第3話 孤独は消えない
「じゃあ、この子を惑星警察に送るために幾つか質問してもいいかしら?」
「ええ、それより貴方その傷。。。。。大丈夫なんですか?一応傷の応急処置はしましたが」
数時間前
優里は暴れる男の子を物置に閉じ込め
ミナの帰りを待った
しばらくして家のチャイムが鳴らされ
優里が扉を開けると
頭と片腕から大量出血しているミナが立っていた
その様子を見て優里は大声をあげ急いで治療した
そして現在
「こんな怪我、数週間すれば治るのよ。。。。。。それよりもあのレンツィってやつの能力がわかったわ」
「能力?レンツィって地球人なんだから能力がないのでは?」
「Dr.ナリドは研究で得た能力を能力がない人に分け与える役割をしていたの、まぁその能力も神の力から抽出したものだけれど」
ミナは続けて
レンツィの能力は元の能力持ちから能力を一回だけ借りることができて一回だけ使うことができる能力だと推論を立てた
その理由は過去にその能力を自分も持っていたからだった
「なぜ、貴方が持ってて。。。。。あ、抽出」
「そういうこと、あのゴミはあたしの体から能力を何度も何度も抽出して取り出した」
「なるほど。。。。。じゃあ、今のレンツィは無能力者ってことね」
「いや、レンツィの腕が鎌に変形したのを確認したからおそらく誰かの能力を借りてる状況ね、それがだれかわからないけど」
ミナは優里にプリンターの位置を聞き
自身のスマホを操作して一枚の紙をプリントアウトした
「それは?」
「事前に現在Dr.ナリドに加担している人達をマサトに調べてもらったの」
Dr.ナリド(本名 ナリド・メンゲレ・ダイロン) 能力を与えるドクター ????
レンツィ(本名 津山 蓮) 能力を一度だけコピーできる能力 地球人
トゥール・アジ・ダハーカ
善人を悪人に変えることができる
赤ん坊は対象外 竜族
サタン・スイレン
命の危機を感じたら最後にいた場所にワープ能力が使える 魔族
マソッソ・スイレン
目の前の人間にその人間が最も恐れていることトラウマとして見せつけることができる
グゥイ・ヤシャ
憤怒で地震を起こすことができる
鬼族
ファミラ・ネモフィラ
?????
精霊族
「ちょっとまってくれファミラって。。。。。」
「なるほど、ファミラも飛鳥ちゃんもあちらの手の中ってわけね」
ミナは最初から予想してたかのような反応を示して続きを読んだ
スカリー・ヴェレ・アーティーチョーク
どんな相手でも悲哀の気分にさせ
戦意を喪失させることができる
ドワーフ族
高宮京子
高宮雅
雅『相手の過去を消してなかったことにできる』
京子『相手を存在しなかったことにできる』
地球人
「これで終わりね、さてあの男の子を惑星警察に送る前にあの子の両親を呼んできて欲しいの、いくつか書類に署名してもらいたいからね」
「残念ながら風太の両親は風太を庇って亡くなっている、書類なら私が署名しよう」
「そう?署名って言っても簡単な署名なんだけど、1番目 もし更生プログラム実行中に暴れた場合身体を拘束することがある 2番目 もし身体拘束でも手がつけられなくなった場合静寂剤を体に投与することがある」
ミナの出した署名の内容を見て
優里は戸惑い
しばらくの沈黙の後
優里は両手で頬を叩き
自分のサインを署名してミナに渡した
「次に必要なことをこの紙に書いて欲しいの 名前 種族 食べ物に対するアレルギーはあるか 他に障害等はあるか、貴方が書きたくないっていうのならこちらで書くわ」
「名前 風川 風太 地球人 アレルギーも障害もねえ」
「記入完了、後はこの子を。。。。。。」
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「愛美、もう足は大丈夫なのか?」
「ええ、3日間も休んでしまい申し訳ありません」
「そんな!休んでいいんだぞ?」
頑張ろうとする愛美を渚は心配し
渚は愛美の口にアイスを入れた
「この3日間であのうさぎから伝えられたこともあるからね、ファミラが悪に染まったって」
「ファミラ殿。。。。。。。何故そんなことに」
「あの子は前に高宮飛鳥の体が乗っ取られているって知った時に「私もシノブみたいな決断をすれば飛鳥を救えたのかしら」っていってたし変なところで真面目なのよあの子は」
フェレナは渚のフリルを触りながら呟いた
その様子はどこか落ち着かなくて
どこか焦っている状態だった
「とりあえず俺らは今やるべきことをやるまでだ」
「そうだね、僕も手伝うよ」
「おわぁ!?おめぇいつからそこにいた!?」
渚が驚き振り向くと
そこには綺麗な白いワンピースに身を包んだ苺がいた
「言っただろ?僕は記憶がある、つまり君達の関係者でもある、そして次の依代化が起きる人間がわかる情報屋だ」
「誰だよ、そいつは」
「もう直ぐ来ると思うよ。。。。全身ブランドものに身を包んだ」
王子が門のところを見ると
そこにはカツンカツンとビールを鳴らしながら歩く
セレブみたいな服に身を包んだ女性が歩いてきた
「あら〜ん、ストロベリープリンセスちゃんじゃなぁ〜い」
「その名前で呼ぶのはやめろってその足りない脳みそで覚えられないのかい?」
「相変わらずだっっっさい服着てるわねぇ、なんのブランドもの?うわぁ。。。。【大陸町】。。。。。あんなところで服買うのなんて余程のダサい人間かおこちゃましか買わないと思ってたけどまさかあんただったとはね」
