出発前夜
さて・・・・・・、距離の設定とかどうしようか・・・・・・
次はシュキ視点の幕間が先か、人間側(冒険者ギルド側)の話が先か・・・・・・
あぁ、焦ったぁ~
いきなり結界で閉じ込められるは激痛は走るは意味の解らない殺意は巻き起こるは、一体なんだったんだ、いや、わかってはいるんだよな
あの冒険者達は報告がどうのって言ってた事から駆け出しの冒険者からインプが出たとか言われて見に来たんだろう、狩りの最中に何か違和感を感じてはいたけど気のせいだと思って無視してたが、ありゃきっと生存本能が危険を告げてたんだろうなぁ・・・・・・次からは無視しないようにしよう
これ以上こんな危険な目にあうのは勘弁だし、3人の冒険者のうち1人はあえて森の外に逃がしてやった、さすがに駆け出し冒険者がこんな短い期間で5人もいなくなるのは不味いだろう、下手したら調査とかで高レベルの冒険者が来る可能性だってある
だからこそ、1人は生きて戻ってもらう、その生き残りにもおれ達はもう森から出ていくって伝えてあるから問題はない・・・・・・はずだ!!多少は調査とかで冒険者がいつもより多く来るだろうがそこはまぁ、頑張ってもらうしかない、森の魔物達、ファイト!!
そして、2人の冒険者がどうなったかだが
うん、男の方はなにも残っていないんだ、どうしてかって?決まっているおれの影の竜王が綺麗に食べてしまったからだ、いやぁ、あれってもはや召喚魔法と言ってもいいんじゃないだろうか、おれの影から作っているとはいえ召喚魔法と言われても疑われない気がする
女の方、確かフィリスとか呼ばれてたか、そっちは生存本能がスキルを獲得しろって告げてたのでなんとか残ってはいるんだけど、正直、あの魔法は失敗だ、シュキ達を逃がして正解だった
失敗の理由としてはあの影に覆われた空間にいる、おれの存在以外の生物は敵味方の区別なくシャッテンに襲われるからだ、おそらくあの殺意の中発動させた影響が出ているものと思われる、おれのイメージではとくに影の空間とかはなかったし、シャッテンももっと聞き分けのいい子の予定だったんだが・・・・・・
しかし何が幸いするのかはわからないものであの光の結界を破壊したというか消したのは間違いなく影の空間のおかげだと思う、おそらくあの結界は光が届く場所でしか使えないのではないだろうか
影の空間に覆われた瞬間、光の結界は消えてしまったからな、まぁ、術者の女が結界を解除してしまった可能性もあるにはあるけど、なんとなく予想は外れてないと思う・・・・・・勘違いだったら恥ずかしいけど
逃がした男にしてもちゃんと森から出れるように男の影に潜んで間違った方向へいこうとしたら誘導してあげたし、途中熊や狼に襲われたけどちゃんと助けてあげたので今は無事に森の外へいるはずだ、森の外の魔物に関しては自力で頑張ってもらうしかないが、駆け出しの冒険者でもそれくらいはできるだろう?
影操作スキルなくなったのに影に潜めたのかって?
暗黒魔法で影に潜む事が出来たのだよ!!しかも一度でも影に潜む事が出来たら影がなくならない限りは引きはがすのは難しそうだった、試そうにも駆け出し冒険者ではどうにもできなかった、影に剣を突き刺したりされたけど魔力で影を強化して逆に剣を弾き返してやったぜ!!
地面に弾かれたと思ったのか、何度も突き刺す姿は一種の狂気にも似ていたな、何度やっても無駄だから、素直に無駄だからさっさと森から出ていけって言ったら素直に走り出してくれた、結構いいやつなのかもしれない、出会い方さえ違っていれば友達になれたかもしれない
ただ、どうして走りながらも、ちらちらと影を見るのかわからなかったけど、顔を出してやったら前を向いて走り出したので気にしない事にした、なんだ何度も地面に剣を刺してたのを見られて恥ずかしいのか?
