アガサ サラーバでの戦い③
片側の翼を傷つけられたバルバットは、地上戦を余儀なくされる。
アンデットオオトカゲの突進に、シェイクとメルクの連携攻撃。
その隙を突き、マリウルとガリウスが攻撃を仕掛けた。
だが、これといった致命傷を負わす事が出来ない。
「こいつ、地上でも素早いな・・・・・」
「ああ、油断するなよ」
「勿論だ」
再び攻撃を仕掛けるマリウルとガリウス。
マリウルが前方に出て、剣を振る。
バルバットがその攻撃を躱したところを、ガリウスが槍で突く。
見事な連携攻撃だったが、その攻撃も空を切る。
繰り返される攻撃だが、どれも紙一重で躱される。
無理に攻撃を仕掛けず、傷を与える程度に抑えているバルバット。
「ククク・・・・・そろそろ、疲労の色が見えてきましたね」
悪魔は、人を甚振り、絶望を与え、魂が黒く染まってから喰らう。
今は、その過程を楽しんでいるのだ。
だが、バルバットは、人族を甘く見すぎていた。
戦っているのは、マリウルたちだけではない。
後ろに控えていたエブリンとシャーロットも、タイミングを見計らっていたのだ。
そして、その時が来た。
「サウド、お願い」
「うん、任せて!」
動きが止まった瞬間、サウドの魔法が発動し、
バルバットの足を捉えた。
砂が足に纏わりつき、コンクリートのように固くなると、
完全に動きを封じた。
「貴様ぁぁぁぁぁ!」
サウドを睨みつけるバルバットに、雨が降り注ぐ。
だが、ただの雨ではない。
シャ-ロットの魔法『ホーリーレイン』。
グールを壊滅させた魔法が、バルバットに容赦なく降り注いだ。
「グワァァァァァ!!!」
顔を両手で塞ぎ、阿鼻叫喚の呻き声を上げるバルバットに、
今度は、エブリンが仕掛ける。
『我に応えし者よ、我が敵を業火の炎で焼き尽くせ。
来たれ!
『フェニックス』」
炎を纏った『フェニックス』は、バルバットを飲み込んだ。
「ギャァァァァァ!!!」
『フェニックス』の炎は、敵が焼き尽くされるまで消えることはない。
バルバットの体は、灰へと変わり、最後は、塵となって消えた。
だが、悪魔1体を倒したところで、戦いは終わらない。
マリウルたちの背後から現れたサンドワーム。
新たな戦闘が始まった。
一方、悪魔たちを屠りながら、アガサのもとへと向かうアルバたち。
倒された者から、足元に広がる『嘆きの沼』へと引き摺り込まれる。
それは、アガサの召喚した悪魔だけではなく、アルバの配下も同じこと。
召喚された悪魔たちの数も減ったが、同時にアルバの配下も減っていた。
ただ1つ、絶対的な違いがある。
それは『数』。
アガサは、元々の配下ではなく、召喚した者たち。
云わば『捨て駒』。
報酬を餌に、召喚すれば何の問題の無い。
一方、アルバは、ワァサから預かった部下のみ。
連携や、意思の疎通は出来ている為、その辺りは優位だが、
数に限りがある。
その為、数で押されてしまい、
徐々に、疲労の色が現れ始めると、アガサの召喚した悪魔たちの勢いが増した。
「畜生・・・・・何人いやがるんだ・・・・・」
まだ、アガサ直属の配下たちにも、対峙していないアルバたち。
屠られ、『嘆きの沼』へと沈んでゆく仲間の姿が目に映る。
「くそじじぃ・・・・・絶対、殺す・・・・」
アルバは、力を振り絞り、前へと進む。
仲間が減った分、アルバの闘いは熾烈を極めた。
そんな中、疲れから足元を滑らせてしまう。
「!!!」
━━━しまった!・・・・・
体勢の崩れたアルバに、召喚された悪魔の剣が、振り下ろされた。
『致命的な傷を負えば、『嘆きの沼』へと引き摺り込まれる』
覚悟を決めるアルバだったが、振り下ろされた剣は、アルバには届かなかった。
「間に合ったようですね」
突然現れ、剣を受け止めたのはゴージア。
ゴージアが蹴りを放つと、剣を受け止められた悪魔の体が、二つに割れた。
「お前、何処に行っていたんだよ・・・・・」
『ホッ』と一息ついたアルバが尋ねた。
「申し訳ございません。
少し、用事を・・・・・・」
ゴージアが、指を『パチンッ!』と鳴らすと、
次々に、ベーゼ配下の悪魔たちが姿を現した。
「このように、仲間を呼んで参りました」
「それは、助かる・・・・」
ゴージアが呼んできた悪魔たちの数は、100を超える。
ここに来て、アルバは、初めて一息つく事が出来た。
その頃、アガサは焦っていた。
それは、突然足元に『嘆きの沼』が現れたからだ。
「こんな事が出来るのは、ベーゼだけだ。
だが、奴は、死んだ筈だ!
なら、何故!?
誰が、こんな真似を・・・・・」
焦るアガサの前に、『嘆きの沼』から現れるアンデットの集団。
彼らは、アガサと護衛の悪魔に襲い掛かった。
アンデットは消滅させない限り、倒しても再び立ち上がる。
また、屠られたアガサの配下も、一度『嘆きの沼』に沈むと
今度は、アガサの敵として現れ、襲い掛かってきた。
「ベーゼめ!
死して尚、この儂に歯向かうのかぁぁぁぁぁ!!!!!」
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