セレブ女は高笑いをして渚を見た
渚は身構えたが
セレブ女は渚をゴミを見るような目でみた
「うわぁ、あんたのところで買ってる服スーパーの一角にある無名店のところじゃんダサい以前の問題なんだけど」
「あぁん!?」
「あんたは。。。。。。。。。。。。。タグが見当たらないわね、どこで買ったの?」
「え?多分手作りだと思います」
「手作り。。。。ふーん」
ブランド女は手作りという言葉に沈黙のあと
無言でその場をさった
愛美と渚は顔を見合わせハテナを思い浮かべた
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「よ〜こそ〜、惑星学園へ〜」
「この人は?」
「あぁ、この人は。。。。。マザーの専属メイドで昏睡状態だった人だ」
「ねぇねぇ、お肉食べられる?動物のお肉!」
風太の目を見てメイドの女性は微笑み
抱きしめて言った
「君がいい子にしていたらお肉食べられるよ」
「あの、変幻族の肉は。。。」
惑星警察の1人が口元に手を当てて黙れとメッセージを送りミナを別室に連れて行った
警察はミナを座らせ
やがて子供が振りかけていたという
粉を持ってきた
「変幻族の肉はなぜ食べてはいけないのか。。。。。それは変幻族にだけにあるとある成分のせいだ」
「変幻族の肉や骨や血には麻薬成分とにた成分がある、それにより一度肉を食べるだけはおろか
血を吸うことすら中毒を起こす原因となる」
「だから、代わりの肉を与えるんだ。。。。。変幻族と似た成分を持つ中毒にならない肉を。。。。。そしてそれを減らすことで社会復帰に繋げるということだ」
「なるほど、じゃ貴方達に任せていいわね」
ミナは警察に一礼すると
ドアに向かいドアノブに手をかけたが
しばらくの沈黙の後
警察の方を振り向いた
「ねぇ、もし。。。。。人格は別のところにあって自分の体を他の人格が乗っ取って悪いことをした場合罰せられるのは元の人格?それとも乗っ取った人格?」
「お前の言いたいことはあの高宮家の後継者ちゃんについてだろ?あの魔族は俺にばれないように例え自分の体を犠牲にしてでも命懸けで高宮家の後継者を守ったつもりだったが俺は最初からわかってる。。。。。お前の返答はYESとも言えるしNOともいえる」
「というと?」
「100年前カナトに体を乗っ取られたお前に対して判決は無罪だった」
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「取引をしよう、僕はあのブランド女の情報を一から10まで全て教える」
「その代わり俺たちはお前んところの歌唱部に入れってか?」
「そうだ、僕の部員は3人でこのままでは廃部になってしまう。。。。。だから君ら2人を引き込めば5人、廃部を逃れるだけなら5人でも十分だ」
苺は先に用意してたかのように
渚と愛美に入部届の用紙と鉛筆を渡した
「ちょっとまてよ、俺らまだ入るって言ってねえぞ」
「じゃあ、ブランド女の情報は渡せないなぁ。。。。。あーあ、僕の時は情けで依代を取り戻せたけど次は取り戻せないかもしれないなぁ」
王子の反応に
渚は呆れると同時に一つの疑問が浮かんだ
「あの雅ってやつやってることが意味不明だったぞ」
「君の言っていた二つの人格があってその人格の一つは君の親友。。。。。ということを考えればもしかしたらその人格が少し出てきて僕を助けてくれたんだと思うよ」
「飛鳥が。。。。。」
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「お母様、気分の方は大丈夫でしょうか?」
「ええ、だいぶ良くなりました。。。。それより次の対象は」
雅がふらつく足取りでモニターを見るとそこにはホストクラブで楽しそうに笑っている少女が写っていた
『シャンパンはいりまーす!』
『いぇーい!!』
『いやぁ。。。桜子ちゃんこんなに使って大丈夫なの?』
『そんな、雪那君のためならシャンパン20本でも余裕だよ!』
モニターの向こうでは全身ブランド物を身につけた少女が楽しそうにホストと話している
その様子を見た雅は苦虫をすり潰したような顔で呟いた
「気持ち悪い。。。。。なぜ、現代の人間は知らない人とあんな長話ができるのでしょうか?まぁ、この子の闇は昨日の子よりも深そうなのですぐ終わりそうですね」
「次は大丈夫なのですか?少し負の飲み物を飲みますか?」
「いえ、それは蓄積しないといけないもの。。。。。。今は必要ありませんわ」
雅はブランド女に手をかざすと
そこから依代を出し小瓶に入れた
「今日の依代の色は。。。。青色、つまり悲壮、前の依代は憤怒でしたけど」
「何か効果が変わるのかい?」
レンツィは子供達にお肉をあげながら
雅に質問をした
「色はその人の感情を表しています、憤怒は赤色で感情を操るのが難しく青色は悲壮で感情を操るのが簡単になります。。。。。なので私としては悲壮の方がいいというわけですね。。。。。ところでレンツィさん?駒が一つ減っているようですが」
「あいつらに誘拐されたがまだ駒はいくらでもある」
レンツィの言葉を物陰から静かに聞いている子供が1人
その子供は早足でアジトの一角にある部屋の扉に入った
