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山脈を越えて~その7~

今日は2話投稿します

 さて、おれが意識を失って目が覚めるまでにどうやら2日程時間が経っていたようだ、目が覚めたらリザードマン達の村でリザードリーダー、いやデルツの家で寝かされてた



 おれが寝てる間シュキがつきっきりで看病してくれてたようで目が覚めるとおれの横でシュキが眠っていて、起こしたら泣きながら心配していた事を告げられた


 いやー、今更だが自分の魔力総量知らないんだよね、どれくらいつかったら魔力切れになるかわかんないから仕方なくない?ってシュキに言ったら普通は魔力切れを起こす前になんとなく、あ、魔力切れるは、って感じでわかるらしい、おれまったくわかんなかったけど?




 それについてはおそらく、おれが放った黒炎・爆(ダーク・メガ・フレア)が原因だろう




 うん、理由を説明するよりも見た方が早いと言われて、シュキに抱っこされてコッキやデルツと一緒に8合目の親蜘蛛と戦った所にいってみたんだけど、うん、なんていうかな?あれ?ここって爆弾でも爆発した?それとも隕石でも落ちてきた?って感じだった、地面が溶けてガラス状になってるとか、ないわぁー


 周りの木々は枯れてるというよりも、姿が見当たらなかった、そりゃそうだよね、残ってるわけないよね誰だよこんな自然破壊したやつはって言ったら全員に指刺されたよ、なんかごめんなさい



 だけどそれでもすごいのは、親蜘蛛の体がかろうじて残ってる事だった、デルツ達は処分しようとしたらしいがコッキとシュキが止めたらしい、理由を聞いたらおれが親蜘蛛のスキルを欲しがると思って残したっぽい、ええ子達や・・・・・・、せっかくなのでスキル獲得させてもらったけど大したスキルは無かった



 獲得できたのは咬みつきLv9、ひっかきLv8、毒牙Lv10、麻痺牙Lv10、物理耐性Lv8と耐性くらいしか嬉しいものはなかった、なんかしょぼいとか思ったけど、血の鮮度とか関係しているのかもしれない

 

 

 スキルを獲得したあとの親蜘蛛はデルツに好きにしていいと告げたら、使えそうな部位だけ取ってあとは自然にまかせるとの事、焼いて処分しようにも黒炎でも焼き尽くせなかった以上無理だろうという事で放置する事になった、デルツ達は親蜘蛛の体から刃のような前足?部分と残っていた糸を取っていった、糸なんて何に使うのかと思ったら、その粘着性を使って家の補強に使うらしい、そこは武器とか防具じゃないのかと思ったら前足は武器にするらしい



 もっとまともな状態で体が残っていれば防具も作れたそうだ、それは残念だったな、中途半端に耐えた親蜘蛛を恨め



 今回、意識が無くなる途中でレベルが43になった事は覚えていたのでシュキ達にレベルを聞いたところ、2匹ともレベルが上がって、コッキは41、シュキは39となったみたいだ、もう少しで皆次の進化だな、と話していたらデルツからこんな事を言われた



 「フム、それならばこのまま共に山頂へ行かぬか?山頂には不思議と魔物は寄らぬので山頂を休憩場所として我等もたまに訓練を行っている場所もあるし、その場所に置いているものもあるのでついでに回収したい」



 「シゼル様は病み上がりですし、あまり無理はなさらぬほうが・・・・・・」



 シュキがあれの心配をしてギュッと抱きしめてくれるのは嬉しいのだが、なんだろう、保護されてる気分だ 



 「いや、問題ない、デルツ案内してくれ」


 「相、分かった、まかせられよ、だがその前にシゼル殿にはやってもらいたい事がある」


 「ん?やってもらいたい事?あぁ、あれか?正式に友好の儀を結ぶってやつか?」



 確か戦闘中にそんな事言ってた気がする



 「うむ、それもあるのだが、それはまた後でも構わぬというか今はできぬのだ、それよりも今はアレをなんとかしてほしいのだ」



 アレ?何のことだ?



