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淡色  作者: 美舞
3/17


 数日前の編入試験の時に

 

 おおざっぱではあるけれどこの学園についての事を聞いた


 本当に少しの予備知識程度の内容だけれど…


 だいたい編入試験を受けたその日にもう結果発表だ


 入学は決まっていて建前だけの編入試験と言ってよいだろう


 「紹介状」とやらが提出された時点で私の学園への編入は決定事項だったのだ。



 職員室へ訪れた私を歓迎したのは担任になる財前彰先生


 短めの黒髪、切れ長の瞳 シルバーフレームの細めの眼鏡。


 20代後半だろうか?若いイケメン教師である


 白衣とか着ちゃってやがります。


 白衣着用だから担当教科は化学かと思い、聞いてみたけど


 「いや、古典」


 と、考えてもみなかった教科が返ってきました


 ……なんで古典で白衣?


 不思議に思うけどそこはなんとなく面倒臭そうなのでスルーします


 ま、そのうちわかるでしょう。特にわからなくても問題はなさそうだしね


 


 私は2年C組に編入だそうだ。


 1クラスの女子は6~7人、たいして男子が33~35人 


 想像しただけでもちょっと恐い。


 いあ、男子の数はもちろん恐いんだけれど


 女子の少数…がね… 


 中学からの一貫校だし仲の良い友というのは大体決まってしまってるような気がする


 「輪」の中に入っていけるだろうか・・・・?


 前の学校では1クラス女子40人、いっぱいグループもあったけれど


 個人主義の子もいなかったわけではない


 6~7人で行動している子も居れば いつも2人っていうのも居たし、1人での行動も珍しくはない


 どう行動しようが自己責任。他人がどうであれ別にどうでもよい・・というような


 自由なクラスというか冷めたクラスというか…


 どちらかというと人とつるむのが苦手な私には過ごしやすいクラスだったのだ。


 

 そーれーがーだ!!


 ほとんど男子の中で女子少数。


 うーん… やってけるのだろうか?


 できればクラスメイトの女子はおとなしくて優しい人の集まりだといいなぁ・・・・。



 

 教室へ向かう財前先生の後ろをそんな事を考えながら歩く


 2年の教室は職員室から少し遠く別棟の2階


 先生達の辿りついてない教室はチャイムはすでに鳴ったというのに少し騒がしい


 C組の教室前に着くと財前先生は私に「ここで少し待っててくれ」と言い教室へ入る


 


 …はうあぁぁぁうぁぁうぅぅ



 なんていうか、こういうのは苦手だ。


 この後先生に呼ばれて、教室へ入って自己紹介…てな流れなんだろうけど


 「自己紹介」と言うのがマジで苦手。勘弁だ。


 人前で話す事は苦手だし、愛想のないことも自覚している


 紹介すべき事が名前しか浮かばない。何を言うべきか…実は昨日の夜から考えてたんだけど


 「紹介したい事などなにもない!!」という自己完結になり


 結局何も浮かばないまま寝てしまった。


 だって眠かったんだもん 睡眠大好き睡眠大事


 

 「おーい 斎賀入って来ーい」


 「う…っ はっはい」


 

 あーとうとうこの瞬間か…


 先に心の中で謝っておくよ。


 男子諸君 せっかくの女の編入生が可愛い子じゃなくてごめん


 期待してたらマジでごめん。



 緊張して少し汗ばんだ手を扉に掛け教室へ入る








 「・・・・・・・・・・おっとこくさっ」



 

 ・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 やばい



 本音が漏れてしまった












 


 


 




 


 






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