「おい、ここから逃げるぞ」
「なんで?」
「どうせ風太もいないしあいつらも風太を取り戻す気はない、俺らがここにいる意味もない」
「やだよ〜お肉が食べられなくなっちゃう」
「そんなこと言ってる場合じゃ。。。。。」
「あのね?健太君?僕にとってはあのお肉が一生食べられないことは嫌なことなの」
健太と呼ばれた男の子を肩を強く持った
その表情は狂気に満ちており
テレビで見た薬物中毒者そのものの顔だった
「健太君もさ、あのお肉を食べようよ〜」
「。。。。。考える」
「食事の時間も野菜しか食べてないじゃ〜ん」
健太は知っていた
変幻族の肉は薬物中毒と同じ効果を持つということに
それに気づいたのは健太の過去のおかげ
健太の年齢は現在16歳
小学生の頃から薬物の運び屋をやっており
11歳の頃興味本位で薬物を摂取した
その頃の感覚を覚えていたから
健太は早く手を引くことができた
カストルのイジメにも参戦することもないし
江真のイジメにも参戦することはなかった
しかし目の前にいる親友は。。。。手遅れだ
「ちょっとどこにいくの?」
「君に関係ない」
「風太もいなくなって気が立っているのにお前までいなくなったら。。。。。」
「あいつれは俺たちのことをただの駒としか見てない。。。。。。風太もお前のことも、俺はそんな人から手を引くだけだ」
健太は男の子を残してワープホールの中に入った
行き先は地球だ
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「ブランド女の名前は鈴木 梅子。。。。僕の名前とは裏腹にあの女の名前はしわしわネームだ」
「そういえばよ、お前ってまだ苺姫って名前なんだな」
「キャバ嬢だったという真実を消しても【自分の子供にキラキラネームをつけた】という真実は消えない、キャバ嬢っていうのはただのきっかけに過ぎないからね。。。。。。で、肝心なのは梅子の家族構成だ」
「普通なら 父親か母親ですよね?肝心ってほどではないような。。。。」
王子は梅子の家族構成を説明した
梅子は 株式会社エーアイ・クリエイツ・ザ・フューチャーの会社の一人娘
しかし現在父親も母親もいない
いるのはエーアイ・クリエイツ・ザ・フューチャーが最後に作ったアンドロイドのみ
「話だけを聞くと梅子が闇を抱えてるようには見えないんだけどな」
「表面だけ見たらね、裏ではその最後に作ったアンドロイドは型落ちアンドロイドと呼ばれていて会話するのはほぼ不可能で料理を作ったり洗濯物を畳んだりやる事が終わればスリープモードに入る。。。。。梅子は会話もできないアンドロイドをよそに自身はマッチングアプリでパパ活をしているらしい」
渚は初めて聞く単語に愛美を見たが
愛美も初めて聞く単語のようで2人で顔を見合わせていた
「。。。。。君たち、今流行りのものも知らないのかい?地上の楽園と呼ばれた国にでも暮らしていたの?。。。。。マッチングアプリというのは遠いところにいる異性同士を繋げるアプリのことでパパ活は。。。。。知らない男の人と過ごしてお金をもらうことだよ」
「。。。。。バイトか?」
「まぁ、合法ではないバイトと思ってくれたらいいよ」
「。。。。。あまり穏やかな感じではなさそうですね」
苺は自分が知っているのはこれぐらいだといい
愛美と渚にもしもの時にと苺から梅子の家の地図を渡された
その帰り
「うーん、特に今日一日様子がおかしいところはなかったし。。。。やっぱ依代を出した方がいいのか?」
「でも、そうしたら私達が間に合わなかった場合梅子さんは2度と目覚めない可能性があります」
「だよなぁ。。。。。前回みたいに2人に分かれるか?」
「そうする方がよさそうですね」
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「ただいまー」
「人を検知しました、認識モード。。。。佐藤 梅子様。。。。。会話モードに移行します、お帰りなさいませ、晩御飯は冷蔵庫にあります」
「ありがとー」
梅子はため息を吐き冷蔵庫の扉を開き
綺麗に盛り付けてある料理をレンジで温めると2階にある自身の部屋への階段を上がり
アンドロイドはそれを見届けるとスリープ状態へと入った
「さーて、今回はどのおじたんにしようかな〜。。。。。。。。次は私を満たしてくれる人がいいな」
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「あの時お前の体を乗っ取ったカナトはお前の体で殺人を犯そうとしたがお前の意識がそれを阻止した、だから俺は体を取り戻したお前に対して無罪を言い渡した。。。。。しかし今回の件は少し複雑すぎる」
「というと?」
「そもそも高宮雅はちゃんと善悪がわかってるお方だ、そんな人がなぜ悪人としているのか。。。。。。俺は天界が絡んでると見ている」
惑星警察はタバコに火をつけようとしたが
咄嗟にミナが顔を顰めて
水をぶっかけた
「。。。。。。で、話の続きは?」
「そういや、高貴な変幻族様にタバコの煙は毒だったな。。。。。大神様、かつて西園寺愛美の母親 ミソラ・ミカエラを処刑した人だ」
「。。。。。。。。えぇ、その人が次は愛美ちゃんを手にかけようとしてるということも知ってる」
「いや、おそらくあの神はあの子をお前が言うことを素直に聞くために奴隷にするだろう」