 「我が主(マスター)よ、目覚められましたか」



 そう言っておれの前に辛うじて残っている森の中から姿を現したのは漆黒の体の竜だった



 「は?我が主(マスター)?誰だっていうかなんだこいつ?」



 「ま、我が主(マスター)よ、それは冗談というものですか?」



 「いや、本気でおまえは誰だ」



 悪いがおれに竜の知り合いはいないし、我が主(マスター)なんて呼ばれる理由もない



 「あの、シゼル様、大変申し上げにくいのですがこの竜は親蜘蛛と戦っている最中にシゼル様が顕現させた竜です、たしか影の竜王(シャッテンドラッツェ)と、シゼル様は言ってられましたが・・・・・・」



 は?シュキは何言ってんだ?シャッテンはただの魔法だぞ?魔力切れでおれが倒れた以上、影の竜王(シャッテンドラッツェ)も消えてるはずだけど・・・・・・



 「シュキ・・・・・・、確かにおれは影の竜王(シャッテンドラッツェ)という暗黒魔法は使ったが、それはただの魔法であって魔力切れでおれが倒れた以上、魔法も消えてるはずだ、違うか?」



 「はい・・・・・・、普通ならシゼル様の言う通りなのですが・・・・・・、しかし現実に影の竜王(シャッテンドラッツェ)は今も顕現したままなのですが・・・・・・無意識に魔力を供給されてるわけでもないのですよね?」



 「あぁ、どこかに魔力が流れてるって事はない」



 これは一体どういう事だ、ただの魔法でしかない影の竜王(シャッテンドラッツェ)が存在を得たというのか?だとしたらどうして?原因があるはずだよな?



 「あ、あの我が主(マスター)?我はどうすれば?」



 どうすれば?ってこっちが聞きたいのだが・・・・・・



 「あぁ、シゼル殿よ、可能ならばこの影の竜王(シャッテンドラッツェ)にすまないが姿を隠すか、消えるかしていただきたいのだ、どういう理由であれ竜がいるというだけで問題が起こるのでな・・・・・・我等としては竜にこのような事は言いたくはないのだが」



 「あぁ、という事だ、シャッテン、どうにかできるか?」



 「了解です、我が主(マスター)



 そう言うとシャッテンの姿は闇に包まれてみるみる小さくなっていき、大きさがだいたい170㎝くらいになったかと思うと、闇の中から褐色の肌に銀の髪、そして深紅の瞳をした黒い軽装の女性が現れた



 「我が主(マスター)、これで問題ないですか?」



 「シャッテンか?」


 

 「はい」



 「・・・・・・なんで人の姿?」



 「我のスキルに身体変化のスキルがありますので、我が主(マスター)はこういった姿がお好きかと思いこの姿に」



 うん、嫌いじゃないよ?むしろ確かに好みだよ?けどさなんでそんなスタイル良いの?出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいるし、美人だし、なによりその太ももは素晴らしいと思う



 「そう・・・・・・か、わかった、それでただの魔法であるお前がなんでまだ顕現したままなの?」



 「我が主(マスター)、我はただの魔法ではなく、我が主(マスター)の影から生み出された存在です」



 「・・・・・・つまり?」



 「我が主(マスター)は我の創造主です、むしろパパもしくは父と呼ぶのが正しいかと」



 「我が主(マスター)で頼む、後半のは考えたくない」



 「残念でありますが、了解しました我が主(マスター)





 シゼルは考える事を放棄した!!だって意味がわからないから!!どうやったら影から竜が生まれるんだよ!!ただの魔法ならファンタジーだね、すごいねって思えるけど、これは無理、本気で意味がわからない





 「うむ、シゼル殿も色々と難儀ではあるが、我等としては影の竜王(シャッテンドラッツェ)殿にはその姿でいてもらえたほうが助かる、ではさっそく山頂へ行くとするか、ただ申し訳ないが我は案内出来ぬ、村に戻り親蜘蛛の解体を指示せねばならぬのでな、代わりにこの者が案内致す」



