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幕間『言葉』
少女は周りからたくさんの言葉をもらっていた。
可愛らしい、落ち着きがある、聡明などの様々な褒め言葉だった。
自分は良い子だから褒めてくれるんだ。そう思って疑わなかった。
少女はある日、大人の裏の顔を知ってしまう。
そして同時に、飾られた言葉の裏側である本音を聞いてしまう。
少女は……人に世界を壊された……
他人の言葉には過剰に反応し、人混みを歩くことに恐怖していた。
そして人と近付くことを拒み、拒まれ、孤独に陥った。
独りでも言葉の海に溺れることは多々あり、周囲の声は全て嘘だと、信じたくとも信じられなかった。
――少女は、言葉に脅かされた。
白詰詞
学校…金鈴高校二年生
イメージカラー…緑色
キーワード…言葉
花言葉…白詰草『約束』