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山脈を越えて~その1~

標高等はそのままマウントFUJiのを使っていますです







 ベルセディア山脈に入ったおれ達はすぐに山越えを決断した事を後悔する事になった、さすがにシュキも山脈の魔物達の種類等は知らないし、なによりもどれくらいの強さなのかも知らなかったのだ



 結果から言えば、始まりの森でもベルセディア山脈を目指してた間に出くわした魔物も、シュキ達の敵ではなかったが、ベルセディア山脈の魔物達は違った、進化して、レベルも上がって強くなったシュキ達でも互角か、最悪それ以上の魔物ばかりだったのだから



 「あぁ!もう!なんでこの魔物は強いうえにこんな面倒な事をするんだ!」



 「兄さん!文句を言う暇があったらしっかり攻撃してください!あぁ、ほらもう!私の所にまで魔物がきてるじゃないですか!!」



 今シュキ達が戦っているのは蜘蛛の魔物、この蜘蛛達は複数で襲ってきたうえに粘着性の高い糸を数匹が手当たり次第にまき散らすものだから移動も制限される上に蜘蛛たちはどうやら毒や麻痺といった状態異常攻撃を仕掛けてきているみたいだ、耐性のないシュキ達にはきついだろう



 粘着性のある糸はシュキが火魔法で燃やしてはいるが燃やす速度と糸が追加される速度が違いすぎて間に合っていない、現在の蜘蛛の数は9匹、最初は12匹いたので3匹は片付いたようだが、状態異常攻撃もあって苦戦しているなぁ



 え?なんでお前はそんなに呑気なのかって?そりゃぁ、おれは飛べるからな、上空から観察しているんだよ、最初はおれも戦うって言ったんだけど、シュキ達はどうやら前回おれを助けることが出来ずに逃げた事を悔やんでいるみたいで強くなりたいからおれは手を出さないでくれって言われてしまったのだ



 もちろんおれだって、ただ見てるだけじゃないよ?上から観察しててわかったんだけど、どうも蜘蛛が仲間を呼んでいたみたいでちらほら蜘蛛が増えてきてたんだよね、これ以上蜘蛛が増えるとシュキ達が危ないから上空からおれが余計な蜘蛛は処理している



 おれは風魔法か暗黒魔法しか今まで使ってなかった事もあり、山脈にいる間は氷魔法と雷魔法を使っていこうと決めた、火魔法も使えるけど、山火事って怖いよね、シュキは何も気にせず使ってるけど、後でおれが水魔法で消火しておこう



 しかしこの調子だと山を越えるのにかなり時間がかかりそうだ、だってまだ一合目くらいだと思う、ベルセディア山脈の標高は見ただけで軽く富士山くらいはありそうだ、コッキが言うには山頂に白竜神が現れるらしいが、架空の存在と聞いた以上どうでもいい情報である



 そんな感じで上空から観察しつつシュキ達が状態異常になったらおれが回復魔法で解除していた、さすがに毒とか麻痺は危険だからね、けどここで耐性を獲得できれば蜘蛛相手でも少しは楽に戦えるようになるんだけどなぁ、などと考えていたら蜘蛛も残り1匹となったようだ



 「よぉし!お前で最後だ!!」



 「炎の槍(ファイアランス)!!」



 見事シュキが最後の1匹に止めを刺した、なんかコッキが大鉈をかっこよく振り上げてるけどなにがしたいのだろうか



 「ちょ!今のはおれの見せ場だろ!?」



 「はぁ、何を言ってるのですか?そんな事よりも確実に仕留める方が大事に決まってるじゃないですか、悠長に大鉈を振り上げてかっこつけてる間に反撃されたらどうするんですか」



 「いや、そうだけど、今のは確実に反撃もされないタイミングだっただろ?」



 「戦闘に確実なんてものはありません、もしかしたら隠れている魔物がいるかもしれないでしょう?シゼル様が上空から見守ってくださってるとはいえ安心するのは間違いです、シゼル様がいなかった時の事を考えて行動してください、ただでさえ私たちは回復魔法が使えないのですから」



 「あ、はい・・・・・・」



 どうやらコッキの完全敗北で決着の様だ



 「おつかれー、どうだった?耐性は獲得できたか?」



 「シゼル様、上空からの支援有り難うございました、私はレベルは上がりましたが耐性スキルは獲得できませんでした」



 そう言って少ししょんぼりした表情になるシュキ、まぁ、獲得できるかは運だろうし仕方ないだろう、何度か状態異常になれば獲得できるかもしれないけど、だからってわざと攻撃されるのもなぁ



 「おれはレベルも上がって麻痺耐性を獲得できましたよ!」



 麻痺耐性か、前衛のコッキには毒耐性よりもうれしい耐性になるのかな?う~ん、やはりその攻撃を多く受けるか長くその状態でいたほうが獲得しやすいのか?上空から見てる限りじゃ蜘蛛達はシュキには毒攻撃、コッキには麻痺攻撃を多くしてた気がするが、シュキにはコッキという壁があったためほとんど攻撃が届いてなかったんだよな、コッキも攻撃は躱すか大鉈で防御してたから実際に受けた攻撃っていうのは少ない


