オルグ討伐
そのオルグの巣穴は突如として姿を現していた。
オルグが掘ったのか?
たまたまそこにあったのか?
何らかの魔力が働いているのか?
多くの謎に包まれている。
オルグどもは巣穴の前に見張りを立てていた。
アユリアは、炎の魔法で見張りを蹴散らそうとするが、その前に黒い戦士の投げたナイフが見張りの脳天に刺さり、彼女の手のひらで揺らめいていた炎は消えた。
そして黒い戦士は躊躇せずに、ズカズカと洞窟に中に入っていく。
「ちょ、ちょっと! 無防備すぎるわ」
アユリアの静止も聞かずに黒い戦士は背中の大剣を握りしめる。
「規模が大きいなら、見張りは1匹じゃない。それに勘の鋭い大狼を配置しておく。ここは小さい穴蔵だ」
左手の鋼鉄の籠手にボウガンを装着すると、現れるオルグらを連続で放たれる弓矢で一掃する。
――――ドッドッドッド……ッ!!
弓矢が尽きてリロードが必要になったとき、その隙を見逃さずにオルグが数体飛び掛かってきた。
だが、背中から引き抜いた大剣で天井や壁ごと破壊しながら、オルグどもを肉塊に変えてしまう。
アユリアはその豪快な戦い方に唖然としてしまう。
そして、振り終えた大剣の隙間からオルグが錆びれたナイフで突こうとすると左腕の拳でそのまま殴り飛ばす。
鋼鉄の籠手で殴り飛ばされたオルグの脳漿が飛び散る。
オルグはある意味で悪魔擬き。
死すると一定の時間を置いて、魔素化する。
その魔素こそ魔法の源であり、魔導師がフィールドではなく、ダンジョンや遺跡で力を発揮するのはこの魔素の濃度が関係する。
突然の侵入者に驚き、さらにその侵入者が規格外に強く動揺したオルグが奥にいる親分に報告する。
楽しく、若い肉袋に新たな命を宿そうとしていた親分は、性行為を邪魔され、持っていた棍棒で報告しにきた子分オルグを殴り飛ばした。
侵入者は好きだ。
自分からこちらのホームに乗り込んでくれたのだから、男なら食う。
オルグが強くなるのは戦う回数もそうだが、いかに人間の肉を食らうかだ。
そして女なら肉袋にする。
そして侵入者である黒い戦士を見る。
一見弱そうにも見えた。
だが、その大剣、眼光……。
すぐに肉袋にしていた娘を人質にしようとしたとき、不思議なことがおきた。
視界が廻る。
そして、だんだんと血黒く染まる。
それが闇だと気づく頃、首を飛ばされたのだと知った。
アユリアは自分のマントを肉袋にされていた少女に掛ける。
村の娘ではないが、行商の娘だろうか?
それとも奴隷であり、尻尾切りにされたのだろうか?
そう、彼女のような被害者を出さないために剣を学んだのだ。




