2/18
幕間『時間』
少年は当たり前のように過ぎていく時間に憤りを感じていた。
何故自分は生きているのか。どうして自分が残ってしまったのか。
後悔や罪悪感が胸を渦巻き、希望や幸福などの感情も呑み込んでいく。
けれど少年は負の感情までも、記憶と共に蓋をした。
少年は……現実から目を背けた……
やがて少年はただ学校に通うだけの生きた機械に成り果てた。
他人には無関心で、特に感情も抱かない。その辺の鉄の塊と同じ、ガラクタでしかない。
少年は昔と比べると変わり果て、周囲からは時間を退化して行っているように見えたが、実際は違う。
決して過去にも未来にも進まず、ただ現在という名の足下を見るだけに留まっていた。
――少年は、心の時間を停止した。
暦日 灰杜
学校……金鈴高校二年生
イメージカラー……灰色
キーワード……時間
花言葉……なし