山脈を越えて~その6~
くっ、毎日投稿を心掛けているのに仕事が許してくれない
働かなくてもお金が貰える仕事ってないですかね?
「グゥルォォォォォォォォォォォ!!!!!」
場に響くは竜の咆哮、それはただの竜ではなく闇のように漆黒の体を持ち深紅の瞳を持つ竜だった、その場にいた者全てがその竜を見て畏れを抱き慄き考えていた、本当にこれは魔法なのか?と魔法とはこれほどの存在感を持ったモノだったか?それを見た者は思うだろう、こんな魔法はありえない、と
ただし、その考えを持たない者もこの場にはいた、何を隠そうこの竜を顕現させた1匹のインプだ
ハハハハハハハ!!上手くいった、上手くいったぞ!!あの時は暗闇のドームが勝手に発生したり、影の竜王が制御できなかったりしたが、今回は違う、完全に制御できていると実感している!!
ハッハッハッ!!さぁ!!蜘蛛共を喰い散らかしてしまえ!!
「シャッテン!!周りの蜘蛛共を喰らい尽せ!!ただし!!親蜘蛛には手を出すな!!あれはおれの獲物だ!!」
「我が主よ、蜘蛛以外も食べていいのか?」
「蜘蛛以外は食べてはだめだ!!食べていいのは蜘蛛だけな!!」
「了解だ、我が主」
これで雑魚共が邪魔をする心配はない、心置きなく親蜘蛛と戦えるというものだ
今まで、自分より格上とは戦ってこなかった、だけどそれじゃだめなんだよな、同格と戦うのはまだいいが、格下に勝ったところで成長するはずがない・・・・・・レベルは上がるかもしれない、だけどそれを成長と呼んでいいのだろうか、おれにはただレベルが上がっただけにしか思えない
これがゲームならそれでよかったんだろう、だけどこれはゲームなんかじゃない、現実なんだ、レベルが上がっただけで強くなんかなれるはずがない、わかってるつもりだったんだけどな、経験が大事だって事はさ、だけど楽な方につい行ってしまった、これはそのツケが回ってきただけだ
だが、今この場でそれを帳消しにしてやる、親蜘蛛はそれにもってこいの相手だ
さぁ、親蜘蛛よ、悪いがおれの糧となれ!!
おれに武器はない、ないなら作ればいい、火魔法で生み出すのは炎の剣、一本だけじゃないもちろん複数作り出す、だけどこれはただの牽制用の飛び道具だ、本命は氷魔法で作り出す剣
「獄炎の剣」
おれの体の周りに灼熱を軽く超える炎の剣が無数に現れる
「氷獄の剣」
両手に現れたのは全てを凍らせる絶氷の双剣
「さぁ、覚悟はいいか親蜘蛛、死にたくなければ死ぬ気で殺しに来い!!」
⦅並列思考Lv1を獲得しました⦆
なんか獲得したな、同時に2つの魔法を使ってるからか?たしかに2つの魔法を別々に考えながら使ってるけど、これが並列思考ってやつなのか?まぁ、いいか使えるなら今は何でも使うさ
おれの飛行レベルは8、それで出せるだけの速度を出し、風魔法も使いさらに加速し、獄炎の剣を親蜘蛛に向けて発射しながらおれ自身も突っ込んでいく
⦅並列思考Lv1は並列思考Lv2に成長しました⦆
結構スピードは出てる気がするが空気抵抗とかあんまり感じないから実はそんなに速くないのかもしれない、だけど十分だ、どうやら親蜘蛛の図体では反応するのに困る速度は出せているようだ、鋭い刃のような部分で迎撃しようとしてるみたいだが、動きが遅い、それでは間に合わんよ
獄炎の剣が親蜘蛛を襲い、おれ自身も氷獄の剣で斬りつけていく、親蜘蛛は斬られたところが燃えたり凍りついたりしている
⦅飛行Lv8は飛行Lv9に成長しました⦆
これでまた少しは速度が出るな、周りを見ればシャッテンはもちろんのこと、コッキやシュキも頑張っているようだ
⦅毒牙Lv5は毒牙Lv7に統合され毒牙Lv8になりました⦆
実はさっきから蜘蛛達のスキルが獲得できていたりするんだが、もしかしてシャッテンが喰ったやつのスキルを獲得している?この前の冒険者のは獲得できなかったが、制御できていなかったからか?まぁ、獲得した所で蜘蛛のスキルをおれが使わないんだけどね
まぁ、そんな事はどうでもいい、今は親蜘蛛を殺す事を考えよう、さすがにちまちま斬りつけるだけじゃ勝てないだろう、相手は格上だ、試せる事は試していかないとな
⦅火魔法Lv5は火魔法Lv6に成長しました⦆
ふむ、せっかく複数の魔法が使えるんだら同時に別々に使うんじゃなくて一緒に使ってみるか?ちょっと、いや、かなり中二病っぽいやつだけど、きっと威力は高いはずだ・・・・・・
むむむ、同時に使うのは右と左で使う感じでいけるけど、一緒に使うのはやっぱ難しいな・・・・・・、いやこれこそ並列思考の出番じゃないのか?
