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天魔の子(仮)  作者: タロさ
146/236

街と教会 貴族の反乱

翌朝・・・・・


セフィーコットが宿泊していた宿には、

逃げ延びていた教会関係者と宿屋の主人の屍の他に

昨日宿泊していたと思われる者たちの惨殺死体が転がっていた。


この事件は、すごい速さで街中に広まった。

勿論、そう手配をしたのは、ドミニク デモン。


「無事に、任務を終えました」


ドミニクに報告するノスマン。


「わかった。

 では、次の作戦に移れ」


「はっ!」


ノスマンが、部屋から去った後、ドミニクも準備に入る。

今日は、アイゼンの屋敷で、会合が開かれるのだ。


準備を終えたドミニクは、馬車に乗り込み、アイゼンの屋敷へと向かう。



その頃、アイゼンの屋敷では、兵士から報告された情報に驚いていた。


━━━昨日話をしたばかりなのに・・・・・早い・・・・・


もたらされたのは、教会関係者とセフィーコットの死。


アイゼンたちよりも一歩も、二歩も早く、事を進めて行くドミニクのやり方に脅威を覚える。


「このままでは・・・・・」


『このまま進めば、全てを奪われるかもしれぬ』

そう考えるアイゼンは、自分たちも手柄を立て、対等に並ぶことを決意した。


時が経つと共に、アイゼンの屋敷には、次々と貴族たちが集まる。


エルマール メンデとギルバード キャンは勿論の事だが、

他にも、男爵や、準男爵までもが顔をそろえた。


「この街の貴族が勢ぞろいとは・・・・」


驚きを隠せないアイゼン バルゴ。

彼が、聞いていたのは、『今日同士が集まる』という事。

ただ、それだけ。


おおよその人数も知らされていなかった為、

メイドたちが忙しく動き回っていた。


「アイゼン様も大変そうですな」


話しかけてきたのは【ウオッカ サントーネ 】。

この街の男爵だが、領地も何も持っていない男。


「ウオッカ殿、久しいな」


「ええ、なにぶん忙しく、ご挨拶にも伺えず、申し訳ありません」


「ははは、気にするな。

 貴殿は、ドミニク殿の仕事を手伝っているのだろ」


「はい、可愛がって頂いております」


「それでは、仕方のない事だ。

 気にする程の事ではない。

 だが、これからは宜しく頼む」


「ええ、ええ、勿論です」


いやらしい笑みを浮かべるウオッカ サントーネ。


この男は、領地などは持っていない。

だが、この男については、きな臭い噂ばかりを耳にしている。

その為、アイゼンは、『今回のセフィーコット惨殺も、彼の仕業なのでは?』と疑った。


そんなことを思っているうちに、この屋敷で一番広い会場には、多くの人物が集まっていた。

少ないが、その中には商人の姿もある。


各々に挨拶やら、世間話に花を咲かせていると、会場の扉が開く。

開け放たれた扉に視線が集まる。


そこに現れたのは、ドミニク  デモン。


「皆さん、お待たせして申し訳ない」


上辺だけの謝罪を口にしながら、笑みを浮かべている。


「アイゼン殿、待たせてすまない」


「いや、大丈夫だ。

 それよりも・・・・・」


会場を見渡す。


「ああ、思った以上に集まってくれたようだ。

 色々と根回しも必要だったので、そのついでに勧誘したのだよ。

 『この先、教会につくか、それとも私たちと共に行動を起こすか?』とね」


アイゼンも馬鹿ではない。

商人が教会を敵に回すとなれば、それなりのリスクが伴う。

それが、内面であっても・・・・。


商人とは、警戒に警戒を重ね、石橋を叩いて渡るような者たちが多い。


その為、『本当に、この街を乗っ取ることが出来るのか?』ということを示す

それなりの証拠となるものを欲しがった筈なのだ。


そこで、アイゼンは理解した。


その証拠が、商人ギルド責任者でもあるセフィーコットの惨殺。


責任者がいなくなれば、新たな責任者を立てるしかない。


その責任者の器に収まるのが、ドミニクの囲っている教会関係者。


生き残りの惨殺もその為、出来るだけ多くの教会関係者を殺し、

囲っている教会関係者をその席に座らせるために行った事。


━━━これは、商人・・・・

   いや、ここに集まった者たち全員が知っているな・・・・・


全てに納得すると同時に、危機感を改めて募らせるアイゼン。


━━━このままでは・・・・・


アイゼンの当初の計画は、街を二分して治める事。

だが、現状から、それは難しくなっている。


ここに集まっているのは、ドミニクの息のかかった者たちばかり。

アイゼンの仲間は、エルマールとギルバードの2人だけなのだ。


それに、この場所を用意したことで、

アイゼンも、ドミニクの部下のような立ち位置にされていることに気が付いた。


━━━この私も、この者たちと同じだというのか・・・・・・


そう思えてくると、隣で談笑しているドミニクに、嫌悪さえ覚えた。

だが、『まだ、道はある』と思い直す。


今回の件、犯人は、まだ捕まっていない。

それも当然の事。

犯人を仕立て上げるのは、これからなのだ。


今後の計画は、犯人にこの街から消えてもらう事。


勿論、その犯人にされるのが、この街で騒ぎを起こした元凶の少年たち。

エンデとその一行。


『彼らの始末をおこなえば、ドミニクと対等になれる』

そう思い込んだアイゼンは、エルマール とギルバードを呼びつけた。


「この後の犯人逮捕の件だが、私たちでおこなうぞ」


「えっ!?」


「このままだと、私たちはあの者たちと同じ立ち位置になるかもしれぬ。

 そうならない為にも、この件は、我らで片を付けるしかない」


アイゼンの切羽詰まった状況を物語る話し方に、

エルマールとギルバードは自然と頷いた。


「わかった。

 力を貸そう」


「ああ、勿論だ」


3人が話を終え、決意を新たにした時、

近くで聞き耳を立てていたドミニクは『ニヤリ』と笑みを零す。




不定期投稿ですが、よろしくお願いいたします。

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