 そんな中、麻痺耐性を獲得できたコッキの運がよかったのだろうか?そしておれも上空から増えてきていた蜘蛛を殺してレベルが上がっている、おれが殺したのは増えてきた15匹ぐらいだがレベルは31になった


 成長促進もLv5になっているし、やりたくはなかったけど、スキルのためだと我慢して蜘蛛の血も吸ったおかげで、強奪する吸血もLv6になっている他にも鷹の目がLv8に、飛行もLv8、雷と氷魔法がLv6になった、蜘蛛からは咬みつき、毒牙、麻痺牙も獲得できたが上がる事はなかった、使う事がないので別にいいのだが


 正直近接攻撃のスキルはいらない気がする、剣術とか持ってるが剣を使わないので恩恵がまったくない、コッキがいうには剣術のスキルがあるおかげで剣筋がよくなるし、自分の動きの何がいけないのかがなんとなくわかるらしい、今のとこ使わないおれにはまったく関係のない事である



 シュキはレベル25になり、コッキは26になっている、スキルレベルも上がったようだ、ベルセディア山脈の魔物は今のおれ達には手ごわいがその分成長も期待できそうだ、この調子なら別に聖王国の湿地帯まで行かなくてもここでレベル上げをすればいい気もするが、山脈の魔物は今のおれ達には強くても冒険者達からすれば雑魚なのかもしれない、実際山脈に入ってからは人の気配がまったくないのである



 冒険者達からすれば弱いうえに面倒な戦いを強いられる場所でわざわざレベル上げなんかする変わり者はおれたちぐらいだろう





 蜘蛛との闘いが一段落ついて休憩が終わり、また山頂目指して進んでいると次に襲ってきたのはこれまた複数のトカゲ達だった、ベルセディア山脈の魔物は複数で襲うのがセオリーなのか?



 今回もおれは上空で支援する事になったが支援というより火消に必死だった、なにせこのトカゲ達が口から好き勝手火を吐いて山火事を起こそうとしているのだ、おかげで水魔法での消火活動が大変だった、まさか消火活動で水魔法がLv7に上がるなんて誰が予想できただろうか



 ただこのトカゲ火を吐くだけでなく、素早さもあり、防御力もあり、攻撃力も高いようだ、コッキが攻撃をしてもそんなにダメージを受けている感じではなかった



 「くそ!硬すぎだろこのトカゲ!なんなんだよ!」



 「兄さん!文句言ってないでちゃんとしてください!」



 「そういうお前だって火魔法がまったく効いてないじゃないか!!」



 そう、このトカゲ達は当然のように火耐性を持っているようだった、じゃないと周りを火の海なんてしないよな、今はどうやらおれに消火されるとわかっているようで無駄に火を吐くのをやめているが、今のシュキ達とは中々に相性が悪い相手だ、コッキの攻撃は通らないし、シュキの火魔法は耐性があるために効いていない、コッキの攻撃力がトカゲの防御を上回る事が出来ないと難しいな、それかシュキが新たに魔法を使えるようになれば戦況は変わるかもしれないが・・・・・・



 う~ん、これはそろそろおれも参戦した方がいいのかもしれない、コッキがじわじわと押されはじめてしまった、このままではやばいな、そう思った時だった



 「今の火魔法で耐えられるなら、もっと火力を上げればいいんです!!」



 それなんて力押し?たしかにトカゲの火耐性でも耐えられない火力であれば効くかもしれないがだからってそれは・・・・・・、脳筋の考えだ、シュキ、いけない、女の子が脳筋の考えをしてはいけない


 

 「業火爆裂(ブレイズバースト)!!」




 シュキが放ったのは見た感じ大きな火の玉だったがそれが剛速球のようにトカゲに向かって飛んでいき、トカゲに当たった瞬間、ゴゥ!!と鳴ったかと思うと盛大に火の玉が爆発し、トカゲは跡形もなく爆散していた





 それを上空からみていたおれは、その光景を言葉にできなかった、火力を上げるというレベルではない気がする、なにせ火耐性のあるトカゲを跡形もなく爆殺させたのだから、トカゲの仲間は驚きそんな死に方は嫌だと言わんばかりに一目散に逃げていった




 「シュキは怒らせないように気を付けよう・・・・・・」




 そう心に誓ったおれを誰が責められよう、誰だって爆殺は嫌だろう・・・・・・



 だがトカゲ達が逃げてくれたのは有り難かった、どうやら先ほどの魔法に全魔力を込めたようでシュキが魔力切れでダウン、魔力が切れると体がだるくなり、動くのも一苦労らしいなのでこの日はこれで休む事にした



 始まりの森で使っていた魔物避けはここでも効果があるようで安心しておれ達は眠る事ができた





 現在地ベルセディア山脈4合目付近、頂上まで残り直線距離で約1800m程

蜘蛛夫「なんか山に変なのが来たらしいから応援にいってくる」

蜘蛛妻「気を付けてね、あなた」

蜘蛛夫「いってくる!」




蜘蛛夫「上空にあんなバケモノがいるとか聞いてないんだけど」

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