 「僭越ながら私、ラナが案内させていただきます」



 そう言って前に出てきたラナと名乗るリザードマン、だけどそのリザードマンを見た瞬間、おれは不思議な感覚を覚えた、それと気になる事も出来た、いやおれはそんなに物覚えのいい方ではなかったけど、変だ



 こんなやつ(・・・・・)いたか?いたら覚えてるはずだ、だってこいつから感じる力はデルツよりも遥かに上なのだから、気付かなかった可能性もあるにはあるけど、これほどの力を持っているのに親蜘蛛との戦闘の時いたかすら覚えていないのは、おかしいだろう・・・・・・、警戒した方がいいのだろうけど、何故だか警戒する気が起きない、それどころか不思議とおれは安心している




 わからない事ばかりだな、この世界は・・・・・・これ以上何も起こらないでほしいんだけどな









 その願いはすぐに打ち砕かれる事になった



 「我が主(マスター)、シュキ殿にずっと抱っこされていてはシュキ殿も疲れるでしょう、我が変わりましょう」


 「いえ、私はまったく疲れていませんので変わる必要はありませんよ?」


 「そうは言うがシュキ殿よ、魔物が現れた際、我が主(マスター)を抱いたままでは戦いにくかろう?その点我は影があれば動く必要もないので戦闘も問題ない、なにより我に抱かれた方が我が主(マスター)も心地よかろう」



 

 なんだろうか、この状況、シュキは笑顔でニコニコ対応しているがなんだか背筋が冷たいし、シャッテンからも異様な威圧が放たれている・・・・・・しかも最後のセリフでシュキの額に青筋が見えた気がした・・・・・・



 うん、確かにシャッテンはシュキよりもたわわに実ってるし、歩くたびに軽く上下に揺れるそれは大変柔らかそうで魅惑的だ



 「シゼル様?」



 ファッ!!な・・・・・・なんだこのかつて感じたことがない程の恐怖は・・・・・・シュキは笑顔だ、笑顔のはずなのにその笑顔はまるで・・・・・・



 「ど、どうした?シュキ」



 「いえ、今何かシゼル様から邪悪な気配がしたもので少し心配になりまして」



 「そ、そうか大丈夫だから心配しなくていいぞ!!うん、大丈夫だから!!」



 なんだ、なんなんだこの状況は!!コッキ!!なんとかしてくれ!!


 そう願いコッキを見れば、バッ!!と音が聞こえてきそうな程勢いよく顔ごと逸らされた、ならばラナよ!!と思ったのだがラナは自分の胸を見てはシャッテンとシュキの胸を見て唾を吐いていた・・・・・・リザードマンでも胸の大きさは気になるものなのだろうか・・・・・・



 しかしこいつらが期待できないとなると、おれ1人でこの状況をなんとかしなければいけないのか!?なにか!!なにか妙案はないのか!!助けてマイマザー!!



 「知らんがな」



 なんだろ、マイマザーはここにいないはずなのに今なんか聞こえた気がした



 あれ、つーかおれがシュキに抱っこされてるからこうなってるんだよな?だったら自分で移動すればいいじゃないか!!そうだよ!!なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだ!!



 そうしてシュキの手から外れようとしたのだが・・・・・・、どういう事だ、なぜおれの体はびくともしない、シュキってこんなに力があったっけ?いや、おれが非力なのか?シュキの手から離れようにもがっちりと両手で固定され動けない・・・・・・



 「シゼル様、あまり動かれますと加減が出来なくなってしまいます」



 加減!?ねぇ、それなんの加減!?まさか軽くぷちっと潰してしまわないための加減ですか!?怖い、怖いよシュキ・・・・・・あぁ、速く、山頂に着かないかな・・・・・・




 そうしておれはまた思考を放棄した

シュキ「^^#」

シャッテン「^^#」

ラナ「("゜д゜)、ペッ」



シゼル「なにこの状況」

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