惑星警察は資料を持ってきた
そこには天界の通信機器が残っており
実際に大神と一人の天使の会話が聞こえてきた
『。。。。。。わかったか?お前はこの学園に転入し私が合図を送るまで行動を起こすな』
『しかし、合図とは?』
『あの高宮雅という女がもう負の感情を限界まで貯めた依代を砕いて飲み物にしたと報告が入った場合我はお前の心臓に合図を送る、そしたらお前はあの堕天使とその周りにいる蝿を拘束しあのホムンクルスを連れてこい』
『わかりました、消すのですね』
『違う、あいつの能力は我の真の力を宿しておるからあいつを利用して魔界を消して天界を完全にするだけだ』
通信機から発せられる内容に
ミナは驚愕し声も出せなかった
魔界を消す
それは魔族に危害を加えていた雅の行動と一致するからだ
「じゃあ、神が裏で手を回してたってこと?」
「いや、神とナリドが協定を結んでいたと考えるのが自然だ、そもそもお前の中にある全ての能力が使える神の力を神が無条件で渡すはずがないだろ」
「神はナリドのなんなの。。。。?」
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「15番、春の件はどうなった?」
「今だ行方不明です、それより大神様。。。。。。。頻繁に連絡をとっているナリドという人物は一体何者ですか?」
神は宇宙の原初を話し始めた
宇宙の原初、宇宙と一つの生命体が共に生まれた
生命体は自身のことをナリドリアン・ネシャサペと名付けた
そしてナリドリアンは最初に死んだ人間の魂を保管する場所。。。。。天界を作った
天界からどんどんいろんな惑星を作り上げ
ナリドリアンは宇宙から眺めているだけだった
いろんな惑星を作り始めて
ナリドリアンは退屈していた
なので全ての惑星から負の感情を集めて
一つの塊にしその塊を適当な惑星にいる赤ん坊に入れることにした
しかしその3年後
退屈に痺れを切らしたナリドリアンは
自身も1人の人間として生まれ変わろうとした
ナリド・メンゲレ・ダイロンとして
ナリドは幼い頃からいろんなことができた
まだ世に出ていない細胞を見つけることも
技術を発見することも
いつしかナリドは最年少の天才博士ともてはやされることになった
ナリドは満足していた
しかしその満足も長くは続かなかった
ナリドは自分以外の研究者が自分より上の研究物を発見したり研究したりして自分より高い評価を得ていることに不満だった
だからナリドは自身の生み出す力を使い
ホムンクルスを完成させた
その際に自身の血液を入れて
「ナリドリアン様の血液はナリドリアン様の宇宙の原初を受け継いでおり惑星を生み出したり消したりできる力を持っている、しかしナリドリアン様の原初を受け継ぐ血液は全てあのホムンクルスにぞぞがれている」
「それほど、あのホムンクルスに期待していたってことですかね」
大神は下界の様子を鏡で見ながら
高笑いをし玉座に座った
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「はい!今日の晩御飯はうさちゃんオムライス!」
「わぁ!オムライスがうさぎさんの形になってます!」
ミナが作ったオムライスは
丸いご飯の上に薄いオムライスと
耳のところにはバナナピーマンを卵で包んであり
両橋には小芋が添えられており
付け合わせにはブロッコリーとカリフラワーが
花の形に切り取られていた
「凄いです!味も美味しくて可愛いなんて!」
「ゆっくり食べてね〜」
「あ、ミナさ。。。。。。」
ミナは忙しいのか台所へ戻っていってしまった
愛美はオムライスを食べながらニュースが流れているテレビを見てその内容に食べる手が止まった
その内容は違法ホストクラブの一斉閉鎖だった
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「チッたったの6万かよ。。。。。まぁいいや、雪那君は許してくれ。。。。。。は?なにこれ?」
梅子はそこにあったと思われた建物の前で唖然とした
理由はそこにあった物がなくなっていたからだ
「シャッター?は?雪那君。。。。。雪那君!!!。。。。。なんで!?なんで反応がないの!?。。。。。へ。。。?」
『キラピカちゃんへ、ごめんなさいホストを辞めざるおえなくなりました』
メッセージに書かれていたのは
ホストクラブが封鎖されたことにより
ホストへの一斉解雇が始まったこと
他のホストクラブも政府の方針により一斉封鎖がされているのでホストにはなれないこと
そして梅子のことは本気で好きだったことが書かれていた
梅子はその瞬間冷めた表情をし
メッセージから雪那を消した
その後家に戻った梅子は無機質なロボットが作った料理皿を持ち部屋にに入り
スマホで次のターゲットを探していた
梅子は年収750万の男性をターゲットにしようとしていた
しかしその裏ではパパ活女子を一斉補導しようと奮闘する警察がいた
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-----------------数日後
「あれから数日、特に進展はねえなぁ。。。。。。あ?何の騒ぎだ?」
「あ、君達!面白いことが起きてるよ!」