おれが男を逃がしている間、女冒険者をシュキ達に守っておくように言ってたんだがすごく、不満気に了承してしぶしぶ守ってくれていた
一応、おれがスキルを獲得するためだと言っておいたから他の魔物から守ってくれたんだろう、一応、女冒険者はすでに亡くなっているから危険はないのだが、シュキはおれがこの女に近付くのを嫌がっていた、むしろこの女がおれに近付くのが嫌なのか?まぁ、いきなり結界で閉じ込められたけどそこまで警戒しなくてもいいだろうに
ちなみにシュキ達と合流した時は開口一番に謝られてしまった、なんでも助ける事が出来なかった事が許せないらしい、仕方のない事だと言っても聞いてはくれなかった
進化したとはいえそんないきなり強くなるわけじゃないのだし、なにより今回はおれの油断が招いた事だ、むしろ謝るのはおれの方だと謝ったらその必要はないと言われてしまったがそこはおれも引けないのでお互いに謝りまくって、おれは今後は油断せずに気を付ける事、シュキ達は今以上に強くなる事を約束して終わりとなった
色々あったが今回の事でこれ以上始まりの森にはいられないとシュキ達と話しあい、レベルも上がってる事だし、聖王国マルファールを目指す事に決まった
今回の戦闘でおれもシュキ達もレベルとスキルレベルも上がっていたので、今日はもう休み、明日出発する事にした
そしてシュキ達が寝静まった頃、おれは一人で女冒険者から獲得したスキルについて考えるのだった
果たしてこのスキルは持っていていいのだろうか?いずれおれはヴァンパイに進化するだろう、もし進化した時、このスキルは致命的な矛盾というかすごくヴァンパイアらしくない気がする、命がけの世界で「らしさ」になんて拘る気はないが、それでもこれはいいのだろうか?
⦅特殊スキル 太陽の加護 を獲得しました⦆
いや、効果とかはまったくわからないんだけど、ヴァンパイアって太陽から加護もらってていいの?念願の特殊スキルを獲得できたからうれしかったけど、これスキルレベルがないんだよね
持ってるだけで最大の効果を発揮するって事なのか?それともこれは正規の手段で特殊スキルを獲得しなかった弊害なのだろうか・・・・・・、今は夜だから効果を確かめる事もできないが、それでもなんとなくだが、このスキルを持っている事で、なにか余計なことに巻き込まれた気がしなくもない
他にも獲得できたスキルがこちら、特殊スキルの獲得に運を使い果たしたのか、それとも元々スキルが少なかったのかはわからないが、獲得できたスキルは少なかった
ちなみにシャッテンに喰われた男のスキルは当たり前のように獲得出来なかった、おれの影から作っているのになぜだ!!
⦅スキル 聖魔法Lv6 を獲得しました⦆
⦅スキル 回復魔法Lv6は回復魔法Lv4に統合され回復魔法Lv7へ成長しました⦆
⦅スキル 火耐性Lv4 を獲得しました⦆
⦅スキル 状態異常耐性Lv2 を獲得しました⦆
⦅スキル 毒耐性及び麻痺耐性は状態異常耐性に統合され状態異常耐性Lv7 へ成長しました⦆
とまぁ、こんな感じだった、果たして太陽の加護がどういった効果になるのかはわからないが、生存本能がこれを獲得しろと告げていたのなら、きっとおれにとってこのスキルは必要なものなのだろう
所持者のおれに理由がまったくわからない事以外は問題はないのかな?
さぁ、明日は聖王国マルファールへ向けて本格的に旅が始まる、明日のためにも、もう寝るとするか!!
シゼル「名前のない冒険者を逃がすんじゃなくて名前のある冒険者を逃がせばよかった、なんかわかりずらい」
シュキ「また名前考えないといけませんね」
シゼル「いや、めんどいから名無しでいく、最初の3人だってないんだからいけるはずだ!!」
コッキ「こうして名無しの被害者が増えていくんですね、わかります」