⦅並列思考Lv2は並列思考Lv3に成長しました⦆
レベル3でもまだ難しいな、けれどなんとなく掴めてきてる感じがする、もう少しなんだが、やはり待ってはくれないか、親蜘蛛がおれに向かって風魔法を撃ってきた
あいつ魔法使えるのかよ!!そりゃ使えないなんて言ってないけどさ!!魔力感知がなかったら気付けなかった!!
⦅魔力感知Lv8は魔力感知Lv9に成長しました⦆
氷魔法で壁を作成しつつ獄炎の剣発射!!
⦅並列思考Lv3は並列思考Lv4へ成長しました⦆
⦅火魔法Lv6は火魔法Lv7へ成長しました⦆
⦅氷魔法Lv6は氷魔法Lv7へ成長しました⦆
スキルレベル上がりまくりだな!!格上と戦ってるからか?
親蜘蛛の風魔法は氷魔法で防ぎつつ獄炎の剣でちくちく攻撃もする、蜘蛛はやはり蜘蛛は獄炎の剣は嫌いのようだな、なんとか避けようとしたり他の蜘蛛を盾に使ったりしている
⦅疾風Lv6は疾風Lv7へ成長しました⦆
⦅並列思考Lv4は並列思考Lv5へ成長しました⦆
お?疾風が上がってさらに速くなったな!!フハハハ!!おれを捕まえてみろー!!
すいません、調子に乗りましたごめんなさい、だから糸を空中にばら撒かないでください
くそぅ、獄炎の剣で牽制はしてるがなかなかにしつこい、そこまでしておれの邪魔がしたいか、親蜘蛛め!!
⦅並列思考Lv5は並列思考Lv6へ成長しました⦆
うーむ、なんか出来そうな気がするぞ、ここはいっちょ親蜘蛛の動きを止めるか
「氷結の壁!!」
親蜘蛛を囲むように氷の壁で覆っていく、これで少しは時間が稼げるだろう、今のうちに完成させてしまおう
・・・・・・うーむ、やはり難しい、暗黒魔法と火魔法の融合・・・・・・もう少し・・・・・・
⦅火魔法Lv7は火魔法Lv8へ成長しました⦆
⦅複合魔法Lv1を獲得しました⦆
きた!!さぁ、どれほどの威力か見せてもらおう!!
複合魔法の発動と同時に氷の壁を消して、念のためシュキ達を守るように氷の壁を全力で展開しておく、おれは両手を頭の上に掲げ、その上に黒い炎の塊を作成した
うん、結構魔力を込めたけど、やばい・・・・・・、これで親蜘蛛殺せなかったらおれ負ける・・・・・・、もう魔力ない・・・・・・後先考えずにやった結果がこれか、仕方ないな、さすがに親蜘蛛もこれで瀕死ぐらいにはなるだろうし、後はシュキ達にまかせるか
「これが今のおれに出来る最高の攻撃だ!!」
「黒炎・爆!!」
親蜘蛛に向かって飛んでいく黒炎、それを見ながらおれの意識は闇へと沈んでいく、最後まで見る事ができないのは残念だし、魔力切れで体はだるい、だけどこのやり遂げたって感じは嫌いじゃないな
意識が闇へと沈んでいきながらもおれの頭の中にはいつものアナウンスが流れていた
⦅経験値が一定値に達しました⦆
⦅ヴァンパイア・インプのレベルが31から37へ上昇⦆
⦅影の竜王が得た経験値が分配されます⦆
⦅経験値が一定値に達しました⦆
⦅ヴァンパイア・インプのレベルが37から43へ上昇⦆
親蜘蛛「出番なかった」
シャッテン「喋ってる事に突っ込みがなかった」
少し説明
シゼルの言う格上とは?
それはシゼルよりもレベルが高く、より上位の個体に進化している存在の事
ステータスに関して格上と言ってるわけではない
その他の者が言う格上とはレベルもステータスも上の存在