渚と愛美が騒ぎになっている方を見ると、警察と担任とすらっとした体型の人形みたいな人と梅子がいた
「一体どういうことでしょうか?うちの生徒が今まで知らない大人からお金を巻き上げて挙句の果てにホストクラブに通っていたなんて。。。。。。うちの学校の品性が下がるようなことをお宅の家庭ではどういう教育をなされているんですか!?」
「。。。。。。。。。。」
「ちょ、聴いてます?」
「エラー 私は対話型AIを搭載しておりませんので質問にはお答えできません」
人形みたいな人の受け答えから
2人はこの人がアンドロイドだと思い
助けようとしたが苺に止められた
「君達が行ってもどうにもならない、今までの話を聞くとどうやら梅子の今までしてきた悪行が全てバレたみたいだね」
「あの、昨日ニュースでホストの一斉検挙って。。。。」
「それがトリガーになった、さて君達がこれからすることは二つ。。。。。僕が事前に渡した梅子の家に行くのともう一つはあのアンドロイドに対話型AIをプロントとして組み込みこと」
苺は対話プロントが組み込まれたチップを愛美達に渡した
愛美は苺にそんなものどこで手に入れたのかと尋ねると苺はネットに転がっているAIプロントサイトから引っ張ってきたと
「ほぇ〜最近はそんなこともできるんだな〜」
「5年前からできていたけどね、君たち本当にどこに住んでたの?」
「。。。。。。。とりあえず、このチップをあのAIに組み込めばいいんですが一体どうやって?」
苺は両手を横にして頭にハテナを浮かべた
苺にはあのアンドロイドをどうにかして協力させる方法を思い出せないからだ
「僕ができるのはここまでだよ、後は君たちに任せるよ」
「明日、ミナに頼み込もうぜ」
「そうですね、ミナさんなら何とかしてくれるはずですし」
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「ちょ、やめてよ!!!」
「梅子様を指導する者からの命令です、ここにあるものを全て捨てろと」
「せめて売ってよ!!!」
「命令信号を検知、トラックを手配します」
「やめてよ!!!」
梅子は袋にブランド物のバッグや服を詰め込むアンドロイドを必死に止めたが
人間がアンドロイドの力に勝てるわけもなく
梅子は弾き飛ばされてしまった
梅子は涙を浮かべながら
昨日の出来事を思い出していた
マッチングアプリで年収750万の男性に会うためにいつもより多くのオシャレをして出会ったが
その正体は警察で梅子は抵抗したが補導されてしまい学校に通報までされてしまって
今朝の出来事につながる
そもそもホストクラブが一斉操作されなければ
心の拠り所を失わなければ
梅子はそんなことを思いながら部屋へとふらふら戻っていき
ベットに倒れ込んだ
「。。。。。。全員私の命令を聞く操り人形になればいいのに」
「それが貴方の願いですか?」
「誰?どこから入ってきたの?」
「私は貴方の願いを聞く精霊です、私は高宮京子、こちらは」
「繝輔ぃ繝溘Λ」
「願いを叶える。。。。。?私の願いを叶えてくれるの?なら今すぐ私の扱いを姫レベルにして全国民が私に対して最大限のおもてなしで接してくれるようにして!」
「縺昴l縺?縺代〒縺?>縺ョ縺具シ」
「それだけでいいなら簡単な願いです」
雅は隣に連れていた精霊と共に
梅子の願いを依代に書き
梅子を鏡に閉じ込めた
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------翌日
「おはようございますミナさ。。。。。。。うわぁ!?」
愛美がベットから起き上がり下の階段を降りたところ
近くでパレードでもやっているのか爆音が鳴り響き愛美は驚き尻餅をついた
「朝からなんかのパレードですっごい音が鳴ってるのよ。。。。。耳栓してなかったら地球人には爆音に感じるレベルにね、私達変幻族には耳元でダイナマイトを撃ち込まれたような感じよ。。。とても五月蝿いわ」
「耳栓してても私の声聞こえてるんですか?」
「口の動きで大体愛美ちゃんが何言ってるのかわかる、私の声聞こえてる?って言ってるんでしょ?この耳栓は全ての音をシャットアウトするから愛美ちゃんの口の動き以外何もわからないわ」
愛美はミナに感心して
いろいろ質問しようとしが
窓から聞き覚えのある名前が聞こえてきた
『梅子様がお通りになりまーーす!!!』
「え?梅子って。。。。。。」
「どうやら早く動く必要があるみたいね」
愛美は急いで渚に連絡を入れたが
渚はそれよりも前に動いて梅子の家の前に待機していた
梅子の家は豪邸でまるでお金持ちが住んでそうな家だった
「しっかしこんな家に住んでるやつがおっさんから搾取するか?脅されてる。。。。。?深く考えてもわかんねーし愛美達が来るまで待機しとくかぁ」
「で、なんで俺まで連れてきた?」
「おめぇが1人でいたらエッチ本買って読むだろどーせ、カストルがわざわざ俺に報告してくれたんだよ」
渚は今朝の出来事をアレクに話した
優里達の手伝いをしている渚の元に
カストルがやってきて
アレクがまた気持ち悪い本を買ってきたと
報告を受けた
「カストルぅ〜昔は見て見ぬふりをしてたじゃねえかぁ〜。。。。。。でも俺連れてきても戦力外だぞ」
「鬼族の力ってバカ強いらしいんだろ?だったら今回の件はお前に適任だ、まぁもしものことがあれば察に捕まるが」
