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01 始まり

…あんれー?私ってば、朝食にお茶漬け掻き込んで出勤したのに、何でこんなに空腹なんだ??

っていうか、そもそも


「ここは何処だ。何故ジャングル…?」


お腹空きすぎてツッコミじゃ叫べません。







それにしても、記憶が混乱してるのか? 持ってたはずの鞄もない。

とりあえず、落ち着こうか自分。深呼吸で「ヒッヒッフー」はベタすぎるからやっちゃいかんぞ。うん、冷静(?)。じゃ、一つずつ思い出そう。


まず、思い出すのは名前。佐藤さとう有里ゆり。これまでの人生で同姓同名に四人出会ったし、一人に至っては字も全く一緒だった。ざらにある名前と言えるだろう。

歳は…アラサー。きちんと覚えてたって分かった事だし言わなくていいよねっ。

職業、調理師。家から徒歩20分の老舗の洋食屋勤務。

10年働いて、ようやく一人前として扱われる様になった。

彼氏、ここ4年存在なし。

最近じゃオトコ<食べ物&酒だから無理からぬ事だ。だって、オトコに食指が動かない。過去、周りにいたオトコ共のあの姿、実態の数々を思えば、オトコに夢なんぞ見るか。着飾る気なんか底辺にもなる。元々平々凡々な顔と身長だ。それを放置していたせいか、あっちも私を女と思ってなかったが。


……いかん。話がずれた。

まぁ、そんな訳で、趣味は食べ歩き。特技は利き酒。自分の事はきちんと覚えている。




最後の記憶は…出勤する辺りだ。


朝起きたら、寝坊で。出勤時間まであと10分しかなかった。

だから、とにかくお湯沸かしながら身支度して、冷や御飯をお茶漬けにして掻き込んで。

食器を流しに置いて、ダウンコート着て、携帯を鞄に突っ込んで、ざっと確認して家を飛び出したら雪景色だったんだよ。

しかも、柔らかい雪じゃなかった。半ばアイスバーン化しててさ。


アレ、なんか話の雲行き怪しくない?えと、それでどうしたんだっけ。


あちこちで、同じように通勤やら通学に出てきてた人達が転けてて。気を付けなきゃと思いつつ、極力早足で歩いてた。

そしたら、いきなり後ろから悲鳴が聞こえて。声に釣られて振り返ったら、転んだ人がスライディング状態で、どんどん前の人達を巻き込んでて目前に迫ってたんだ。

避けようとか思う間もなく、例外なく巻き込まれたら目の前に電柱。それ以降の記憶、無し。




何コレ。コントかっ!


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