルというものはないのだろうか、あったら進化先次第ではキャンセルしたい、全力でBボタンを連打してやるから・・・・・・
~次回予告~
山頂にてレベル上げを行うシゼル一行!!
数度の戦闘を終えて進化の時を迎えたシゼル!!
その時彼が選んだ進化先とは!?
次回!!
え?あれって後書きでふざけて書いた冗談だったろ?まじで死体になるのも進化なの?
こうご期待!!
シゼル「BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB!!」
※注意 後書きは一部冗談です




