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色のない僕と鮮やかな君  作者: 廿楽 月
4月 出会い、すべての始まり
2/31

1.君との出会いは必然で

――4月1日


 その日は朝からとても良い天気だった。春らしい気持ちの良い日だったから、東雲 湊(しののめ みなと)は珍しく外に出かけることにした。

 高校生である彼は、学校のない日はひたすら家にこもる生活を送っていた。なぜなら、彼は人と関わることを好まないからだ。

 それがなぜか、その日に限っては外に出かける気になった。

 湊は数少ない普段着の中から一番よく着るものを選び身につけると、何も持たずに外へと出かけて行った。



 行くあてもなく街を歩いていく。小学校、病院、スーパーの前をただただ通り過ぎていく。

 すると突然湊の足が止まった。それはケーキ屋の前だった。

 彼の視線はケーキ屋の客だろうか、店の中にいる一人の少女に向いていた。

「きれいな人……」

 人と関わることを好まない彼らしくない言葉だった。

 店から出てきた少女は湊に気づくなり、微笑みながら近づいてきた。

「私ね、最近この辺りに引っ越してきたの。だから近くに友達がいなくて……。もしよかったらお友達になりませんか」

 突然の申し出に、湊は口をパクパクさせるだけだった。驚きのあまり、声にならないのだ。いきなりこんなお願いをされることが理解できなかったし、何しろ彼には友達がいたことはない。

 それを見た彼女はこう続ける。

「私は日日日 花梨(たそがれ かりん)っていうの。いきなりこんなこと言われても困るよね。でもこうして出会えたのも何かの縁だし……。ね、ね、人助けだと思って、お願い!!」

 彼女は手を合わせて懇願してくる。

 なぜこんなに必死になってお願いしてくるのか湊にはさっぱりわからない。しかし、彼は花梨の勢いにあっさりと負けてしまった。

「わかりました。友達になるので落ち着いてください」

 すると彼女は目を輝かせ、嬉しそうに応えた。

「ほんと!?やったー!!これで私とあなたは友達ね。えーっと、名前は……」

「東雲湊です」

「湊ね。ねえ、湊。私、またあなたに会いに来るから。そしたら面白い話、いっぱい聞かせてあげる」

 そう言うと彼女はどこかへ行ってしまった。

「ちょっと待って――」

 しかし、振り返ることなく彼女は去ってしまった。 

「何だったんだ、あの人。僕に会いに来るってどうやって……」


 その後、日常的に花梨と会うことになると、このときの湊はまだ知らない。


――あとがき――

 湊くんと同じくひきこもり生活中の廿楽 月です。

 『色のない僕と鮮やかな君』第1話でございますよ!!

 今回は主人公湊くんがヒロイン花梨ちゃんと出会うお話でした。

 そしていきなりお友達(?)になった2人。なぜお友達になったかは……花梨ちゃんに聞いてください(え

 各話のタイトルにも意味があるのでそれと合わせて考察していただければと思います。

 今回は第0話から1週間後に投稿できたので、こうやって定期的に投稿できるといいな……(フラグかな?)。

 ではでは、また次話でお会いしましょう!!

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