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9 グループ分け

      【藤代くん視点】

 「このクラスで二人一組になってお互いのいいところを言い合えー」


 はぁ? 何だよその授業!?

 でたよ、僕が一番嫌いなグループ分け。

 まぁ、いいや。どうせ僕と一緒になってくれる人なんている分けないからね。


 「藤代くん一緒にペアになろ!」


 はい!? いや、待て待て待て。

 こんな僕が学校一の美少女、白井さんと一緒になるなんて奇跡に等しいぞ。

 でも、別に断る理由もないし。


 「……い、いいよ」


 待てよ? でもこれ、白井さんのいいところ言わないとダメなんだよな。

 恥ずかしすぎるだろ。

 どうしよう。


 「えっと、これって白井さんのいいところを言わないといけないんだよね?」

 「もちろんよ!」

 「白井さんも僕のいいところを言うんだよね?」

 「当たり前でしょ!」


 何でこんな白井さんはやる気満々なんだよ。

 白井さんのいいところか。

 可愛いじゃ普通だもんな。

 優しいも普通か。

 髪型が好き、匂いが好き、容姿が好き。

 これじゃあ白井さんに引かれてしまう。

 難しい……。

 こうなったら僕の気持ちを正直にぶつけるしかない!

 恥ずかしさを捨てるんだ!


 『好きです!』


 ……え、今僕なんて言った?



      【白井さん視点】

 「このクラスで二人一組になってお互いのいいところを言い合えー」


 何、その授業!?

 まぁ、いいわ。絶対に藤代くんとペアになるんだからね!


 「藤代くん一緒にペアになろ!」


 言えたわ! でも問題は藤代くんが私と一緒になってくれるのかだわ。

 もし断られたらどうしよう……。


 「……い、いいよ」


 やったわ! 藤代くんに私の気持ちが伝えれるチャンスだわ!


 「えっと、これって白井さんのいいところを言わないといけないんだよね?」

 「もちろんよ!」

 「白井さんも僕のいいところを言うんだよね?」

 「当たり前でしょ!」


 藤代くんは私になんて言ってくれるのかしら。

 私はもちろん、かっこいい、性格もいい。ってこれじゃあ、何だか普通すぎない?

 もっと藤代くんにぴったりな言葉があるはずよ!

 藤代くんが喜ぶようなとっておきを用意しなくちゃね。

 なんて言おうかしら……。

 こうなったら、私の本当の気持ちをぶつけるしかないわ!

 恥ずかしがってちゃダメよ!


 『好きです!』


 ……え、今私なんて言った?


 お互いの声は見事に重なって届きませんでした。

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