第4章 龍一の過去
「天正伊賀の乱」の事を聞かれると、説明が難しいので、興味のある方は、ウィキペディアで調べてください><
龍一は歩きながら、夜空を見上げていた。
「わ、分かっているは龍一くん……誰だって話したくない事があるものね」
しばらくして龍一は立ち止まった。
そして美奈子の方を見て、
「ねーさん……ねーさんが何故、アルテミスなんだ?」
と美奈子に尋ねた。
「龍一くんには本当のことを言うわ。でも、正君には内緒にしてほしいの……変な事件に巻き込みたくないから……」
「ああ、そうだね」
美奈子は龍一に全てを話した。
龍一は、顔色変えず、美奈子の話を聞いていた。
「そうだったのですか……」
そう呟くと、龍一はしばらく下を見て、黙り込んだ。
「龍一くん?大丈夫?話したくない事は話さなくていいからね」
龍一は顔を上げ、美奈子を見つめた。
「実は俺……」
美奈子は息を呑んだ。
「俺、改造人間なんだ!」
「え?」
もちろん龍一の冗談である。
だがこれで、いつもの龍一に戻ったようだ。
「もう……」
美奈子は一瞬、怒った顔をし、そして優しく微笑んだ。
「ちょうど一年前……、俺は師匠を……育ての親を殺した」
もう美奈子には、冗談なのかホントなのかが分からなくなった。
だが、さっき化け物を倒した時「俺はまた人を殺した」と言っていたのを思い出した。
「ホントなの?」
龍一は頭をかきながら、
「ホントです」
と答えた。
「俺が天神流の継承者になるため、師匠と本気で試合をし、俺はこの手で師匠を殺したんです」
「で、でもそれは試合中の事故じゃない」
「俺は自分の本名も本当の誕生日も知らない……師匠は僕に、天神流の継承者でも最強の男、神威龍一の名前を僕に付けてくれました。」
「その人なら知っているわ。有名な武道家ですもの」
「僕にとって師匠は、大切な家族でした。そんな大切な人を俺は殺した。師匠が息を引き取る時、お前が天神流だ……それが、臨終の言葉です。でも僕はその時から、天神流の技を捨てました。だが、今日、馬鹿共を相手にした時、俺は心の底から強いヤツと戦いたい……そう思ったら、天神流の二十二代目と名乗っていました。でも、美奈子さんがアルテミスであるように、僕は天神流の継承者なんですよ。僕は修羅だから、正義のために戦えないが、影ながら力になるつもりです」
「ありがとう。龍一くん」
「あっ!」
「どうしたの?」
「お礼のキスがまだ……」
完全にいつもの龍一に戻ったようだ。
「しょ、しょうがないわね〜」
美奈子は龍一の頬に口づけをした。
「しかし、美奈子ねーさんの胸を触るなんて、しょうがないヤツらだ」
と言いながら、龍一も美奈子の胸を触っていた。
「りゅ、龍一くん!」
パシッ!
美奈子のビンタが炸裂した。
「いたた、キスしてくれたほうを打つなんて……頬が痛いよ〜またキスしてくれたら治るかも」
「いい加減にしなさい!」
美奈子のカミナリが落ちた!
「ごめんなさい!」
「あっ、正君が心配しているわ」
二人は、正のことを思い出し、急いで店に戻っていた。
だが、正は正しで、誰もいない事から、美奈子の裸を想像し、一人運動をしていた。