表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天魔の子(仮)  作者: タロさ
184/236

動き出す者たち 新たなる侵略者②

精霊の体を奪った悪魔の総数29名。

その中には、アガサと執事のモスもいる。


「では、向かうとするか」


精霊の体と記憶を奪った悪魔の集団は、慎重に精霊界を目指した。


いくら、中身が悪魔と言えど、今は精霊の姿。

この状況で他の魔王の手下に見つかれば、戦闘が起きる。


まして、精霊の体を奪い、地上に降りようとしていることが発覚すれば

天界全体を巻き込んだ騒動になり兼ねない。


アガサの屋敷に招くときは、配下の悪魔を護衛に付けることで、

他の魔王に見つからずに済んだ。


しかし、今回は違う。


アガサの真の目的は、地上界を恐怖に陥れ、

全てを手に入れる事。


その為、配下の悪魔を全員地上界に連れて行かなければならない。


アビズから聞いた『悪魔』など、自身が出向けば、取るに足らぬこと。


屠ればいい。



それよりも、アガサにとって、

今は、この魔界から精霊界に辿り着く事の方が重要なのだ。


その為、アガサと言えど、慎重に慎重を期して、精霊界を目指していたのだが・・・・・


やはり29体というのは多過ぎた。


「おい、貴様ら、そこで何をしている!」


精霊界に辿り着く前に見つかってしまった。


「よりによって、あいつの配下か・・・・・」



七大魔王(現在は六大魔王)は、共闘している訳ではない。

同じ悪魔族でも、お互いを牽制し合う事で、秩序を保っているだけなのだ。


だが、他種族の扱いについては、皆同じ。


魔界に足を踏み入れた時点で、敵対行為とみなし、壊滅に動く。


しかも、今回アガサたちを見つけたのはウァサの配下の悪魔。

ウァサは、エンデの父親であったベーゼの友人でもあり、

以前よりアガサの事を良く思っていない悪魔の1人だ。


此処で捕らえられるわけにはいかない。


━━━仕方ない、ここは・・・・・


アガサは、配下に命令を下す。


「分散して逃げろ。

 決して、生きたまま捕まるでないぞ」


生きたまま捕らえられ、今回の作戦が明るみに出ることは避けたい。


アガサは、配下に待ち合わせ場所を伝ると、

『行け!』と声を上げた。



配下たちは、『ご無事で・・・・・』と口にした後、行動に移る。


四方に飛び立つ精霊(アガサの配下)。


「おい!」


ワァサの配下の1人で、部隊長の『アルバ』は、動揺すること無く、的確な指示を送る。


「一人も逃すな!

 魔力結界で囲み、逃げ道を塞げ!」



魔界において十二分に力を発揮できる悪魔と

一時的にとはいえ、精霊の体に乗り移った為、力を発揮することの出来ない悪魔。


発揮される力には、雲泥の差があった。


その為、逃げ道を塞がれてしまい、成す術が無いアガサたち。


このままでは、全員が捕らえられると感じたモスが行動に出る。


「旦那様、どうかご無事で・・・・・」


精霊の体を脱ぎ捨て、元の姿に戻ったのだ。


これにはアルバも度肝抜かれる。


「お前は、アガサ様の配下のモス・・・・・。

 何故、精霊の姿に・・・・・」


驚くアルバに、モスは躊躇なく魔法を放つ。


「貴様の知るところでは無いわ!

 我が主君の野望の為、ここで消え失せろ!」


普段とは違う言葉遣い。


モスにも余裕がないのだ。


放たれた魔法は、アルバにあっさりと躱されたのだが、

それもモスの計画の内。


本来の目的は、構築されかけていた結界の破壊。


攻撃に見せかけて放った魔法は、ただの魔力の塊。

アルバに当たっても、何ら害は無い。


それどころか、傷を負う事も無いのだ。


だが、結界には、最大の効果を発揮する。


異質な魔力が加わることで、その意味を為さなくなる。


作戦は見事に成功し、構築されかけていた結界に歪みが生じた。


その隙をアガサは見逃さない。


「今だ!」


歪み、様々な所が綻びた結界など、あって無いようなもの。

作戦通り、四方に飛び立つアガサたち。


しかし、結界が無意味なものになったからと言って

アルバが黙って見過ごす筈が無い。


「各自、目の前の精霊を殲滅せよ!」


その言葉に、アガサの配下も行動に出る。

数人の悪魔が、精霊の体を脱ぎ捨てた。


「アガサ様に栄光を!」


「モス様、アガサ様をお願い致します!」


精霊の体を脱ぎ捨てた10人の悪魔。

再び精霊の体を得ることは難しい。


魔界を捨て去ろうとした彼らに待っているのは、死。


拷問されたうえで殺されるか、はたまた、この場で死ぬかの二択しか残されていない。


それを承知で、精霊の体を脱ぎ捨てた彼らに迷いなど無い。


魔力を武器化させ、アルバ達に襲い掛かる。


その隙に、精霊と化している仲間たちを抱きかかえたモス。

当然、その中にはアガサの姿のある。


「旦那様、今暫くご辛抱を・・・・・」


モスは、他の仲間に目もくれる事無く、一目散に離脱を図る。


「待てっ!」


声を掛けるアルバ。

その前に立ち塞がるアガサの配下の悪魔たち。


「へっへっへ・・・・・この先は、行かせねぇよ」


━━━こいつら、本当に面倒臭ぇ・・・・・

   取り逃がしてしまうじゃねえか・・・・・


そう思った時だった。


「アルバ様!」


援軍が駆け付けたのだ。


「『デリート』良く来てくれた。

 早速だが、奴らを追え」


「しかし・・・・・」


「気にするな、あいつらの相手は俺がする。

 頼んだぞ」


「はい!」


デリートは、アルバの指示に従い、精霊を仲間と共に追おうとした。

しかし、立ち塞がるアガサの配下が、それを許さない。


「お前たちの相手は、俺様たちだ!」


魔力で武器を具現化し、デリートに襲い掛かる。


だが・・・・・


2人の間にアルバが割り込む。


「忘れるな、お前の相手は、この俺だ」


一旦、距離を開けるアガサ配下の悪魔。


「クソが!

 大人しく結界でも張っていればいいものを・・・・・」


吐き捨てるように呟く姿に、アルバは不敵に笑う。


「結界など、もう、どうでもいいさ。

 俺の使命は、貴様らの殲滅だ」


「小賢しい・・・・・」


『それにだな・・・・』とアルバが言葉を続けた瞬間

背後に感じる危険な何か・・・。


振り返ると、そこにあったのは『黒い渦』


「なっ何故だ!

 何故、貴様みたいな下級の悪魔が、このようなものを・・・・・」


「おいおい、勝手に下級などと決めつけるなよ。

 俺を誰だか知らないのか?

 まぁ、死にゆく者への手向け(たむけ)として名乗ってやる。

 俺の名は、アルバだ。

 忘れんじゃねえぞ」


アガサを守る為に残った者たち。

その全ての者の背後に出現した『黒い渦』から触手のような手が伸びる。


『ヒィィィィィ!』


「や、止めろぉぉぉぉぉ!」


断末魔の叫びを残し、アガサの配下は姿を消した。


全てを屠ったアルバだが、その表情は曇っている。


「これって、一大事だよな・・・・・

 なんて、報告すればいいだよ・・・・・」


兄である魔王ワァサの激怒している表情を思い浮かべ、

頭を『ポリポリ』と掻きながら、苦悩するアルバだった。



不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。


ブックマーク登録、感謝しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