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淡色  作者: 美舞
4/17


 うーん 失言…ですよね…



 私の小さな(?)つぶやきは他人には届かなかった…なんて都合の良い事はあるはずもなく


 

 やべーよ。ちょー見てる。すっごい見られてるって!!!!


 

 いや、見られるのはわかっていたけどね


 もう少し柔らかく見守ってくれる感じを希望したいのですよ


 「なに言ってんだ?コイツ」・・・みたいなガン見は勘弁なんです



 教室に入る前の手汗とは違う感じの嫌な汗が額をおちる…気がしないでもない


 

 失言で思わず固まった私を助けてくれたのは


 「まぁ 女子校から来たらそう思うかもしれないなぁ。おい、野球部、お前ら汗臭いってよ」


 と言う財前先生の言葉だった


 ……ん?助けなのか?


 私は野球部を汗臭いなんて言ってないし!!! 


 出会ってもいない野球部に喧嘩売ってないか?これ



 「せんせー このクラス 野球部居ないでーす」 教室の後ろの方にから男子生徒の声


 えっ 居ないの?


 「汗臭いのは そこの朝練でギリギリ教室に入って来たサッカー部でーす」


 「男臭いのは彼らでーす」

 

 「俺はミントの香りでーす」


 「っ 仕方ねーだろ!!練習終わるのギリギリだったから、教室まで猛ダッシュだったんだよ!!」


 財前先生の一言を発端に…いや、私が発端なのか?この場合


 教室が賑やかになった。


 サッカー部の人、ごめん。いらん矢面に立たせてマジすまん。


 

 「あーんじゃあ、男臭いのはサッカー部ってことで、斎賀、とりあえず自己紹介しとけ」


 

 私は教壇の横に立ち 一礼をし、簡単に自己紹介を済ませる


 前の学校と名前を言っただけの簡単すぎる自己紹介


 

 「斎賀の席は窓際の一番後ろな」


 空いている席が自分の席になるだろうなとは思っていたけれど


 窓際一列6つ席があるうちの4つが空席だったので先生に言われるまでちょっとどきどきしていた


 廊下側から5列が男子、窓側一列が女子という席順だったらしいが…



 女子、私を抜いて2人しか座ってないし!!!!!すくな!!


 2人って! クラスメイトだよね?マネージャー枠とかじゃないよね?


 女子2人に挨拶をしながら(どうか仲良くしてください)と念じながら席に着いた



 


 「なぁーなぁー斎賀さん」



 「えっ?」

 

 鞄を置き やっと一息・・・という所で隣から声を掛けられる


 赤茶色の少し長めの髪、瞳はブラウン系でくっきり二重の羨ましい美系


 くっ・・ さっき出会った春日先輩も美系だったけど、こいつもか・・・こいつも美系か!!


 「俺も男臭い?」


 「いえ・・・」 しらねえよ と心の中で突っ込む


 私は別に個人を臭いと言ったわけではない。


 女子校ではあまり嗅ぐことのなかった男子用の汗感スプレーとか整髪料とか・・汗とかの入り混じった感じを「男臭い」と言ってしまったのだ


 女子校の場合はフローラル系は主だが、香水とかスプレーとかが入り混じり「女臭い」と思ってた事は良くあったし 


 特別な悪口で言ったわけではない。ただの感想が口を滑ってしまっただけだ!と主張したい


 「…別に男臭いは悪口じゃないんです。ただ、男子系の匂いだなぁっていう感想です」


 「ふーん そうなんだぁ。ま、別になんでもいいけど」


 なんでもいいのかよ!!!!


 「俺、和久井雅治 バスケ部、よろしく。お隣さん」


  そう言いながら彼は右手を差し出してくる。…握手か?握手だよね?


  男子が苦手な私にはちょっと難易度高いけれど、これって多分通常なんだろうなぁ


  私は急いで手を吹き(さっき嫌な汗かいたからね)


 「よろしく・・お願いします」と彼の手に自分の手を重ねる



 


 そしてその手を強い力で引っ張られた



 


 ・・・・・・・・・・・えっ????



 ええええええええええええええええええ


 なんでえええええええええええええええええ??????




 


 座っていたから 全身を持っていかれることはなかったけれど


 上半身を強く彼の方へ引かれ 


 目の前にはドアップの和久井くん



 彼は驚いてる私を気にする様子もなく





 「楽しくやろうぜ。美音」





 そう言いながら私の頬に軽いキスを落とした



 



 






  


 


 












 


 

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