「なにする気だ!?」
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「よし、全員揃ったわね」
「本当にやるんすか?」
「やらないといけないからやるの」
ミナはインターホンを押し体育座りで
待った
しかし何度待っても扉は開かず
ミナが強めにノックしてようやく開いた
「人物認識を開始。。。。。エラー、登録人物が特定できませんでした」
「私達は。。。。。。梅子?さんの友達です」
「梅子様の友好関係を検索中。。。。。エラー、未登録の人間です」
「あ。。。。新しい友達なんです!」
愛美がアンドロイドに説明するが
アンドロイドは直近での梅子の行動
梅子の携帯の中身をネットワークで繋ぎ中身を調べ交友関係を見たが
梅子の連絡先には誰も残っておらず
友達と呼べる人すらもいなかった
アンドロイドは無機質な表情で扉を閉めようとした
「エラー、確認できませんでした。。。。。。。会話を終了します」
「あ、しめんな!!アレク扉を抑えろ!」
「ちょ。。。。。話を聞いてください!」
「エラー エラー 妨害が確認できました、妨害が確認できました」
ミナは変幻し兎の姿になって間をすり抜けアンドロイドの後ろに周り緊急停止ボタンを押し
アンドロイドはエラーエラーと言いながらゆっくり力が抜け床に倒れた
「あの、本当にやるんすか?」
「もしも梅子って人の願いが話し相手が欲しいというのならこのアンドロイドをなんとかしない限りその願いは永遠に叶わない」
「でもこのアンドロイド。。。。。端子部分はどこにあるんでしょう?」
愛美はアンドロイドのいろんな部分を確認したが
繋げる端子が見つからなかった
「王子のやつ嘘ついたのかぁ?」
「いえ、ここにチップを入れる用の端子があるわ」
「ならそこにいれれば。。。。。」
愛美の言葉を遮るように
パレードの音が大きくなり
民衆の声も人が増えたのか大きくなっていった
「まずいわね」
「私。。。。。パレードを止めてきます!」
「無茶だ!またあいつらがいたらどうすんだよ!?」
「渚さんは梅子さんの部屋に行って梅子さんの願いの書かれた鏡を見つけてください!」
渚は急いで行く愛美の後ろ姿を心配そうに見つめ梅子の部屋への階段を上がった
梅子の部屋は簡素な風景で
ベットと机と家族の写真しかなかった
しかも色味はなく真っ白で
その中心に鏡の中で眠る梅子がいた
「さてとこいつの願いは、やっぱ自分に構ってくれる人間が欲しいか。。。。。このことを愛美に連絡。。。。ん?なんだこの空白」
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「梅子様!こちら籠いっぱいのお菓子です!」
「梅子様!こちらお飲み物です!」
「梅子様!」
「梅子様!」
「キャハッ世の中の人間はすべて私のいうことだけを聞いてればいいの!そうすればきっと。。。。。私の心が落ち着くから」
梅子は目を閉じ昔のことを思い出していた
それは梅子が小さい時に経験した両親との思い出だった
....................
...................
「ねぇね!あのね!」
「はいはい梅子ちゃん、なにかしら?」
「ねぇねぇ!あのね!」
「どーしたー?梅子ぉ〜」
「ねぇね!あのね!」
「。。。。。。。。。」
「おかーしゃん、どーしてアイちゃんは何も言わないの?」
「この子はね、*********なの」
「*********ってなーに?
「それはね」
...................
.............
............
「可哀想にねぇ、まだ小さいのに。。。。。186便の墜落事故の唯一の生き残りが鈴木財閥の一人娘さんなんて。。。。。」
「両親は梅子ちゃんを守るために折り重なり亡くなったそうよ。。。可哀想」
「可哀想」
「可哀想」
「。。。。。。。。。パパとママは死んでなんかないし、生きてるもん」
...............
........
....
「梅子様、本日の食事です」
「。。。。。。うん、ありがとう(パパは盛り付けを動物みたいにしてくれた)」
「こちらは水です」
「ありがとう(ママは美味しい麦茶を作ってくれた)」
........................
...............
..........
「今日はありがとうね!梅子たん!」
「こっちこそありがとー(つまんない話題ばっか、ゲームとかこっちはやってねえよ。。。。。。。。。満たされたい)」
..................
............
..........
「ウェーイ、シャンパン入りました〜梅子姫ちゃん今日は何する〜?」
「んーと、お話ししたいなぁ〜?(まだ満たされないけどおぢよりマシか。。。。。)」
..............
.........
.....
「あのブランドものは全て売り払いました、明日からはこの服を着てください」
「。。。。。。。。わかった(こんな服やすいブランドのやつじゃない安いブランドものの服を着てるなんて笑われるに決まってるわ。。。。。。。でも、あの子なら笑わないかも)」
........ ........ ........ ........
