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修行と特産品の開発

たった数日で、歴史のランキング上位に(汗)ありがとうございます。

今回は、いろいろと登場します。出しすぎ様な気もしますが。

次回以降への布石なのでご容赦を。

というわけで、興福寺にやってきました。

興福寺は平城京遷都以来の由初ある寺であり、当時は春日大社をも掌握していた巨大な権力を有する

大寺院であった。筒井家はもともと興福寺の僧兵の出であり、非常に緊密な関係にある。

筒井家は代々春日大社で得度を受けているし、順慶自身も後に得度を受けることとなる。

筒井城から近いし、頻繁に出入りしていても何ら問題はないはず。


さて、まずは「多聞院日記」で有名な多聞院です。


「英俊様は、いらっしゃいますでしょうか?」


「殿、なんでわしも一緒なんですか?寺は嫌いでござる」


「左近。筒井には武将らしい武将は、そちしかおらんのだ。

 そちには武勇も期待しておるが、いずれ筒井全軍の指揮を取ってほしい。ここには中国の軍略書他、

大量の書籍がある。わしと一緒に勉強するのだ」


「・・・わかり申した。殿のご期待に沿うため、励みまする」


実際、筒井には武将らしいのは左近しかいなんだよね。松倉右近は小部隊を率いられるくらいだし。

頑張ってもらわないとね。



少ししまして、同じ興福寺にある宝蔵院流槍術の始祖胤英殿を訪ねて来ました。

もちろん左近も一緒ですよ。


「こちらは得意分野ですぞ、殿」

はは、めっちゃ喜んでるな。やっぱ脳筋なのか。

武術は、もともとすごいけどもっと腕を磨いてもらって、しっかり守ってもらわないとね。


「筒井藤勝殿、このようなところにわざわざをお越し頂き恐縮に存ずる。

いかなるごようでございますかな」


「実は、私に身を守るための槍術をご教示頂きたく存じまして」


「無理ですな」


「・・・」

そんな、一言で片づけなくても。わかってたけど。


「まあ、この棍を授けるゆえ、手足のごとく回せるまで、毎日降り続けなされ。

さすればましになるであろう。できるようになれば、わが槍術をお教えいたしましょうぞ」


「島左近殿は合格じゃ。免許皆伝をめざし、がんばりなされ」

ぐむ。めっちゃ悔しいです。




*****


しばらく時が流れて、永禄4年(1561年) 藤勝12歳


時々、呼び出しを受けて城と往復をしながらも日々の鍛錬の結果で、

前に棍を自由自在に振り回せるようになりました。

「胤英殿、いかがでございますでしょうか。少しには様になって来ましたでしょうか?」


「あぁ、前のは新入り用だからの。身を守るくらいなら大丈夫だろうが、まだまだですぞ。

 次はこちらをお使いなされ。日々鍛錬を続けられよ」


「・・・」

と、2回りほど太いのを渡されました。


「時に藤勝殿。丁度、わしの友が来ておってな。」

 紹介しよう。柳生宗厳殿じゃ。富田流、新当流を修めておる」


「柳生宗厳にござる。お見知り置きを」


おーっ。剣豪の柳生宗厳ではないですか。なんか目が冷たいですね。

柳生はいわゆる土豪。宗厳殿を家来にするのは無理でも、傭兵として役に立つはず。

ここは唾をつけておかないといけないな。


「筒井藤勝でござる」


「おぉ。筒井家のご当主でございますか。これは異なところでお会いいたし申す」


「まだ若年でして修行の身でございます。胤英殿のもとで、武道を励んでおりまする。

我が筒井家も松永に圧迫されて厳しいところでしてな。これも何かのご縁。

ぜひ、今後とも懇意にさせて頂きたく」


「承り申した。何かの際には、支援させて頂きましょうぞ」



***


前に始めた茶の栽培を順調のようです。加えて桑やこうぞを植えさせています。

生糸や紙の生産も始めるよう指示をしました。いずれ、大きな富を生み出してくれるはず。


多聞院にあった書物から僧坊酒の作り方を取り出して、秘かに試作するように指示もしました。

近いうちに結果が出るはず。


新たな商品もできつつあるし、流通させてくれる商人が必要ですね。誰かいないかな。



興福寺多聞院

「英俊様。領内で茶などの栽培を奨励しておるのですが、流通させてくれる商人が居りませぬ。

どなたか、ご存じではあられませぬか」


「そうですな。うむ。堺の今井宗久殿はいかがかな。

かの御仁は大和の今井郷のご出身と聞く。力になってくれるであろうぞ」




***


「殿、それはなんでござるか?妙な形をしておりますな」


「これは弩というものだ。多聞院にあった文書にのっていたんだ。

こうやって肩にあてて狙いをつけて、この引き金を引くと矢が発射される」


「こんな小さな矢では一発で仕留めるのは難しいのでは?普通の弓矢で充分では?」


「そちのような剛の者であれば弓矢も簡単であろうが、普通のものなら熟達するまでかなりの時間を要する。これならひ弱な新兵でも扱うことができる。2秒に1本発射できる連弩なるものもあるらしいぞ」


「なんと!2秒に1本でござるか」


「そうじゃ。千の兵がその連弩を装備すれば、文字通り矢の雨を降らすこともできようぞ」



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