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冒険者ギルド

「何故、私の命令が聞けないんだ!」


聖騎士アユリアは会議室の机に拳を叩き落す。


事の発端は、薬草採りの村娘がオルグに追いかけられた。

特別な被害はない。

どこの地区でもよく起きる問題だ。


オルグは弱い。

村の力自慢が追い払える程度にだ。


だが、数を増やすと厄介だ。

大戦の影響で各地にはモンスターが蔓延る。

闇の勢力というのは本来、太陽の光に弱く、フィールド上で活動はできない。

それでも深い森、遺跡、ダンジョンとなるとモンスターが現れる。


このオルグというモンスターは古の時代には人間だったともエルフィンだったとも言われる。

光には弱いが、それは苦手というだけで、日中から村々で悪さをするオルグも多い。

奴らは生産という能力はない。

奪うことが奴らにとっての生産力である。

驚異なのはその繁殖能力で奴らの精液は確実に着床し、女を孕ませることができる。

その精液を吸収した女も老化が止まるほど、高い栄養価を得ることができるため、半永久的に妊娠と出産を繰り返すことが可能となってしまうのだ。


そんなオルグが近場の森で発見された。

巣穴を作り、規模が大きくなれば大ごとだ。

早いうちに叩いておかなければ、後の脅威となる。


だが、新米の若い士官の話を村付の警備兵も村人も聞こうとしない。

「ちょっと脅かせば、逃げ出す」とオルグをザコとしか見ていないのだ。


本国エスタミルの騎士隊にも連絡したが、取り合わない。

それはそうとエスタミルはローザリアとグランベルの国境。

そのローザリアとグランベルはいつ戦争になってもおかしくない冷戦状態なのだ。

オルグ相手で騎士隊を動かすなんてことはしない。


アユリアは、エスタミルの冒険者ギルドに戦士の派遣を依頼する。

聖騎士である自分が騎士隊や警備兵も動かせずに、ギルドの冒険者を頼るしかないとは……。


オルグ討伐の依頼。

報酬の少ないオルグ討伐を請け負ってくれる冒険者はいない。


アユリアの要請を受けたギルドにて依頼書が張り出されること数日……。

どうにかならないかと金髪の美しいギルドの受付嬢は、とある戦士に相談する。

その戦士は大きな剣、そしてところどころヒビの入る鎧を纏っていた。


後日、リーザスにやってきた黒い鎧の戦士。

ぱっと見は強そうには見えなかった黒い戦士だが、その使い込んだ大剣と鎧。

大戦時代からの古強者だろうか。



この男なら、オルグどもを一緒に殲滅できると確信する。


「とりあえず100Sd。残りは……私の処女(カラダ)ってのはどう?」


自分で何を言っているのか。

赤髪もそうして顔面を真っ赤にしながら交渉する。

女の勘。

この男はやってくれる。


「……避妊はしないぞ」


男の言葉にアユリアは周囲を見渡しながら「あ、当たり前でしょう! 甘く見ないで」と応じた。


「俺は成功報酬だ。契約成立だな」


「でも、妊娠したら私と子供に養育費と生活費を渡すと一筆書いてよ。責任は取ってもらうわ」



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