........ ........あの子なら
「。。。。。。。。。ふぅ、さて次はあっちの方向に。。。。」
「止まれ!」
「っ!?」
愛美がフロートの前に飛び出し
驚いた民衆がフロートをとめた
「。。。。。邪魔なんですけど」
「梅子さん、お話ししましょう?」
「お話しすることなんかない、私はもうこれでいいの!」
「。。。。。。梅子さんの本当の願いは誰彼構ってもらうことではなくて自分自身をちゃんとみてる人に構ってもらいたいんでしょ?」
愛美の言葉が図星だったのか
梅子は黙り込み
民衆は愛美に近づき睨んだ
「なるほど。。。。操った民衆が梅子さんの本心として動くわけですね、言いたいことがあるならはっきりといえばいい」
「どけ!」「どけ!」「どいてよ!!」
「退きません、梅子さんとお話しするまでは」
黙り込んでいた梅子は愛美に対して彫刻刀を
振り回した
その瞬間愛美の髪は乱雑に切れてしまったが
愛美はフロートに乗り込み梅子の手を取った
「離してよ!!」
「梅子さん、貴方はダサいと言った2人に対して私の服はダサいと言わなかったその理由はなんですか?手作りの服なんて貴方から見れば十分ダサ」
「ダサくないわよ!!」
梅子は愛美の襟を掴み睨み
涙を浮かべポロポロ流した
「あんたには家族がいる!!私にはいない、アンドロイドは服なんて作っちゃくれない!!!」
「でも、バージョンチップを入れれば。。。」
「普通のアンドロイドはね、私のアンドロイドは。。。。。。」
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「デモ。。。。。バージョン?」
「なんだよ、デモバージョンって
「企業側が使用するために機能を制限された状態のことをデモバージョンっていうんだ」
アレクとミナはなんとか制限を解除してバージョンチップを入れられないか模索していた
しかし出てきた文字は“これはデモ機です、バージョンダウンロードはできません”という文字だった
「どうすればいいんだ?」
「。。。。。。。デモ機をアップグレードするためには一から分解しないと不可能」
「不可能じゃないですか!」
「。。。。。。これは」
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「。。。。。不可能なんだよ、全て!!」
「不可能じゃありません!デモ機だってアップデートする方法があります!!!!」
梅子はフロートの上で愛美を彫刻刀で切り付け
愛美は必死に逃げながら説得を続けていた
それをレンツィと子供達が楽しそうに見ていた
「レンツィお兄ちゃん!いつ行く?」
「まだだよ、あの女の体力がなくなったら最後の仕上げといこうか。。。。。。そー言えば君たちに聞きたいことがあるんだった」
「なーにー?」
「鳥崎健太という子供が昨日から行方不明なんだけど何か知らない?」
「そう言えば昨日健太がおかしなことを言ってたな、ここから逃げようみたいな」
レンツィはタブレット内にある監視カメラを確認した
そこにはアジトから出ようとする健太の姿が映っておりレンツィは緊急用のボタンを押した
「うん、緊急シャッターボタンを押したからもうアジトから出ることは無くなったよ」
「健太。。。。。。あんなこと言うなんて病気だよな」
「そうだね、あの子は病気だから帰ったら薬を飲ませようね」
レンツィはタブレットの電源を切り
愛美と梅子の攻防戦を観覧していた
その裏で健太が異常な跳躍でダクトを通りアジトから脱出していることも知らずに
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「あれ、君たち僕の部屋に勝手に転がり込むなんてどういう神経してんだい?」
「おめーのおばさんが通してくれたんだよ!それよりデモ機じゃねえかあのアンドロイド!!!」
「デモ機。。。。。。?なるほど、つまり全部売り切って処分しなかったデモ機があの女の元にあると。。。。。。ぼくの見当違いだったようだね」
「どうすんだ。。。。。。って王子お前は梅子のパレードに行かないのか?」
渚の返答に苺は「どうしてだい?」と一言言い疑問を投げかけた
渚はこれまでのことを手短に伝えなぜ苺は影響がないのかを問いただした
「さぁ?僕も君たちと同じように不思議な力が宿ってるんじゃないのかい?」
「そんなことは。。。。ってそんなことよりもどうすんだよ!?」
「。。。。。。デモ機は一から分解しないとアップデートはできないが確かアンドロイドを拉致して分解してレアアースを取り出し売買すると言う事件があってから分解行為を行えば即警察に通知がいくようになってるんだ、それでもよかったら」
「いやだよ!?なら愛美は。。。。。。」
「そういえばあの子はいまど。。。。もしかしてパレードに行かせたのかい!?」
「だって。。。。。。。」
渚は苺に計画を伝えた
アンドロイドをアップグレードとして
梅子の「誰かに構ってほしい」と言う願いは叶うと言うのは苺の計画だった
しかし愛美はアップグレードができないと知ると1人で梅子の元へ走っていったと
「あの子がコミュ強でない限りあの女の願いを叶えることは一生不可能だ!」
「じゃあどうすれば。。。。。。。お。。。俺がいくか!?」
渚と苺がなんとか策を練っていると
ミナが疲れた様子で座り込み
愛美の様子を監視カメラ付きのGPSで見ていた
「。。。。どうやらうまく行きそうよ」
「。。。。。。。お前が愛美になぜGPSをつけているのか聞かないでおくとして、そんなうまく行くか?」
渚が監視カメラを見てると
愛美と梅子がフロートの上で手を繋いで仰向けになっていた
