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天魔の子(仮)  作者: タロさ
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奪還と報復 ゴンドリア帝国王都

~アルマンド教国~


教皇【セグスロード ゴール】は、ゴンドリア帝国からの報告を待っていた。


「あの国も、そろそろ我が教国のものになるのだな」


「はい、勇者も派遣しておりますので、間違いないかと・・・・・」


教皇の手足となって働いている御側付きの【ファール】は、深々と頭を下げた。





しかし、それから数日経っても、ゴンドリア帝国で動いている者たちからの連絡はなかった。


「ファール、連絡はまだか!?

どうなっているのだ!?」


定期連絡も途絶え、苛立ちを覚えるセグスロード ゴールは、新たな決断をする。


「【ヨルムン】を呼べ!」


「はっ!」


聖騎士隊総隊長ヨルムン。

アルマンド教国において、聖騎士の頂点。


黄金に輝く鎧を纏い、威風堂々とした姿でセグスロードの前まで来ると、

片膝をついて敬意を示す。


「教皇様、お呼びでしょうか?」


「呼びつけてすまない。

 貴殿の耳にも入っておるとは思うが、ゴンドリア帝国からの連絡が途絶え

 すでに7日の時が過ぎた。

 それでだ・・・・・」


セグスロードは、長く伸ばした顎髭を触る。


「お主の部隊から、誰か様子を見に行かせては貰えないか?」


「そういう事でしたら」


ヨルムンの護衛について来ていた聖騎士【ルカク】と【パラーボ】が呼ばれた。


「この二人と10名の聖騎士を向かわせましょう」


「そうか、頼んだぞ」


「「「はっ!」」」





教皇との面会を終え、本殿を後にしたヨルムンたち。


「ルカク、パラーボ、油断はするな。

 あの国には、勇者も向かわせていた筈だ。

 それなのに、連絡が途絶えている」


「もしかして・・・・・」


聖騎士たちは、顔を見合わせる。


「ヨルムン様は、勇者一行が敗れたとお考えですか?」


ルカクの率直な質問に、ヨルムンは頷いた。


「その可能性が高いな」


「「そんな・・・・・」」


彼らも勇者の強さは知っている。

それだけに、信じられないといった思いは強い。


それに、ゴンドリア帝国に、勇者を倒すほどの実力者がいるとは信じ難い。

しかし、ヨルムンが、その可能性を示唆するような発言をしたことで、

ルカクもパラーボも、納得せざるを得ない。


「いいか、決して気を抜くな。

 何かあれば、直ぐに報告しろ」


「畏まりました」


翌日、ルカクとパラーボは、10名の聖騎士を引き連れてアルマンド教国を旅立った。






新たにアルマンド教国から聖騎士たちが旅立つ数日前、

エンデたちは、ゴンドリア帝国の王都の入り口に立っていた。


「エンデ、この子たちを連れたままで王城に向かいましょう」


エブリンが、珍しくアンデットたちを連れて歩くことを提案する。


「えっ!

 いいの?」


「今のこの国の状態を考えればそれが一番安全なのよ。

 それに、この子たちを連れていたほうが、国民も私たちに手が出しにくいでしょ」



実際に、食料などを奪っていたのは教会なのだが、その事を国民は知らない。

その為、手を差し伸べてくれたと勘違いをしている国民たちは、

教会や勇者一行を応援していた。


さしずめ、国民にとっては、

国を守る勇者一行と教会聖騎士VSアンデットを引き連れた悪魔軍(エンデ一行)

という様相を呈していた戦いに見えていた筈。


そして結果は、応援していた勇者一行が敗北し、エンデたちの圧勝。


良い感情を持てる筈が無い。


そんな感情の国民の間を通るのだから

お互いの為に、警備は頑丈にしておいたほうがいい。


エブリンは、皆にそう告げた。


「確かにそうね。

 彼らが襲ってきたら、手を出すしかないものね」


シャーロットの意見を聞き、ホルストはエンデにお願いをする。


「出来れば、国民との争いは避けて頂きたいというのが私の本音です。

 主様、どうかアンデットたちのご同行を」


「うん、そうだね。

 じゃぁ、悪魔らしく王城に向かおう!」


「「「えっ!?」」」


エンデは、アンデットオオカミたちを先頭に配備し、

その後ろからアンデットオオトカゲに乗り込んで、門を潜る。


王都に入ると、民は驚きと恐怖を感じた。


大地を響かせて進み来るアンデットオオトカゲ。

その先を闊歩するアンデットオオカミたち。


民の目には、『悪魔の行進』にしか見えない。


『この国が、悪魔に乗っ取られる・・・・・』


多くの国民が、そう思った。

しかし、少数ではあるが『勇者様の敵を!』と声を張り上げ、

エンデたちを追い返そうと、武器を手に持ち集まった者たちもいた。


だが、アンデットオオトカゲの頭部に立ち、

6枚の翼を広げ、腕を組み、畏怖のオーラを惜しみなく放ちながら、

眼下を見下ろすエンデの姿に、正気を保てずその場にへたり込む。


恐怖を刷り込まれた者たちは、項垂れたまま

何か『ブツブツ』と呟き、精神に異常をきたしていた。


武器を手放し、狂った民を見て

『ハァ~』とため息を漏らす。


「エンデ、やりすぎよ!

 少しは、抑えなさい!」


「はーい」


エブリンに注意を受け、エンデは翼とを収めて、

皆のいる背中へと戻った。


畏怖のオーラを放つことを止めても、

歯向かった民の末路を見て、

その後は、誰一人としてエンデたちに歯向かう者はいなかった。


王城に到着すると、ホルストがアンデットオオトカゲから飛び降りて、

門番に告げる。


「陛下のご命令に従い、アンドリウス王国より、客人を連れて来た。

 速やかに案内を」


「はっ!」


ホルストの命令に門番は従い、アンデットたちを案内する。


連れて来られたのは、城壁内の広場。


「こちらで、あの、その・・・・・魔獣は、こちらに・・・・・」


恐怖のあまり、門番は、しどろもどろになっている。


「この子たちは、ここで待機という事ね」


「は、はい!

 左様でございます」


「わかったわ」


エブリンに通訳され安堵する門番。


アンデットたちを広場で解放した後、エンデたちは王城に入り

謁見の間へと向かった。



そして今、謁見の間で国王サンボーム ゴンドリアと面会を果たす。


「陛下、只今、戻りました」


「ホルスト、長旅、ご苦労であった」



不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。

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