1 髪型
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【藤代くん視点】
隣の席には何と白井さんと言う美少女がいる。
黒髪ショートヘアだ。
「藤代くんって髪切った?」
よく見てるな。クラスで誰からも気付いてもらえなかったのに。
「……うん」
「それ、似合ってないよ」
!??
お、落ち着け。相手はこの学校一の美少女。対して僕は地味でクラスからも認知されてるかわからない存在だ。
ここで反論したら確実に負ける。
「そ、そう?」
「うん、前の方が良かったかも」
それはポジティブに考えていいんですか?
前の方が良かった。それは前の方がカッコ良かったってことですか?
あー、分からん!
でも、ここは冷静に大人の対応だ。
「白井さんの髪型も似合ってると思うよ」
「……はぁ?」
「……え?」
あれ? 今、僕何か変なこと言ったかな?
白井さんの顔がすごく赤くなってる。
熱でもあるのかな?
「べ、別に似合ってないし! あと、藤代くんの前の髪型の方がカッコ良かったから、切っちゃったのは残念だなとも思ってないし!」
あ、照れてるんだこれ。
可愛い……。
【白井さん視点】
隣の席には藤代くんと言う優しくてちょっと気になってる人がいます。
髪はちょっと男の子にしては長いかな?
でも、あれってもしかして……。
「藤代くんって髪切った?」
これで違ったらどうしよう……。
よし、その時は謝ろう。
「……うん」
やっぱり! でも、前の髪型も好きなんだよね。ちょっと長い方がミステリアス感があってカッコ良かったし。
うーん。こんな時はなんて言おう……。
「それ、似合ってないよ」
!??
私今なんて言った!?? 馬鹿、馬鹿、馬鹿、私のバカーーー!!
どうしよう。藤代くんすごい落ち込んでる。
ちゃんと謝らないと……。でも、謝っても余計に怒ったらどうしよう。
「そ、そう?」
よし、こうなったら褒めるんだ! 人は褒めるべし!
「うん、前の方が良かったかも」
ちょっと嬉しそうにしてる! これで良かったんだ。私は正解の選択をしたんだ!
「白井さんの髪型も似合ってると思うよ」
はいー!?? いきなり褒められたー!!
でも、これで素直に喜んでも嘘かも知れない。これはちょっと様子見だ。
「……はぁ?」
「……え?」
何で私はこんなことしか言えないのかなー。もし藤代くんが言った事が本当だったらどうしよう。本当……って恥ずかしい!
「べ、別に似合ってないし! あと、藤代くんの前の髪型の方がカッコ良かったから、切っちゃったのは残念だなとも思ってないし!」
あっ、やばい! 勢い余って本音言っちゃった。これで変に意識とかされないよね!?
藤代くんの顔は……。
あ、嬉しそうだった。
そんな所もかっこいい……。
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