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「。。。。。。貴方はいいよね、パパやママがいるんだから」
「いないです、お父さんもお母さんも亡くなりました」
「だったらその手作りの服は」
「これは私を預かってくれている親戚のお兄さんが作ってくれたんです」
「。。。。羨ましいね、私は無機質なアンドロイドのみだからあなたが羨ましい」
「。。。。。私は貴方が羨ましいです、両親の愛情を持っているのですから」
「。。。。。お互い羨ましいものを持ってるんだね」
「。。。。。。。これからお互いの羨ましいものを交換していきましょう」
愛美と梅子はお互いの手を繋ぎ
梅子は愛美を抱きしめた時に服のタグに
書かれた名前を見て、とある疑問を愛美にぶつけた
「あなたの名前の由来はなに?」
「私の名前の由来ですか?。。。。。お父さんから聞かされたのは【自分も愛し人も愛する心が美人な子になって欲しい】って意味を込めてつけられたそうです」
「私、自分の名前がしわしわネームって思ってて嫌いだったんだ」
愛美は驚きながらも
梅子に優しく微笑み
梅の花の花言葉を教えた
「梅の花言葉って高潔とか不屈の精神という意味があります。。。。。なのできっと梅子さんは不屈の精神を持った子に育ってほしいと願ったはずですよ」
「。。。。。そっか、そういう意味が込められてるのか」
梅子は満足したかのような顔をして
愛美のことを強く抱きしめ
「ありがとう」と呟き依代になった
その瞬間民衆の催眠は解けフロートも消えた
「きゃん!?。。。。。。フロートが幻だったなんて。。。。」
「愛美!!!!」
愛美が上を見上げると
心配そうに体を起こす渚がいた
渚は愛美の体を起こすと愛美が依代を持っていることに気がつき表情が明るくなった
「成功したのか!?よかった。。。。。あのアンドロイドデモ機でよ、どう考えてもアップロード出来そうにないから終わったと思ったが」
「梅子さんはもう大丈夫だと思いますよ、その後の心のケアをしっかりすれば」
愛美はゆっくり立ち上がり依代を力強く持ち
渚に微笑んだ
しかし渚の他に誰もいないことを不思議に思った
「あの。。。ミナさんは?」
「あぁあいつなら今日変幻してる時間なかったろ?だから王子から離れて空き部屋のところで変幻して休んでるんだ」
「なるほど。。。。。ちょっと待ってくださいミナさんは誰の家にいるのですか?」
「あの王子の家だぞ?」
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「きゃぁぁぁ❤︎小さくて可愛いうさぎさん、ぬいぐるみかしら?」
「なんで僕の方を見るのさ、僕のものじゃないよ。。。。。ぬいぐるみなんて女の子らしいもの姉さんらの見てるところで買ってないの知ってるでしょ?直前まで僕の友人が来てたんだし多分その子のやつだろう」
苺は普段の渚の言動からこんなキュートなぬいぐるみを持ってるはずがないと若干の不信感を抱きぬいぐるみを自身の部屋に持ち込んで部屋から出た
「。。。。。みゅぅぅ〜」
「あ、忘れ物!」
「みゅう!?」
「。。。。。。。。。。」
安心したミナ(うさぎの姿)は二足歩行になり窓から出ようとしたが部屋に忘れ物を取りにきた苺に見られてしまった
「。。。。。。。あの子達、不思議ちゃんだと思ってたが動くぬいぐるみまで持ってたとは」
「。。。。。。。。。。」
ミナは無言で部屋にかかっているクラシック音楽に合わせてダンスした
そのクラシックはミナでも知っていたので
リズムに合った踊りをしていてた
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「大神さま!!大変です!」
「なんだ、申してみろ」
「春と秋が天界からいなくなりました!」
「そうか」
「その悪影響はすぐに出ており、地球は冬と夏だけになった結果地球が高温になっております!」
「。。。。。。そうか」
「このままでは地球が高温にさらされ地球温暖化が進み地球の滅亡が早くなります!」
側近の天使の言葉を聞いた大神は高笑いをして
天使の頭を撫でた
「ナリドリアン様はすごいお方だ、一つの惑星が滅亡したらまた作ればいい。。。。。。しかしその前に堕天使のガキとナリドリアン様の研究の成果をここに連れてきてからだな」
「。。。。。ですが、我々は地球をお世話してきました」
「それがどうした?お前達の仕事は惑星が変わってもある」
天使は俯きながらも
どこか不満を抱いていた
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「。。。。。。。。。京子、次は頼んでいいですか?少し。。。。。体調が」
「えぇ、お母様は少し休んでてください」
「ねぇ、一回もう1人の子を呼び出して殺した方がいいんじゃないの?雅さんの体の負担になってるしそれに君前に言ってたじゃないか?「高宮飛鳥は期待外れの失敗作だ」って」
レンツィが空飛ぶ雲の上から京子と
雅を見下ろしながら言った
「私を見下ろすのをやめなさい津山蓮、それに飛鳥を殺した所でその体はもう使い物になりません。。。。。殺さない方法で自然と人格が消えるのを待つしかないのです」
「でもさぁ、消えるどころかどんどん自我を取り戻してるように見えるけどさ現に薬飲んでも体のムカムカが治らないって雅さん言ってたでしょ?」
「。。。。。。あの子の生きる希望を消すには」
京子はサタンとマソッソを呼び出し
耳打ちをした
サタンはニヤリと笑い、マソッソと共にダークホールの中に消えた
「どこに行かせたのさ?」
「。。。。。東魔界、あの子が一番大切にしている者の首を転がせて置いておけばあの子は生きる希望を失い体の所有権をお母様に受け渡すでしょう」
終