2.おチビさん
私が学校に着いたのは、十一時頃であった。
丁度休み時間の辺りである。
階段を上り、私は教室のドアを開ける。
――ガラガラッ
すると、私の目の前にはちっちゃい女の子が立っていた。
「おやおや芽衣ちゃん、やはり来ましたか」
私の幼馴染の、雪であった。雪は非常に身長が小さい。多分、140cmも無いかもしれない。多分だけど。
「なんだよー、やはりって?」
私の顔を見てニマニマとしている雪に対し、私は疑問を投げた。
「あのねー、芽衣のお母さんに今朝会ったんだけど、今日は遅刻するからよろしくね〜って言われたんだよー!」
「あー、そー。てか、そこ退けてくれません?」
ドアの前で通せんぼをし、私の事を通してくれない。
非常に楽しそうである。そして何かを期待しているようだった。
「あー……ほら、飴ちゃんあげるから」
「わーい! はい、どーぞっ!」
飴玉を渡すと、道を空けてくれた。通行料か何かなのだろうか?
しかし、私がいつもお菓子を持ってるとでも思ってるのだろうか? いや、実際持ってるんだけどね。
『おはよ〜芽衣!』
『芽衣ちゃんおっは〜』
教室に入るや否や、クラスメートから挨拶をされた。私は人気者って訳ではないが、どちらかと言うとそっち側だと思う。
「おーっす」
軽く右手を上げ、挨拶を済ませる。
そして自分の席の椅子に着き、カバンを机の横に掛ける。
そのまま私は、机の上にぐでーっと上半身を乗せて眠た気な顔をした。
さっきまで寝てたと言うのにまだ眠いと言う……我ながら自分のだらけっぷりには常々情けなく思う。
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