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幕間『理想』
少女はとても裕福で、人が欲しがるものを両手で抱えられないほど貰って育った。
けれど、運命の相手が定められていた。
少女は大人に敷かれた運命のレールを踏み外すことなく、正確に歩むことに誇りを持っていた。
ある日少女は、自分と同じように他者に運命を委ねる、非力な女の子と出会った。
少女は……初めて運命に疑問を持った……
気づけば女の子を見つめることが少女の日課となっていた。たとえ周囲に異質な目を向けられたとしても、鋼の精神は砕けることがない。
けれど、自らの意志で新たなレールを敷いた姿を目の当たりにし、少女の心に微かな揺らぎが生じた。
本人も意識できないほどの些細な変化は、やがて他者との交流を広げ、少女に新たな誇りを与えた。
――少女は、理想を追いかけた。
館花閖
学校…金鈴高校三年生
イメージカラー…水色
キーワード…理想
花言葉…姫百合『誇り』、橘『追憶』