今日は、名探偵です
「1メートルぐらいで黒と黄色のストライプのシャツを着た男の子を見ませんでしたか?」
通りすがりのナイト「いや見てないなぁ」
「1メートルぐらいで黒と黄色のストライプのシャツを着た男の子を見ませんでしたか?」
通りすがりの魚屋さん「おう、見ねぇよ。急いでんだごめんなすって」
「1メートルぐらいで黒と黄色のストライプのシャツを着た男の子を見ませんでしたか?」
通りすがりの冒険者「いえ、それより厩舎か馬を貸してくれる場所知りませんか?」
知るか!
「1メートルぐらいで黒と黄色のストライプのシャツを着た男の子を見ませんでしたか?」
通りすがりのエルフ「その子かどうか分かりませんが、魔法使いギルドのそばでその様なシャツを着た子供を見た気がします。」
やっとフラグを見付けた!
このフラグを立てるのに何人に声を掛けただろうか…
ギルドの側だからついでに魔法使いにもなっておくか。
光の速さで魔法使いギルド前へ
ガキの捜索は当然後回し。俺はギルド入り口のドアを開け入っていく。
左手に受付がある。
さすがは魔法使いギルドの受付。
テーブルはフランス◯ッ◯調、受付の女性はユニ◯ロ調のパーカーのフードを深く被って一分の隙も無い
「すいません。ギルドに入りたいのですが。」
受付「はい、ではサインをお願いします。」
いつもの様に選択が出た瞬間にタッチしてやる。
受付「ギルドへの入会を許可します。」
受付「ジョブチェンジは基本的に自宅や宿屋でしか出来ませんが、魔法使いにならこの場で変われます。」
それは丁度いい
「お願いします。」
パッ
気付くとパンツ一丁になっていた。
魔法使いは皮鎧きれないのか
どんな魔法を使えるかステータスを見てみる。
魔法が出てこない、よくよく調べたら精霊付けてなかった。
取り敢えず 光火水風土 全部のせしとく。
「あれ」
それでも魔法が1個も使えない……
受付「魔法は買ったスクロールを使ったり、高名な魔法使いに師事する事で使える様になります。」
成る程。レベルが上がれば自動的にひらめく訳じゃないのか。
それにしても最初ぐらいは覚えさせとけよ・・・
受付「スクロールは向かいの売店で購入出来ますよ。」
取り敢えずどんなのがあるか見てみるかな
売店のおばちゃん「ファイアですと500Gです。火の加護レベル1が付いていれば使えます。」
!?
高すぎだろ残金半分以上吹っ飛ぶわ
他も見たがどれもこれも高すぎて無理だ。
まあ魔法使いは当分やらないからガキの捜索の続きをしよう…
ギルドを出て手当たり次第に声を掛けていく。
「1メートルぐらいで黒と黄色のストライプのシャツを着た男の子を見ませんでしたか?」
緑のロープを着た女性「いえ、見ませんでしたよ」
・
・
・
何人めかでようやくフラグっぽいキャラを見付けた。
赤いロープを着た女性「そんなシャツを着た子供を武器屋のショーウィンドウ前で見たわよ」
地図を見て武器屋を見つけると光の速さで………
!?
武器屋に着いてみると、ガキがショーウィンドウにへばりついている。
「君、君ちょっといいかな」
子供なので俺は物腰柔らかく尋ねた。
ウィンドウから顔だけこちらに向け
ストライプの子供「なに、おじさん」
「………」
おじさんじゃねーだろ と思ったがよくよく考えたらこのキャラならそう思われてもしょうがないかと気付いた。
「君は肉屋ミートディスペアの子供タイガー・ハン君かい?」
ストライプの子供「そうだよ」
やっと見付けた!
腰に手をやり空を見上げた。
思い返せば、何故冒険者の俺がこんな事をするはめになったかは全て冒険者ギルドのせいだ……
冒険者ギルドの受付「今、あなた様が受けられるクエストはこれです。」
と差し出した資料を受け取る。
パラパラめくる
・旦那の浮気調査
・道具屋ゲンさんと薬屋スーギさんの喧嘩の仲裁
・迷子の子供探し
・・・・・・・・
思い出に浸るのもつかの間、子供を説得し親元に送り届けた。
成功報酬100G
残金1,000G