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02 とりあえず食べ物

この先、下品な表現があります。了承された方のみ本文へお進み下さい。

思い出した記憶のバカさ加減に意気消沈した。意図せずPCとかで見るorzのポーズになったが、そのぐらいはいいだろう。







しばしそのまま黄昏れていたが、私はどこまで行っても私でしかなかった。




ぐうぅ〜




…自重しろよ、私の腹っ。今、めっさシリアスな場面だよね!?


下手すりゃ一部の方々に有名な『異世界トリップ』ってヤツなんだぞっ。

二度と現代に帰れるかも分からないんだぞっっ。

それどころか、コントも真っ青な死因で死んで、転生してるかもなんだぞ〜っっっ。




ぎゅるぎゅるくぅ〜。




「…………」


大人しく食べる物を探しますよ。とほり。







お腹の音をBGMに、食べられそうな物を物色しつつ水辺を探してみる。

落ちてた胡桃っぽい木の実と、蛇苺の様なベリー系な何か。鳥(?)が食べてたから、多分食べられるはず。

えぇい、女は度胸だ!

近くに生えてたお椀型の観葉植物モドキの葉っぱに目一杯入れてみた。


ひたすら仮定形な説明で自分を納得させてるが、近い物ではあっても私の知らない物ばっか。それに変ちくりんな植物や虫が目に付く。少なくとも、ここは日本ではなさそうだ。




気候も暑くもなく寒くもない。私の服も七分袖だし。

ふと自分の服を見て気が付いた。こんな服、買った覚えがない。

しかも、両手首に高そうな金のブレスレットが付いている。これも見覚え無し。

…っていうかさ。






私、小さくないか!?







今の今まで周りの木が高いんだと思ってたけど。

全体的にやたら大きいサイズだと思い込んでたけど。

手に入れた二種類が地面に近い所で採ったから、すごく今更なんだけど。







私、縮んでるよね!!







細やかでも確かにあった胸がない!

むしろお腹がぽっこり。キュー◯ーさんの如き、THE 幼児体型。


「…っまさか!」




−確認中−




「…良かった。今更男にされてても困っちゃうよ」


モノは付いて無かったです。良かった。今更男になっても困る。

でもヤバい。益々もって異世界説が濃厚になってきた。







次々に突きつけられる現実と空腹に考える事を放棄した。だって、考えるって更にお腹空くもん。

今はただ、水辺を求めて食欲という本能任せでフラフラ歩く。


本当はこのまま貪り食いたいけど、安全か分からないからせめて水で洗おうとやたら冷静な自分もいた。

食品を扱う仕事をしていたせいで身に付いた習慣だろう。


でも、本当にダメだと思ったら食らい付こう。うん。







彷徨って、それでも結構な時間が経った。


私は無神論者だけど、本気で神様にお願いしたよ。

こんなに祈ったのは胃腸風邪ひいてトイレにこもった時以来。正◯丸が切れて病院にも行けなくて。

あの時は本当に辛かった…。

え?もっと神様を敬え??

いかん。走馬灯に幻聴なんて本気でヤバい。




地面も苔モドキで水気多いから滑りやすいし。いっそコレも食べよっかなぁ。

ん? 水気って……


「水辺が近いかも!」


残る力を振り絞って進むと、小さな湖が目の前に広がっていた。




食べ物を洗わないどころか、苔まで貪り食おうと思っていたのに。

神様、ありがとうっ! 今度からトイレ以外でもお祈りしますっっ!!




どうにか飛び付くのを堪え、危険がないかを見てから水に手を伸ばした。

心地よい温度が手に伝わる。

手を洗い、少し離れた水を手で掬って匂いを嗅いでみる。無臭。

汚れも見られない。


恐る恐る口に含むが、違和感もない。ただの水なのに、強い甘味を感じた。

どうやら思っていた以上に喉が渇いていた事を実感し、意を決して飲み込んだ。


このただの水は、これまでの人生で飲んできたどんな銘酒よりも極上の味わいだった。

何度も水を掬って飲む。




渇きが癒された所で、投げ出す様にしていた器の葉っぱを側に置いて、一つずつ水で洗って口にした。

特別美味しい物ではないが、空腹以上の調味料はない。あっと言う間に平らげてしまった。







満腹ではないものの、少し落ち着いた所で、丸投げにしていた現実を考えようか。

こんなアホな話ですみませんでした!(土下座)


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