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山脈を越えて~その4~

つ・・・・・・次は親蜘蛛戦ですから、大丈夫きっと大丈夫






 「フハハハ!!貴様の様な少し毛色の違うだけの貧弱なホブゴリンに我が負けるはずがないのだ!!我はイェーツィアの誇り高きリザードマン!弱者といえど全力で相手をさせてもらう!!」



 声高らかに叫ぶは共闘反対派のリーダー格のリザードマン、得意な武器は槍だそうだ、構えからしてそれが事実だというのはわかるし実力もあるんだろう、だが香ばしい程に香り立つ小者臭が相手をするはめになったコッキのやる気をガリガリと削っているようだ



 「あー、そっすか・・・・・・」



 え?本気でこれを相手にするの?みたいな顔でこっちを見ないでほしい、おれはシュキに抱っこされて今幸せを感じてる最中だから邪魔しないでくれ



 当初はおれが相手をするって事で話が進んでたのだがおれを見るや「インプや女如きに勝った所で自慢にもならない、相手としては不足にも程があるが男子がいるなら貴様が相手だ!!」と五月蠅かったのでコッキに譲ったのである、別に面倒だったからじゃない、決して違う



 「フハハハ!!どうしたどうした!!もう怖気づいてしまったか?ん?」



 うわぁ・・・・・・もうやめよう、そいつにこれ以上会話させてはだめだ、リザードリーダーよさっさと開始してやってくれ



 「あー、ウム、では決闘の確認だ、こちらの戦士、あー名は「このような下賤な輩に名乗る名はありませんぞ!!」だそうなので戦士が勝利した場合、我等リザードマンのみで親蜘蛛を始末しにいく、あちらの、あー、名「こっちも教える気はない」ホブゴブリン殿が勝利した場合は我等は彼等と共に親蜘蛛を始末しにいく、これは決闘なれど命の取り合いではないため、殺しは厳禁だ、もし殺してしまった場合は負けとみなす、確認は以上だ」



 うん、リザードリーダーも大分やる気がないな、普通決闘ってお互いに名前を名乗りあうものじゃないのか?まぁ、そもそも自己紹介すらしてないんだけどね



 「双方、準備はよいか?」


 

 「何時でもいいのである!!」



 「好きにしなよ・・・・・・」



 「では、はじめ!!」



 「はぁ!!」



 リザードリーダーの合図と同時に攻撃を仕掛けたのは仮名:戦士君、勢いよく前に出ての槍の一突きをまずは様子身で放っ・・・・・・様子見じゃないなあれ、全力だ・・・・・・



 さすがに直線的すぎるためコッキには軽々と躱されてしまう



 「フンッ!身のこなしだけはできるようであるな!!」



 「・・・・・・いや、誰でも躱せるだろ今のは・・・・・・直線的すぎるし」



 うん、コッキも何言ってんだって顔だな・・・・・・わかる、おれの目にも見えるスピードだったし、躱せないのはちょっとまずいと思う



 「ならば、これならどうであるか!?」



 その言葉と同時に放たれたのは突きの連打、さすがに躱すのは面倒だったのかコッキはぶら下げていた大鉈で相手の槍を弾いて防御した



 「ヌゥゥ、これも防ぐか!」



 この時点でおれ達はある勘違いをしている事に気付いてしまった



 リザードリーダーは強いだろうっていうのは見ただけでわかった、だからリザードマン達も同等とはいかずともそれに準じる力はあるのだと思っていたがどうやら間違いだったらしい、確かにこの山の下にいた蜘蛛には勝てるだろうが、トカゲに勝てるかと言われれば微妙、としか言えないレベルだった、その事に気付いたコッキとおれは顔を見合してどうしようか?とアイコンタクトで相談した



 「ヤっちゃっていいですか?」


 「ヤるな、殺さずに倒せ」


 「りょーかい」


 

 アイコンタクトでやり取りが終わると、それがこの決闘の終わりの合図でもあった



 諦めず槍で必死に連打してくる相手の槍をコッキの大鉈が下から上へ弾き槍は明後日の方向へ飛んでいき、それに驚いた戦士君との間合いを一気につめ鳩尾へ膝蹴りをお見舞いし、腹を抱え膝を地面についた所で相手の顔がこちらを見上げた時には目の前にコッキの大鉈が待ち構えていた



