表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天魔の子(仮)  作者: タロさ
210/236

新たな勇者②

リチャードを倒したホルストたちだが、

『勇者』が現れたことで、また、教会が何か始めたのではないかと考え、

ゴンドリア帝国内のの警備を強化し、何時でも迎え撃てる体制を築き上げた。


それと同時に、アンドリウスに戻っているエンデたちにも、この情報を送り、

情報の共有を図る。





その頃、各大国の教会で認定された勇者たちは、

それぞれにアンドリウス王国を目指していた。


だが、彼らは同志ではなく、ライバル。

もっと悪い言い方をすれば、任務を遂行するのに邪魔な存在。


エンデを倒して報奨金がもらえるのは、1組だけ。


その為、道中でかち合えば、最悪の事態を招く。



その最悪の事態が

アンドリウス王国より、ずっと東の小さな宿場町で起き始めていた。


最初に、この町に到着したのは、スラム出身の『勇者』スラート。

彼らは、早々に宿を決め、酒場へと繰り出していた。


そこで彼らは、耳にする。


「この町に、勇者様が滞在されているんだってよ」


スラートたちの隣の席で、酒を飲んでいる男たちが、そんなことを話し始めた。


━━━俺たちのことが、バレているのか?・・・・・・


疑問に思いつつも、再び、聞き耳を立てた。

話を続ける男たち。


「そうかい、それで何処に泊っているんだ?」


「あそこだよ、あの豪華な宿屋だよ」

 

「へぇ~、やっぱり勇者様ともなると、金を持っているんだな」


「そりゃ、そうだろ。

 なんてったって、勇者様だからよ。

 それにな、その勇者様ってぇのが、もの凄ぇ別嬪(べっぴん)さんでよ。

 驚いたの、なんのって・・・・・」


「おめぇ、見たのか?」


「ああ、見たぜ」


男たちの会話から、他の勇者がこの宿場町に来ていると知ったスラートは、

酒場を後にして、宿屋へと戻った。


宿屋に戻ったスラートは、宿屋の主人に問う。


「この辺りで、一番豪華な宿屋ってどこだ?」


店主は、勇者が泊っていることを知っていた為、笑顔を見せる。


宿場町だが観光する所など無いので、勇者が泊っているというだけで

一大イベントであり、金を儲けるチャンスなのだ。


「あんたも、勇者様を見に行くのかい?」


「ああ、そのつもりだ」


スラートの返事を聞き、店主は、『スッ』と手を差し出す。


━━━金か・・・・・


スラートが金を手渡すと、素直に話し始めた。


「ここを出て右に進んで、4つ目の角に、大きな酒場があるんだ。

 そこの角を左に曲がって3つ目の通りの角にあるよ。

 大きくて豪華な建物だから、直ぐにわかるよ」


「そうか、わかった」


宿屋を出ると、教えられた場所へと向かうスラート。

当然、仲間たちも同行する。


教えられた場所は、直ぐに分かった。

ただ、勇者を見ようと、大勢の人が集まっており、混雑している。


「頭、どうしますか?」


「・・・・・裏口に回るぞ」


「へい」


スラートが、裏口に回ろうとして角を曲がった時、妙な視線を感じた。


視線を辿って見上げると、

そこには、3階の部屋から見下ろしているルドミラの姿があった。


━━━あれが、勇者だな・・・・・


離れていても、はっきりわかる程の威圧感。

見下した感じで、集まっている民衆と、スラートたちを見ている。


「頭・・・・・」


配下たちも、スラートの視線を辿り、見上げた。


「あれが、勇者ですかい?」


「多分・・・いや、間違いない」


━━━部屋は、わかった・・・・・

   もう、ここに用はない・・・・・


スラートは、勇者だと気付かれる前に、配下と共に、その場から去る。




宿に戻ったスラートたちは、早めの食事を摂った後、一部屋に集まった。

スラートが号令を掛ける。


「今晩、仕掛けるぞ」


「へい」


彼らは盗賊。


夜襲など、お手の物。


着々と準備を進め、その時を待つ。




そして深夜・・・・・


スラートたちは、動き出す。

狙いは、『勇者』だ。



寝静まった町の中を、黒装束の男たちが駆ける。



目的の宿屋に到着すると、3方に別れた。


一組は、裏口から忍び込み、1階にいる者たちを始末する。

もう一組は、屋根伝いに2階から忍び込み、そのまま2階にいる者たちを始末する。


そして最後の一組は、同じく2階から遅れて忍び込むのだが、

2階は、素通りして3階を目指す。


その3階を目指す組の中に、スラートの姿があった。





1階と2階を任された配下たちは、音を立てず、心臓を一突きにして、次々と屠る。


騒がれると、後々、面倒な事になるのが分かっているので、

誰一人として、見逃さない。



予定通り事が進み、1階、2階と制圧している頃、

スラートたちは、3階の勇者が泊っている部屋の前に到着した。


後は、この部屋にいる勇者を倒すだけなのだが、スラートは違和感を覚える。


「おい、この階に人はいたか?」


「いえ、誰もおりません」


配下の返事を聞き、スラートは違和感の正体に気付く。


勇者の配下がいないのだ。


今迄、覗いた部屋には、ベッドが2つしか無かった。


ならば、勇者が泊っている部屋にも、ベッドは2つの筈。


勇者が1人で行動しているとは思えない。

また、連れが1人しかいないなどという事も考えにくい。


ならば・・・・・


考えられるのは・・・・・


スラートは、配下に命令する。


「気を引き締めろ。

 勇者たちは、この部屋に集まっているぞ」



警戒を強め、静かに扉を開ける。


「待っていたぞ、盗賊ども!」


開け放つと同時に、ルドミラの声が響く。


観念したかのように、部屋の中に入るスラート。


「チッ、バレていたか・・・・・」


両手を上げ、降参したかのようなポーズをとった。

そんな態度をとっても、ルドミラが許す筈が無い。


「盗賊風情が・・・・・

 この私の部屋に押し入ったこと、後悔するがよい!」


魔法で明るくした部屋の中で、剣を抜いた。



不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