 「俺の勝ちってね?」



 「それまで!!勝者はホブゴブリン殿!!」



 「なっ!こ、これは何かの間違いだ!!我が負けるはずが!!」



 いやいやいや、完全に君の負けだよ、どこにも間違いはない



 「そ、そうだ!!そこのインプが魔法で我に何かしたに違いない!!そうでなければ我がホブゴブリン等に負けるはずが!!」



 「見苦しい!!誇り高きイェーツィアのリザードマンならば潔く負けを認めよ!!」



 「・・・・・・くっ」



 いや、おれ何もしてないけどね?する必要性がない、注意深くリザードマン達を見てみればまともにコッキとやりあえそうなのはリザードリーダーと賛成派の少数だけっぽい、勘でしかないけど、これがマザーの言っていた経験と勘というものだろうか・・・・・・







 「いやはや、お主等が強いというのはわかってはいたが予想以上であるな、そしてインプ殿やホブゴブリン殿もお気付きになられたであろう?」



 決闘が終わっておれ達はリザードリーダーの家に賛成派の少数と一緒に来ている



 「あぁ、ここにいるリザードマン達以外は戦力外っていうか、もしかしてリザードマン達って弱くなってるの?」



 「インプ殿の言う通りである・・・・・・、情けないことに我等イェーツィアのリザードマン達は年々弱くなっているのだ、ベルセディア山脈では敵なしと思っておったが故に自己の鍛錬を疎かにした結果、このような不甲斐ない状態になっている、全盛期の時代なら親蜘蛛を自分達だけで始末できていたであろうな・・・・・・」



 昔はさぞ強かったんだろうな、昔のリザードマン達がどれくらい強かったのかは比較対象がないからわからないけど、少なくとも親蜘蛛よりは強かったっぽいな



 「まぁ、今は目の前の脅威を排除する事に集中しよう」



 「うむ、そうであるな」



 親蜘蛛をどうにかしないと部族が弱くなったとか言えなくなるもんな



 「それで、親蜘蛛はここより上にいるって事だけど場所は詳しくわかってるのか?」



 「ウム、あやつは巣を張り一定の場所からは動いておらぬようだ、今は産んだ蜘蛛達に餌を集めさせつつも蜘蛛達を強くしているようだな、戦力増強期間というとこか、それに親蜘蛛の近くには下におった蜘蛛よりも強い個体が多いので気を付けよ」 



 身を守るための防備もしてるのか・・・・・・考えてたよりも面倒な感じだな



 詳しい場所を確認してみると、どうも8合目あたりに親蜘蛛は巣を張っているようだ、7合目には下の蜘蛛よりも少し強い蜘蛛が占領しており実質7、8合目は蜘蛛の占領下になっている



 作戦も考えたのだがあってないようなものだった、そもそも親蜘蛛の元へいくのがおれ達とリザードリーダーの賛成派の少数だけだった、残りは村の防衛に回すとの事、正直な話ついてこられても邪魔って事で意見は一致したのだった、おれ達より弱い奴つれていくとか邪魔でしかないだろ?


 基本的には蜘蛛が糸を吐いたらシュキが燃やしつつ状況次第ではそのまま火魔法で攻撃、毒や麻痺毒になればおれが回復する、コッキやリザードマン達は攻撃に専念、おれは火魔法も他の魔法も使えるので余裕があれば攻撃にも参加する事になっている



 上空から一方的に魔法撃てば楽勝じゃないか?って思ったけど今までは標高もそんなに高くなかったから上空待機が出来たけどさすがに8合目あたりになると酸素が薄く、なんの訓練もせずにそんな危険な事はしたくないので心の中にその意見はそっと閉まっておいた



 これが出来たら楽勝だったんだけどなー、いやーざんねんだったなー、あははー



 そんな感じで作戦と言っていいのかわからない作戦が決まった所で本日は休む事にして明日、親蜘蛛退治に行く事になった




 無事に親蜘蛛が退治できたらさっさと山を下りよう、そう心に誓うのだった



 現在ベルセディア山脈6合目付近 リザードマンの村  山頂まで残り約1500m程

低酸素とか持ちだしたら色々と気になる事ができたけど(゜ε゜)キニシナイ!!



シュキ「あれ?私の出番は?」

シゼル「次は活躍するんじゃね?」

コッキ「糸燃やすだけとか大活躍だな」

シュキ「・・・・・・^^#」

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